第1話[加害者]
病院のベッドに横たわる彼女の遺体。
私はソレに泣きつき、彼女が目覚める事を願う。
だが、その願いは叶う事は無い。
そんな事は分かっている。
分かっているが、願わざるを得ない。
「そんな…、そんな馬鹿な。」
悲しむ私の後ろで、何やらミミが呟いている。
やがてミミは、私を人気の無い場所へ呼ぶ。
そして、彼女から告げられる真実に私は怒りを抑えられなかった。
「静香の遺体から魔力の痕跡があったってどういう事?」
「まさか、魔法少女が静香を殺したって事?」
私の問いにミミは頷いて答える。
そんな、信じられない。
静香を殺すなんて…。
私達は静香の家に向かい、魔力の痕跡を辿った。
そして、とある公園に辿り着いた。
魔法少女らしい衣装に隣には妖精が居る。
間違いない、奴が犯人だ。
彼女は私に気づいたのか、こちらに視線を向けた。
「誰だテメー。」
私は名乗らず、彼女に静香を何故殺したのか問いかける。
「チッ、変なのが釣れちまったなぁ。」
「何故殺したかって?」
「決まってんだろ、弱いからだよ。」
「そんな理由で、そんな理由で静香を殺したの?」
彼女は何が面白いのか、急に笑い始めた。
「そんな理由?」
「馬鹿言ってんなよ。」
「弱者は悪じゃねーかよ。」
「この世の全ての弱者は悪。」
「悪悪悪、悪=魔獣だ。」
彼女の甲高い笑い声がカンに触る。
何が悪だ。
何が魔獣だ。
静香の事、何も知らない癖に。
そんな私の隣で、ミミが相手の妖精に向かい叫んだ。
「ちょっとカカ、よくそんな奴を魔法少女に選んだわね。」
「何だミミか、
言い争いを始める妖精達を他所に、私は狂美とか言う魔法少女に飛びかかっていた。
静香の仇。
そう思いながら拳を握り、振り上げる。
だが、彼女に避けられてしまい、腹を蹴られた挙句、顔面にハイキックを決められてしまった。
激痛に耐えられず、顔を押さえて、地面に膝をついてしまう。
「静香の仇。」
私は歯を食いしばり、鼻血を垂らしながらも立ち上がる。
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