第五十六話



 血の繋がった、いわゆる“家族”という関係性にあっても、仲がいいとは限らない。



 ヴォレイツ・スン・ロウは、優秀で、責任感の強い男だった。

 若い時分から期待されていた友人ゾマルスが国家の財務を司る大臣となった際には、ヴォレイツも補佐官として任命され、以来ゾマルスが熾烈な政界の争いで倒れないように助けてきた。


 必死に、支えてきた。

 この国の柱のひとつを。


 国のために生きる友人のために働く。

 ヴォレイツの矜恃であった。


 それが何を意味するのかというと、つまりヴォレイツは「超仕事人間」だった、ということである。


 妻を迎え、子ができると、その子らにも自分のようであれと教えた。


 多少手を汚すこともいとうなと。

 この国のためだと。


 長男と次男は、父を信じて、父の導く道を歩んだ。



 ところが、三男は――どういうわけか、世間ではあまりいい目で見られない術剣士になることを望み、挙句皇帝陛下の敵といわれる男の下について、辺境の領地へ行ってしまった。



「どうして、こんなことに」

 つぶやく病床で天井を見つめていると、思い浮かべていた息子の顔が、ふ、と消え、代わりに長年見慣れた顔が視界に入ってくる。

「ヴォル。相変わらず顔色が悪いな」

 上司にして親友のゾマルスは、にや、と笑った。ヴォレイツは苦笑いで返す。

「病で、ございますゆえに、閣下」

「まぁお前は昔からずっと顔色が悪いがな。起きられるか? ケイツェを持ってきた、今切ってもらっている」

「ああ……」

 ゆっくり、半身を起こそうとすると、ゾマルスが手伝った。背もたれになるように大きな枕を二つ重ねる。

せたな。もう皮と骨だけじゃないか」

「お前も、痩せた。ちゃんと、食べて、休んでいるのか、ゾマルス」

 椅子に腰を下ろしながらゾマルスは笑う。

「この時期だぞ、毎年恒例のやつで少し忙しかっただけだ」

「ふ。また軍か」

「予算の計算が一度おかしくなるのは毎度いつものことさ。それに下の方がごたついて伝達が上手くいかないのはどこも同じ。全く、あそこの奴らぐらいだろうな、陛下も頭が上がらないあのオーギの若君に平謝りさせるのは。……お前の自慢の息子が、助けてくれている。心配ない」

「ツァオシュ……あれは、ちゃんと使えるか」

「時々少し無茶をする以外は、な。……病は、仕方ないよ。お前のせいじゃない」

 先の独白を聞かれていたか。ヴォレイツは目を逸らした。

「そう、じゃない」

「何が」

「俺、は……」

 言いかけた、そのとき、扉を叩く音がした。失礼します、という言葉と共に、ヴォレイツの妻が入室する。

「お話中に申し訳ありません、閣下」

 おずおずと頭を下げる夫人に、ゾマルスは笑い掛ける。

「たいした話はしていない、気にされるなエトゥカどの。何か?」

「その……」

 俯いたままの夫人の背後から、ぬっと大きなものが出てくる。


 紺鼠こんねずの礼装に、よく目立つ若草色と、白い花の刺繍の入った黒い腕章を重ねて左腕に着け、肩に少しかかる長さの癖のある明るい茶色の髪をひとつにまとめた長身の剣士。


