第6話 審判の意味
姉と異世界人がたったの2
その
「10家が態度を
「はい。それぞれの家長からは、異世界人の武勇は証明された。
「そうですか。残念です。自ら
平静さを
「こうなっては、ただ勝つだけでは足りませんね」
ノルデン・クリモア・ノルト。
クリモア貴族ではあるが、もちろん
トゥーンには異世界人は不要と考えている、クリモアの内政を支える家臣の一人だった。
クリモアにとっての主君筋であるジャーガ・フォライスに対しても、異世界人との連合
その意味ではロシーニアとは同志とも言える存在だった。
「ノルト卿、
「外れてくれればと思っていたのでございますが。残念です」
ノルデンは
「不敬を承知で申し上げれば、セレスティーナ様も
愛人のよう、とはさすがに言えなかったのだろう。だが、ロシーニアはノルデンを
「ノルト卿。私も同じ気持ちです。これでは異世界人の
「どうせ、はぐれアピス
セレスティーナが
しかし、半減とはいかぬまでも20以上の
「何とかして、あの異世界人だけを
それだけの数の味方が必要なのは、ひとえに祖の魂を
「ロシーニア様はそれをお望みでございますか?」
そんなロシーニアの様子をうっそりと
「であれば、私めにお任せ下さいませ。造作もございません」
「ノルデン、出来るのですか?」
「いかようにも。我々の忠誠は世界樹の統治者と
その言葉はロシーニアが心の
姉はトゥーンのために
だが、それがトゥーンのためでなければ祖の魂を
ロシーニアの思考はもはや、そのことだけを追いかけていた。
†
この
それだけに何かが起こるとしたら、ここだろうなという予想はしていた。
だが、さすがに
ロシーニアの様子をうかがいながら、セレスティーナは自分の名前が黒く
「こんな馬鹿な話がありますか!?
「お気持ちはお察しいたします。が、
「ロシーニア様がエクルースの家長である以上、セレスティーナ様はロシーニア様と
シズク様の
「しかし、当初よりセレスティーナお
「
それでも意見を
セレスティーナがロシーニアの実姉である以上、本来ならばロシーニアの味方となるのは常識でさえあった。
しかしながら、セレスティーナは最初からシズクの味方であることを公言していた。これを認めてしまっては今後の
かと言って、
結局、中立として
「しかし、セレスティーナは今は一族から
まさかここまで
だが、その領主の言葉はあっさりと
「クリモアの領主であられる、デュル・クリモアのご意見は尊重
「それはそうだが……」
「問われているのはシズク様がトゥーンの
なおも言葉を探そうとする父にセレスティーナはそっと首を
いずれにせよ、妹の
「ローシャ、これで満足か?」
「いいえ、お姉様。もう一つ、
「ロシーニア!」
「お父様はお
たまりかねた父としての領主の声を、しかしロシーニアは
「お忘れではございませんよね、お姉様」
「もちろん、忘れてなどいない。何が望みだ、ローシャ?」
「祖の魂の
ロシーニアの言葉に
「それがお
「それが望みか、ローシャ」
「はい、お姉様」
「わかった――シズク」
「ん」
それまで成り行きを
それを
「お姉様、お
「ああ。よく
高らかに宣言しながら、
「シズク、世間知らずの妹だが1つよろしく
「セレスほど
シズクの言葉の意味が理解できない、というように
「その、シズク様は
「いたら、30人ぐらいじゃ話にならないと思いますよ? セレス1人でその3倍ぐらいはいないと」
「ずいぶんとセレスティーナ様を評価されておられるますが……その
やはりこの異世界人は理解していない。そう言いたげな
「いやまあ、確かにセレスには
シズクの言わんとすることをようやく理解したのか、ロシーニアの
「その
「そっちこそ、ちゃんと負けた時のことを考えておいた方がいいんじゃないか? 何を
「そういえば、そうだな。まあ、シズクが勝つまでには考えておくから心配するな」
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