シーズン3
異郷の騎士
第1話 騎士の理
3・3の仲間
聖樹
何しろ、
しかも
形だけは成聖樹
それだけに
「思ったよりも似合うな。そうではないか、セレスティーナ
しかし、シースティカ
仮(V)想(R)空間での会議で1度、言葉だけは交わしているものの実際にこうして出会うのは初めてのことだ。
それはセレスティーナも同じで、自分よりも遙かに上位の存在に対して緊張を隠せないでいる。
「光栄に存じます。しかし、本当によろしいのでしょうか?」
「ん? 何がだ?」
「
シズクと同じく正
「何を馬鹿なことを。変異種の群れをわずかな手勢でもって
「結果だけを見れば、確かにそうかもしれませぬ。ですが、そこへ至るまでの方策は」
「ま、確かに品の良いやり方では無いな」
だが、とシースティカは満足げな
「
「ですが、あれは」
「筋が重要だと言ったではないか? セレスティーナ
遠回しに、それこそが重要だったと言われてセレスティーナは不承不承うなずいた。
それは理解出来るし許容もするが、自分自身がそれを
そんなセレスティーナを横目で
「ま、いいんじゃないか? それはそれ。これはこれってことで」
「シズク。そう簡単に言うがな」
じっとりとシズクを見上げるセレスティーナの視線を受け止めながら、シズクはさらに言葉を重ねる。
「そういう
理解は出来るが
そういった
シズクがそれを理解出来たのは、あくまでもトゥーン世界の
あとはセレスティーナの
ただ、そういう外部からの視点はトゥーン人であるシースティカにとってはなかなか
シズクの言葉を聞くとシースティカは
「異世界人というのは
「そうですか?」
「ああ。だが、まあ当たらずとも遠からずというところだ。セレスティーナ
「心得ました」
ようやく気持ちを
「そなた
シースティカはそう告げると
ガラス細工のような
「お久しぶりなのですよ!」
「サクヤ先生!?」
てっきり別のトゥーン人が現れると思っていたシズクは虚を突かれた気分で、思いもかけず再開した童顔の女医をマジマジと見つめた。
チュートリアル講義の他にもあれやこれやと世話になってはいたものの、こうしてじっくりと顔を合わせるのはずいぶんと久し振りだ。
「どうして、こんなところに。基地はいいんですか?」
「人事異動で出向なのですよ! シズクくんがお留守の間に色々と変わってきてるのです」
どうやら、世界樹奪還に合わせて実験騎士団も基地を移動させることになったらしい。トールやハルクといったかつてのゲーマー仲間たちもトゥーンに馴(な)染(じ)み、サクヤの仕事も一段落というわけのようだった。
「それにしても――」
相変わらずの
「
「だそうだ。少し
「
どこか
「ですので、この服がシズクに似合うように私自身で指導するつもりです。サクヤ
「似合ってないのは認めるけど、別に調子に乗ったりしないって」
調子に乗ろうにも、そもそも
だが、セレスティーナとしてはそういうシズクの態度が
「だから、簡単に似合ってないなどと認めるな。そういうことを軽々しく言うから心構えがなっていないというのだ。正
「
「大げさでは無いから心配しているのではないか」
やれやれと大げさにため息をつきつつも、どこか楽しげなセレスティーナの横顔にイヤな
「まさかまた特訓?」
「また、ではない。常に、だ。
やっぱりかとシズクがゲンナリしていると、
すかさずシースティカが話題を転じる。
「まあ、その辺りについては任せる。あとでゆっくりと2人で話し合うがよかろ」
「これは予想以上なのです。サクヤ先生もさすがにちょっと
何がどう
「というわけで、こちらをどうぞ」
そう言ってサクヤが差し出したのは〝世界樹
いつものように
パラパラと中身を
内容は少し前に
「変異種アピスによって発生した空白地帯を積極的に制圧、ですか?」
「はい。
「
セレスティーナは
「それに異論はありませんが、それがなぜ世界樹
「そこが、セレスティーナさんたちの大手
ばさりと大きな地図を広げるとサクヤは世界樹を中心に
「当初の想定では中心となる世界樹を
「理由はわかるか?」
「空巣、ですか?」
サクヤの言葉を引きとったシースティカにシズクが答える。
そういえば、確かに周辺の世界樹には居るべきはずのアピスの姿がまったく見当たらなかった。
おそらくは変異種アピスによって共食いの
「です。あの変異種アピスは動物のみならずお肉ならばなんでも来いなのです。結果的に周辺のアピスはみんな食べられちゃうんですね。
サクヤはそう
「というわけで、通常の制圧とは別に変異種アピスを探してそこを
点在する世界樹を
かつてはその
シズクとセレスティーナが出会った、あの
「つまり、そこを
ようやく得心したセレスティーナにシースティカが重々しくうなずく。
「そういうことだ。ただ、それだけではない。
「と言われますと?」
「変異種アピスは通常のアピスとの戦いと
シースティカの
実際、
「辺境はアピスとの
一息に言い切るとシースティカはセレスティーナとシズクを見て、人の悪そうな
「そういうゴロつき共を束ねるには前科持ちぐらいの
シースティカの言葉にようやくセレスティーナもシズクも、なぜ自分たちが
「き、きったねえ……」
思わずポロリとシズクから
「言っただろう?
どこか自慢げなシースティカに思わず、シズクとセレスティーナは顔を見合わせたのだった。
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