「何だ、意外と元気そうじゃん」


 不快そうに目を細め、開口一番舌打ちをしながら呟いた男に、ゾマルスはその名を呼ぼうとするが驚きのあまり声が出ず、ヴォレイツは、


「なっ………………にしに来やがったこンの不良息子がァ!?」


 この先長くないとは到底思えないほどの機敏な動きで寝台から下り立ち、十数年ぶりに帰還した三男坊と対峙した。



     ◎     ◎     ◎



 積もる話もあるだろう、とゾマルスが帰ろうとすると、チュフィンは引き留めた。

「二人きりだとかえっていろいろやべーのでいて下さい、うっかり親父が死んだら俺が殺したと思われちゃいます」

「死なねーが!? おめェなんかに看取られたくねーが!?」

 喚くヴォレイツにチュフィンも返す。

「マジで元気じゃねーか、来て損したわ」

「何で来た!? もう帰らねーって言ってただろうがよ!」

 ゾマルスが割って入る。

「落ち着けヴォル、お前は何でフィーに対して、こう…………本当に何でそう……父親としての尊厳をどこかへやってしまうんだ……?」

「うるッせー!」

 チュフィンは、暴れる野生動物のようにいきり立つ父を軽々抱き上げ、寝台へと放り投げて布団を無理矢理かぶせた。

「うるせーのはあんただおとなしく寝てろ病人のくせに。……ご挨拶が遅れて申し訳ありませんゾマルス様、ご無沙汰しております。話は大体サマラから聞きました。お手数お掛けしました」

 美しい一礼に、ゾマルスは感心した。

「いや、いやいやいや、随分と背も伸びて。立派になったなチュフィン。ほらヴォル、ちゃんと見てやれ。国境警備隊の副隊長様だぞ」

 言われたヴォレイツは、上から下まで品定めするように息子を眺め回した後、

「は、何が副隊長だ」

 布団を頭まで被って背を向けてしまった。ふぅ、とひとつ息をつくと、ゾマルスは苦笑した。

「居てやりたいところだが私は行くよ」

「えっ」

「昼休みで抜けてきたんだ、午後も勤めがある。ヴォル、また夜に来るからな」

 そう言って、ゾマルスは部屋を出て行ってしまった。二人でちゃんと話をしろというのだろう。本当は嫌なのだが――チュフィンは、ゾマルスが座っていた椅子に座ると、寝台の上の布団のかたまりに投げかけた。


「なぁ。あんた、ほんとにもうすぐ死ぬのか?」


 布団の塊は動かない、が、


「らしい」


 くぐもった声で返ってくる。先程とは打って変わって、張りがない。やはりだいぶん弱ってはいるのだ。


「そっか」

「フィー」

「何」

「帰ってこい。仕官しろ。ゾマルスに頼んでやる」

「あんたも懲りないな」


 術剣士隊『白梅』の末席に半ば強引に入れられ、同時にウェイダ領国境警備隊の副隊長に任じられたと知ってから家を出る直前まで、ヴォレイツは毎日何度もチュフィンに言ってきた。


「俺はそういうの合わないって言ってるだろ」

「国境警備隊なんざ出世も望めねえ、そもそも正規じゃねえ嘱託軍人だろ。しかもウェイダの雪獅子公の部下ときた。いくら元皇子ったって、陛下に喧嘩売った逆賊じゃねえか」


 世間ではトウキはそう言われている。

 しかしトウキの弟弟子として、将軍ゲンカから剣の手ほどきを、龍女アルマトの直弟子キクロ・オーギから術の使い方を共に学んでいたチュフィンは知っている。帝位を狙うような男ではない。何よりトウキはチュフィンの目の前で皇太子だったリュセイをかばい、負傷したのだ。


「トウキ様はそんなんじゃない、あの方は、権力争いに巻き込まれただけだ」

「どうだか」

「何も、知らないくせに」

「知るわけねえだろ。お前、昔っから何も話さねえんだしよ」

「あんたが全部否定するからだろ」

「はァ?」

 ヴォレイツは、布団をまくり上げて上半身を起こした。

「そりゃァな、何でもかんでも決めてッから報告されりゃ口出すに決まってんだろ。親だぞ? お前、将軍やオーギの若様の弟子になるってのも『白梅』に入るってのも雪獅子公にくっついてウェイダ行くってのも、こっちにひとっ言も、何の相談もなしに勝手に決めてきて、ああそうかよかったななんて言えると思ってんのか?」


