第31話奴隷ゴンザレス①
どうも、アレスです。
今回は奴隷のゴンザレスです。
ついに捕まり……あれ? 俺って結構捕まってるな?
とにかく詐欺師としてではなく、海賊として捕まりました。
また奴隷に逆戻り。
今度は犯罪奴隷という奴だ。
実はこれ、かなーり奇跡的に近い温情。
魔王の件が出る前は、海賊、山賊、盗賊は問答無用で打首獄門だったのだが、今回、魔獣の大発生で危険地帯での人手が不足。
急遽、犯罪奴隷として生かせてもらえることになった。
日頃の行いのおかげだな。
……分かってるよ!
日頃の行いが良ければ、まず犯罪奴隷にならねぇよ!
あと初犯というか海賊として名が知られていないのが良かったらしい。
マイケルなんかは下っ端のくせに、ベテランだったらしくあっさり処刑行きだ。
あばよ!
ま、自業自得だな。
今回の奴隷の中には女も居る。
薄汚れているから、見た目は非常に悪いが男だけの環境よりはずっと目の保養だ。
お互いかなり臭いからそんな気起きねぇし、当然、別々の場所で寝泊まりだが。
けど海賊奴隷の時と働き方は一緒。
言ってる内容も一緒。
こっちの方が補充があるせいか、すぐ鞭を打ちやがる。
あれ〜?
海賊の方がちょっと待遇良いのか?
それで良いのか、公共?
まー、何にしてもとりあえずこの環境でも生きていかないとねぇ。
頑張って働けば、恩赦もあるかもだと。
……マジで海賊奴隷の時より条件キツイな。
実質、希望なしでモチベーション上がる奴居んのか?
まあ、俺は模範囚としてちょっと看守と仲良くなっているが。
「ほらよ、追加の差し入れだ。いつもお前が奴隷どもの情報くれるからな、特別だぞ?」
「へへ……。看守の旦那、いつもありがとうございます」
看守から饅頭やタバコを貰う。
俺はタバコはやらないが、これが奴隷内で良いレートで交換出来るからとっても便利なのだ。
「聞いた話だとお前、海賊らしいな?」
「へっへっへ、旦那。違いますぜ?
あっしは海賊の、奴隷。
海賊として犯罪なんか犯しちゃいやせんぜ?」
海賊としてはね?
なんでこんな口調かって?
こういう口調の方が受けが良いからだよ。
看守が暇な時はこうして雑談もして色々と情報が聞ける。
それに他の奴隷どもも色んなところから集めれているせいか、世界各地の情報が手に入る。
おかげで俺もかなりの事情通だ。
俺たち海賊を潰したのは最近になって帝国に現れた提督の仕業で、海の番人なんて言われるほどメキメキと頭角を現しているらしい。
なんでもついこの間まで、うだつの上がらない下っ端生活だったのが、ある人物に見出され一気に帝国の提督だ。
夢のようなサクセスストーリーだ。
しかもそいつを見出した人物ってのが、かの有名な世界ランクNo.0だと!
No.0って居る訳ないじゃん。
この世界ランクNo.0の話題が、奴隷連中の中でも1番多かった。
もうその伝説が聞けば聞くほどすげぇの。
俺が以前聞いたものより遥かに増えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます