第20話
作られる品物が変わってきていた。浮く木から取れる浮く樹液で作られる品々
浮く家も作られており頑丈なワイヤーによってそのまま浮いていってしまうことを防がれている。
浮く木を土台とした浮く村も計画されている。
今日は聡ひとりで出歩いている。
「やぁ元気か?」卵をかごに入れ運んでる猫人サチコをみつけ声をかける。
「さとしだにゃ!元気にゃん!」
「何か困ったこととかないか?」
「そうだにゃー・・・」考えあぐねながら答える。
「さとし達のいる町に行ったにゃ・・けれど店に入るも商品に触れなかったにゃ・・・」
仮想人種だから触ることができないよな~。触ったときに仮想の商品になるという方法もあるが、仮想人種は作られしデータに過ぎないという考えもある。そんな人たちに資源を減らされるというのはよく思わない人もいるだろう。
商品に触れた時点でデータの商品をつかむことが出来、本来の商品自体は残っている。そんな変な感じではあるが、買い物は出来るはずだ。
「んーちょっと待ってね?」さとしはちょっと離れたところでノートを書く。
「にゃんだ?」首を傾げて問うサチコ。
「ちょっと時間かかるから後でもう一回来て?」
「にゃ?またくるにゃ?」ちょっと不思議そうな顔をして卵を運ぶサチコ。
仮想人種は植物も触れなかったはずだ。商品と違い植物でデータ化をすれば取ったものがそのまま見えることになる。植物は取った時点で消えることにしよう。
仮想野菜もつくり、仮想作物を増やし
地球人の作った作物はデータ作物だけが抜かれる。
普通の作物(地球からの持込も含む)→仮想人種が触ると仮想物が一度だけ取れる。
仮想作物→地球人は触れない。仮想人種だけが触れる。一度だけ取れる。
地球人の目には仮想作物だと見分けが利き、仮想人種の場合普通作物だと見分けが利く。
「用事終わったにゃん?」先ほども一度戻ってきていたのだが、サチコが戻ってきた。
「ああ!終わったよ!」
「聞いた話によると、もうお店の商品も触れるようになっているらしい」
「え???ほんとニャン???」
「ほらこのジャガイモを見てみてこれはお店の商品と同じものにゃ・・だ!手に持ってみてくれ!」しゃべり方がうつってしまった。
「嘘はついてにゃいにゃんか?」と言いつつジャガイモに手を伸ばし持ち上げてみる。
「すごいにゃん・・・あれ??青いのが残ってるにゃん???」
「ほう!青く見えてるのか俺にはこれが普通のじゃがいもに見えてるよ」
「にゃ・・・?二つになったにゃん??」
「そうだよ!」
「あと草とかも触ってみなよ!」
「駄目にゃん・・・触ろうとしても・・・触れないにゃん!」
「大丈夫それも触れるようになったらしい」
「あ!触れるにゃん・・・今度は青いのが残らないにゃん・・・!」
「植物は二つにはならないし」
「仮想作物と呼ばれてるものも二つにはならない」
「なるほどにゃん!植物に触れるようになってうれしいにゃん!みんなにも教えてくるにゃん!」
「ああ!またな!」
「さとし教えてくれてありがとうにゃん!!」
「はは!」と言いつつ手を振った。
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