 何故か、頭を思い切り殴られて、視界が開けたような感覚に陥った。


 それは――そうだ。

 改めて言われて初めて、チュフィンは気付いた。


 当時は何故反対されるのかわからなかった。自分のしていることは間違っていないと思っていた。


 少年の時分に早々に親元を離れ、辺境の領地で人を支え、人を指揮する立場になった今ならわかる。


 伝えなければいけないこと。

 伝わらなければ、理解してもらえないこと。


 子どもの頃の自分は、そんなに身勝手だったのか。


 幼かったといえばそうだし、父と折り合いが悪かったというのもあるといえばある、が、順を追って考えてみればこれは自分に非がある。これは叱られても仕方がない。



 何故あの頃の自分は、受け入れられなかったのだろう?



「反骨精神も結構だけどな、それをサマラーシャにまで植え付けやがって全くお前って奴は。お陰でエトゥカでも手ェ付けられなくなってゾマルスに託す羽目になったんだぞ……ま、俺が仕事ばっかりで構ってやれなかったのも悪いっちゃ悪い、それは認めるよ。すまなかったな、フィー」

「…………なんで」

「あ?」

「何で今更、そんなこと言うんだよ」


 嫌な方向に力が抜けていくのを感じる。


 こんな言葉を聞きに来たわけじゃない。

 謝られたかったわけじゃない。

 妹だって、突然養子に出されてしまったのだと思っていた。父の友人にしては優しい人が、嫌な家から救い出してくれてよかったと思っていた。


 いつも通りの文句を言いに来たのに。

 いつも通りの厭味を聞きに来たのに。


 ああ嫌な奴だった、くたばってざまあみやがれ――そういうふうに、終わるつもりで来たのに。


「謝るなよ。一端いっぱしの親みたいなこと言うなよ。何なんだよ、死ぬ前みたいなこと言いやがって」

「死ぬんだよ、俺は」


 苦笑する父は、あまりにも細い。

 血色が失われた皮膚、首元も手も筋が目立ち、頬はこけ、唇もしわだらけ。さっき抱き上げたときも、想像していたよりもずっとずっと軽かった。

 くぼんだ眼孔の奥の、青みがかった明るい緑色だけが、彼が今生きているという力を感じさせる。


「ツァオシュにもクェデルにも、もう言うことは言った。サマラはまだだけどな。……こんな、死ぬ間際になって、謝ってばかりになるなんて思ってなかったよ。でも……そんなこと、言ってらんねえんだよ。ああすればよかったこうすればよかった、そんなこと思ったって、死んだら何もできなくなる。だから俺は、全部片付けてから逝く。さっきは、あんなこと言ったけど、来てくれて、丁度、よかった」

 少しずつ、息が乱れてきた。先程の動きや大声を出したのが祟ったか、本当は苦しいのだ。

「もういい、やめろ、喋るな寝てろ」

「チュフィン」

「喋るなっつってんだろ!」

「お前は嫌がるだろうけどな」


 震える腕を伸ばし、息子の頬を、ぺちんと軽く叩く。


「お前が一番俺によく似てる」

「最悪」

 

