第11話 もう1人の継承者
何しろ数十の
しかも、異世界人でもう1人の領主の
問題は注目を浴びるのはいいのだが、良い意味だけとは限らないということだった。
樹前
その一方で手の平を返してくる
そんな状態でシズクをうっかり出歩かせると、何がどう転ぶかわかったものではない。
そんなわけで、セレスティーナとサクヤが
「終わったら、今まで通りと思ってたんだけどなあ」
出来ることと言えば、セレスティーナが
「ぼやくな。ほら、さっさと目を通せ」
そういうセレスティーナの声にも
昼は氏族の主だった者との会合。夜はこうして事務仕事。
シズクはヒマを持て余しているが、セレスティーナは
ストレスが
うんざりとしながら紙の束を受け取り、書類に目を落とす。
セレスティーナとシズクが目を通しているのは、それぞれの一族から
用紙には名前と
はっきり言って、目が
書いてある意味は理解出来るが、具体的に求める人材かどうかがさっぱりわからない。
「なあ、セレス」
「どうした」
「正直、見てるだけじゃさっぱりなんだけど。やっぱり
「言いたいことはわかるが、さすがに今はな」
樹前
「それに
「それもそっか」
山となった
はからずもサクヤの言ったように、方針が真逆なのだ。
「ってことはさ、この山をいくら
「と、言っても他にアテがない」
セレスティーナにしても、
だが、その
そこまで考えて、シズクはふとあることを思いついた。
「なあ、セレス。この山に書かれてる
「まあ、
「ってことは、逆に
シズクの言葉にセレスティーナが思いがけない言葉を聞いたというように目をパチクリさせる。
「どういうことだ?」
「要するに推薦から漏れた騎士の方が、俺たちが探す騎士にはピッタリなんじゃないかってことだよ。ほら、例えばさ――協調性がなくて乱暴で
例えば、カルディナみたいに。
とまではさすがに言わなかったが、ここまで言えばセレスティーナには十分に通じたらしい。
「どこかで聞いたことのあるような話だな。だが、確かにそちらの方が
「じゃあ、
とシズクも合わせて
「シズクはお留守番だ。館にはまだ他の氏族の者が
†
まず、
そうやって、最後まで残された10名の
「お
とカミラが
「本当にこのような連中を聖樹
「……一応、シースティカ様からは経歴不問とのお言葉は
遠回しにやっぱりやめておいた方が……というカミラの言葉に歯切れ悪くセレスティーナが答えた。
「で、戦力としてはどんな感じなんですかね」
だが、クリモアの教導官も受け持っているカミラはみな知っている名前のようだった。
「
「ローシャの護衛ぐらいか。
「この3人ならば、私の方が確実に勝ちます。この4人とは
最後の1人の名前を見たところで、ぴたりとカミラの手が止まった。
「どうした?」
「いえ、この
「除名? 覚えにないな」
トゥーンでは
もし除名されていれば領主の一族に連なるセレスティーナが知らないはずはない。
「たしか1年ほど前だったと思います。祖の魂を汚した罪をもって、
「祖の魂を汚す?」
言葉の
シズクの疑問に答えたのはカミラではなくセレスティーナだった。
「祖の魂を受け入れる時には
「少しだけ?」
何度も
「私のことはどうでもいい。とにかく、そういう変化を受け入れられない場合があるのだ。自分と
「ということは、カミラさんの
シズクの言葉にカミラはゆっくりと首を横に
「いえ。かなりの
「何か理由がありそうだな。だが、もし祖の魂を
「クリモアでもかなりの
うっそりと記録の向こうに
だが、それだけに
「だったらさ。実際に会ってみればいいんじゃないか?」
「会うと気軽に言うがな。もし
そこまで言ってセレスティーナはシズクのもう一つの目的に気がついたのか、軽く
「いや、まあ、そこはほら」
「遊びに行くんじゃないんだぞ。本当にもう……」
真面目なのか
「遊びに行くのでは無い、というのでしたらシズク様。キーヴァとエイリンをお連れください。道中、少しで良いので
「そうれはいいな。シズクもそろそろ教える方に回って学んだ方がいいぞ。私の苦労がよくわかるだろうしな!」
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