『ダタッツ剣風』シリーズ4作目にして、本編から数年前の出来事を描いた短編小説です。ならず者達に襲われる砂漠の街を舞台に、主人公ダタッツと色とりどりな冒険者達が活躍するストーリーでした。
どうやら『キャラ募集企画』によって読者のアイデアを採用したらしく、数多の個性的な冒険者達が登場します。その誰もが個性的であり、それぞれに見せ場があって、これだけのキャラ数を自在に操って活躍させる作者さんの技量はお見事です。
そして主人公ダタッツ本人としても、遠い遠い過去の因縁や運命に対してひとつの決着を付け、本編へ繋がる物語として満足感のある外伝でした。
もう少し冒険者達との出会いや活躍を掘り下げたり、過酷な運命を抱えるダタッツの苦悩や内面を過去作くらい描いて欲しかった気持ちもありますが、とにかく高い実力に裏打ちされた良作だと思います。
ダタッツ剣風シリーズ、本当に面白かったです!個人的に忘れられない作品となりました。これほどの実力を持っていて、名作を生み出せる作者オリーブドラブさんの、今後の活躍にも期待します。