 泣くものか、とチュフィンは思った。

 そんな間柄じゃないはずだ。


 遊んでもらったことも、優しい言葉を掛けられたこともない。

 「こうしてもらうことになった」、「こうする」、そう言ったら叱られる。

 そのうち、面倒臭そうに呆れるだけになって。


 親子というには、あまりにも関係が薄かった。

 そうだったはずだ。


 涙がこぼれる前に、父の手をけ、立ち上がる。


「ほんと、来て損したわ。じゃあな」

「おう」

「……そうだ。最後にもうひとつ、勝手に決めたこと教えてやるよ」

 扉を開き、出る前に振り返る。

「もうすぐ結婚する。滅茶苦茶いい女と」

 ヴォレイツは、また、布団をはね除けた。

「なっ……だからそういうこたァはやくいうぇっげっほげほごぼっ」


 ざまあみろクソ親父、呟いて、チュフィンは部屋を出ていった。



 部屋に、静寂が訪れる。



「夜……夜か。ゾマルスがサマラを連れてきてくれるのは。よかった、全部終わらせられるな」

 独り言ちながら、ヴォレイツはゆっくり寝台に戻る。安心感からか、力が入らなくなってきた。終わりが近いと自覚する。

「もーちょっと……生きたかったけど…………ま、我ながらきれいに終われそうだし、いいとしとこうか」

 最後にまだ一仕事ある。少し休もうと目を閉じると、再び開扉の合図があった。妻のエトゥカが入ってくる。

「あなた、度々すみません。お客様です」

「は? 客?」

 

 入室してきたのは、一人の小柄な少女を伴った、左半分を覆う仮面を着けた赤い髪の男だった。



     ◎     ◎     ◎



 ヴォレイツ・スン・ロウが息を引き取ったのは、チュフィンが会いに行った翌日の、夜明け前のことだった。


 身分も役職もそれなりに高い彼の葬儀はそれなりに大きく、参列者が多かった。

 そんな中、喪主としててきぱきと動いていたのは長男のツァオシュである。そしてそんな兄を、次男のクェデルが補佐していた。家と役職、両方のヴォレイツの後継としてその立場をしっかり見せつけていた兄たちを、チュフィンはぼんやり見ていたが、葬儀を終えると早々に墓地から立ち去った。

 何となく、その場に居辛かった。


 母も兄たちも、父がああいう人間だったのだと知っていたのだろうか?

 知らなかったのは、何故か反抗し続けた自分と妹だけだったのだろうか?


 知る必要はない、知りたくないと振り払う。


「……何で、誰も、教えてくれなかったんだろな」


 自分が聞かなかっただけだ。見ようとしなかっただけだ。

 すぐ怒るろくでもない父親がいたのではなく、すぐ癇癪かんしゃくを起こすワガママでろくでもない息子がいただけなのだ。


「はぁ~……」

 宿への帰り道、足を止める。街並みは昔と変わりない。剣の師である将軍が息子と一緒にときどき連れていってくれた老舗の菓子屋が見えた。そうだ、エシュに土産を買おう。そういえば以前食べさせたいと思ったのだった。


 そう思った瞬間、


「フィー」


 冬の空気のような透き通った声と共に、礼装の袖を引かれる。

 隣には、長いものを抱えた黒髪の少女がいた。


 その名を呟くと、低い位置から伸びた手が、頬を撫でる。

「ひどい顔ね。昨夜寝なかったんでしょ。せっかく立派な格好してるのに台無しじゃない」

「え、エシュ、何で、えっ」

「全部終わったら落ち込んでるだろうからなぐさめてやってくれって。旦那様が連れてきてくれたの」

 よく見ると、働き者でいつも動き回っている若き侍女長の姿ではなく、いつもより小綺麗な格好をしている。ちょっといい家のお嬢さんのようだ。いや、元々彼女はちょっとどころではないいい家の出ではあるのだが。

「トウキ様!? 来てんの!? あの人都嫌いなのに!?」

「もう帰っちゃったよ。用は済んだからって」

「…………あの人、どんどん奥様に毒されてきてるな」

 変化に少しだけ驚くと同時に感心する。元々穏やかではあるが、昔はこんなふうに気を回すようなことはなかった。

「ふふ、そうね。……あのね、これ」

 差し出された長い何かを受け取る。重さからして剣だろうか。

「え、これ、何?」

「剣。フィーのお父さんから」

「はぁ!?」

 思いがけない言葉に、エシュと剣らしき何かを交互に見る。

「何で!?」

「旦那様と一緒に会いに行ったの、フィーのお父さんに。そしたら、葬儀が終わってからこれを渡してくれって」

 どう見ても新品ではない。高価そうだが古びた布が巻かれている。


 何故、あの父がこんなものを?


