第15話ゴンザレスとキョウちゃん①
あ、どうも、アレスです。
ゴンザレス、いえいえ、そのような方は知りません。
詐欺師ですけど、最近詐欺ってません。
あ、そういえば、この間カストロ公爵を名乗って詐欺しました。
その後、何故か商業連合国は帝国に併合されました。
帝国こえぇよ……。
その後、帝国は覇道を辞め、世界各地の魔獣討伐を全面的に支援することを発表した。
今までうだつの上がらなかった冒険者たちが、一気に夢とロマンを求め世界各地を渡り歩くことになったのだ!
世はまさに! 冒険者のロマン溢れる夢舞台!
そんな中、俺はどうして居るかと言うと……。
「おー助けーーー!!!!!」
絶賛、魔獣の群れに追いかけられています。
どうしてこうなった!?
俺はというか俺たちは、商業連合国を抜けエール共和国に来ていた。
連日の雨で、移動だけでも一苦労だったが何とか辿り着くことが出来た。
海に山に森に草原に、冒険に合うものが揃っている。
つまり田舎だ。
エール共和国の中心都市のこの街も、背後には大きな山があり、街は山に前面に張り出す様に作られている。
ここは最近特に冒険者の活動支援に力を入れていて、冒険者の国とも言えた。
もちろん、この国がそういう活動を打ち出したのは、帝国の方針転換と無関係ではない。
帝国が魔獣討伐を進める国を積極的に支援し出したことで、小国のエール共和国は冒険者支援を打ち出した。
要するに支援金目当てだ。
国も人も目的は同じ。
金だ。
金のはずなんだけど……。
目の前で一緒に食事をするメメを見る。
「何ですか? ご主人様」
「いや、何でもない」
俺は食事を続けるが、常にハテナマークでいっぱいだ。
そもそもメメちゃんなんで付いてきてんの?
商業連合国までは、まあなんとか俺の中で折り合いは付けられた。
商業連合国の代表、名前忘れたけど、そいつへ帝国の通信員として帝国からの連絡を伝えるためだ。
仕事の一環ということで、俺の食事も経費として一緒に出すのは百万歩ほど譲って分からなくもない。
帝国の貴族としてカストロ公爵の名前使って仕事してるし。
あれ? でもカストロ公爵って、帝国からしたら滅ぼした国の公爵だから立場微妙じゃないのか?
特に何も言われなかった上に、メメが名乗れと言ったから別に良いか。
まあ、仕事ということで分からなくもなくもない。
よーわからんけど。
でも何で今も俺、飯奢って貰ってんの?
俺、メメに飼われてるのか?
ご主人様と言われながら。
確認しようにも怖くて聞けない。
何故なら最初にメメがしもべになる話をした時に、俺は
しかも結局No.2助けたの、メメ本人だし。
俺は油の沼に火を投げ入れて森を燃やしただけ!!
むしろ、帝国のお尋ね者!!
つまり、俺は重犯罪者として帝国ランクNo.1のメメに監視状態なのかもしれない!
実力的にいつでも拉致って帝国で処刑出来そうなものだけど。
は! まさか俺にほの字!?
ふっ……流石は超イケメンの俺ってか?
……流石にねえよ!
メメは帝国ランク云々抜きで超S級美人。
いくらなんでもスラム育ちの俺に惚れる要素は無い!
あー。
憎い!
地位も名誉も顔もある奴が憎い!
特に世界ランクNo.1とか、特に憎い!
結論! やっぱり、よー分からんし怖くて聞けない。
俺は肉をひたすら口に詰めながら、そんなことをウダウダウダウダ考えていた。
そこに。
「あーーーー!!!」
俺を指差す小柄で可愛いらしい娘。
おー! 異世界勇者のキョウちゃん!
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