6日目 分岐点

ーー世界が終わるまであと95日



「んぅ……もう夕方か…寝てしまったのか……結局振り出しに戻ってしまったのか…」彼が手に入れた情報は非公開の情報だった為に、情報の詳細を知ることが出来なかったのだ。「どうしたらいいんだ……自分にはどうしようも出来ないのか…」彼は頭を抱えて悩んだ。すると…。「貴様は一人では何も出来ないのだな!」「お前はあの時の…」いきなり彼の目の前に二匹の悪魔のような生き物(以下 化け物)が現れた。(悪魔のような生き物 年齢不明 自称神様 性別不明 血液型不明)「自分がまいた種を悔やんでも仕方ないだろう…?」「この現象はお前らの仕業なのか…?」「ふむ…まるで私達が悪いような言い方だな……私達は貴様の願いを叶えてあげようとしているだけだが…?」「自分の願いだと……自分はこれほどの大きいことは望んでいない…!」「貴様の願いを受け入れただけだ…ことの大きさなど関係ない…」「なら…願いはなかったことにしてくれ……頼む…」彼は二匹の化け物に頭を下げた。「そこまで言うのなら……だが、条件がある…」「条件…?」「私達が召喚するモンスターを全て倒せたら、なかったことにしてやる……だが…もし貴様がモンスターに負けた場合は世界が滅びる日を早くしてやる…それでも受けるか…?」「モンスターというのはどういうものだ…?」「安心しろ…本当に出すわけではない…あくまでホログラムのようなものだ…そして貴様にはホログラムの剣を渡そう…これなら問題あるまい…?」彼は考えた、このまま滅びるくらいなら一か八かやるしかないと…。「受けたやるさ…約束は守れよ…?」「こちらのセリフじゃ…では行くぞ……召喚…(5体くらいのウイルスみたいな怪物を召喚する)…さぁ…やってやれ…!」



彼はホログラムの剣を使いこなしていた。「剣道を習っていたからな…このくらい簡単さ…」次々とモンスターを倒して行く。1体目…2体目……そして最後の1体を倒そうとした瞬間…。「これで最後だ……くっ……ぐはぁ…なんで背後に…」「チェックメイトだ…」「汚いぞ……5体だけじゃなかったのか…」「誰も5体だけとは言ってないぞ……私達に常識なんて通じないぞ…?」「理不尽だ…こんなこと…」「理不尽…?そんなもの当たり前だろ…世の中全てが公平なはずがない……理不尽なことがあるから、物事を考えられるのだ…」と化け物が言った。「約束通り滅びる日を早くさせてもらう……ふんっ……」「本当に早めたのか…?」「テレビを見れば分かる…」彼は急いでテレビを付けた。「なんだこれ……一ヶ月の時間が過ぎたのか…」「そうだ、私達の力で君以外の周りの時間を一ヶ月早送りしたんだ…」「ということは…あと65日…」「そういうことだ…君は負けたんだよ…」彼は自分の過ちを理解した。化け物の言うことを鵜呑みにして、勝負にのってしまった。その結果時間が早まってしまったのだ。「貴様の甘さが生んだ結果だ…貴様自身が解決するしかないだろう…」彼は化け物の言葉を聞いていたが、言葉を発することは出来なかった。半ば放心状態だったのだ。「まずは自分が何をするべきか考えろ…きっと答えは見つかるはずだ……またいつか会おう…さらばだ…」化け物は強い光を発しながら消えていった。「自分はどうすればいいんだ…」彼は未来を見失ってしまった。そして、彼が生んだ悲劇は過去から続いていたのだった。そう…あれは、数週間前のある日のことだった…。彼の悲劇の序章は……。



ーー世界が終わるまであと64日と5時間

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