 準備していた?

 違う、これは明らかに自分が生まれる前から存在していたものだ。


「フィーのお父さんね、『白梅』ができたときの候補生だったんだって」

「え」

「でも、ご友人に、どうしてもそばにいてほしいって頼み込まれて、剣をやめたって。ほんとはフィーが『白梅』に入るときに譲りたかったけど、自分ができなかったことを無理にたくすようなことはしたくない、フィーがせっかく選んだ道を嫌いになってしまうかもしれないから渡せなかったって」


 ――何で今更。


「……なんで。何で、エシュにそんな話するんだよ。俺、直接会って、話してたのに」

「内緒にして剣だけ渡してくれって言われてたんだけどね。でも私は、これはあんたも知っておいた方がいいと思った。だから話しちゃう。今頃お義父とうさん何でバラすんだって焦ってるかもね、ふふふ」

「何で、そんな話するんだよエシュぅ」


 俯きながら噛みしめた奥歯が、ぎ、と軋み、ぼたぼたと熱いしずくが落ちる。


「何で最後の最後でこんなもんよこすんだよクソ親父」


 エシュが取り出した手巾しゅきんでそれを軽く抑えた。

「頑張れ、ってことだよ」

「俺頑張ってるもん」

「そうだね、知ってる。…………フィー。来て、後悔してる?」

 首を横に振る。

「多分……来なかった方が……後悔してた……」

「そうね、あんたはきっとそうだね。……お義父さん、頭下げてたよ。息子をよろしくお願いしますって」

「トウキ様に関しては俺の方がよろしくされてる」

「そうだね、あの人は私たちが支えてあげなきゃダメだものね。……旦那様ね、あんたのことすっごく褒めてたよ。『ご子息ほど頼りになる最高の右腕はいない』って。お義父さん、安心できたと思うよ」

 立派な礼装の袖で濡れた目元と頬をごしごしと力強く拭い、チュフィンは顔を上げた。

「別に! 安心なんてしてもらわなくてもいいし!」

「ふふ」

 そっくりな親子だ――エシュは思ったが、口には出さない。

「ねえ、せっかくだからゆっくりしてこいって旦那様と奥様がお休みくれたんだ。案内してくれる? 私、都にいたのすっごい小さいときだったから、全然覚えてないの」

 一回り以上大きな手の指先を握って引くと、しっかりと手全体を握り返される。

「いいよ、エシュがほしいの全部買ってやる」

「またそんなおじいちゃんみたいなこと言って。旅費なくなっちゃうからやめなさい」

「そういやエシュ、どこ泊まってんの」

「旦那様のご実家」

「え!? あそこ一応離宮だぞ!?」

「でもフィーも行ったことあるんでしょ? お部屋、ウェイダのお屋敷と比べものにならないくらいすごいのね、ごはんもおいしいし。あ、あとね、今アルマト様と赤ちゃんがいらっしゃるの。旦那様、お兄ちゃんになっちゃったのね」

 珍しくはしゃいでいるエシュが可愛い、そう思うチュフィンであったが、それはそれ――とんでもない情報を得た気がした。

「アルマト様いんの!? 大丈夫!?」

「え、普通にいいかただよ? すっごくきれいだし、赤ちゃんのお世話手伝ったら褒めてくれたし。旦那様、アルマト様に似たんだね」

「待ってエシュ、待って、情報が多い、処理が追いつかない」


 まだ少し、気が落ちているのがわかる。最大の天敵がたおれたのだ、そんなにすぐに立ち直れるものではない。


 それでも。


「エシュ。来てくれてありがとね」

「帰ったら、また頑張りましょうね副隊長どの」

「そうですなぁ侍女長どの」


 託された剣が腕に掛けてくる重みが、背中を押す。


 自分の道は、まだまだ続いていくのだ。



「フィー。今日、フィーが泊まってる宿に一緒に泊まっていい?」

「ダメだよ」

「ケチ」




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