第6話 月

=教室にて=

「さつき今回はすごいの作ったよ」

「ホント?」

「ああ!」


さつきと色々話してる中ちょっと声を高めてしまったので興味を持ったさやかがやってきた。

「え?どうしたの??」

「えっと他のみんなには内緒な?」

「あ!分かってる!」

「親戚の人が送ってきたやつがおお!って感じのやつだったの」

「どんなの?」

ヒソヒソと話してるのが気になったのかトウタがやってきた。

「よ!何話してるの?」

「新しい道具の話だよ!大ごとにしたくないからシーッな?」

「分かった・・・それで道具って?」

「実は不思議な道具をもらってね」

「誰から?」

「親戚の人から」

「親戚の人から色々不思議な道具もらってるみたいよ」

とさやかがトウタに説明する。

「まじか!今その道具あるの?」

「いや家に置いてあるんだ!学校終わったら見せるよ」

「おお・・・なぁケンジも呼んでいい?」

「ああいいよ!」


放課後、聡の家にさとし さつき はじめ さやか トウタ ケンジの6人が集まった。


 先に『収納指輪』から部屋に今回の道具を取り出してから他の人には部屋に入ってもらった。


「おお!なんだ?これロボット?」

今回の道具は望遠鏡と思えるものと歩行ロボットとコントローラーだ。

「じゃあまずこの道具を庭にもっていこう!」

「庭か!おk!」

庭に道具を持ってくると

「じゃあこの望遠鏡で月に標準を合わせて?」

「おk!」

ディスプレイ付の望遠鏡だから覗かなくても合わせることができる。

「平らそうだからここら辺がいいかな」

次は覗く側に付いてるこのボールを回して対象物にライトを当てて赤いボタンを押すと対象物であった歩行ロボットが消えた。

「えっ?消えた?」この類の道具になれていない3人が驚く


「月の方に飛ばしたんでしょ?」望遠鏡のディスプレイの方に指指しながらさつきが言う。


さとしが望遠鏡の倍率を増やすとロボットらしきものが月の方に見えてきた。

「もしかしてこれがそうなの?あホントだ!月に行っちゃってる」

「そしてこのコントローラーの黒く反射してる場所を触ってみて?」

「触ればいいのか??」

「そうだよ」


「なんだ!!これは!!」

「まさか!ロボットが見てる視点とその上空視点??」

「そう!この黒い反射板に触れた人だけが見れる映像さ」

「「いいね!」」

「じゃあ、はじめ!ここに寝そべってからこの赤いボタン押してみて?」

「え?何で寝そべるの?大丈夫?」

「大丈夫!寝ながらじゃないとそっちのほうが危ないの!」

「分かった!」

「さとし君何が始まるの?」

「画面のほう見てて?」


「お?ロボットが動いた周りを見回してるね」

「はじめがあのロボットに入り込んだんだ」

「すごいけど大丈夫なの?はじめは」

「大丈夫!何度も試したから!あのロボットに不都合が起きたらはじめは普通に目を覚ますし、実際にロボットに意識が入ったわけじゃないんだ。ここにいるはじめとあのロボットがシンクロしてるだけだから。」

「じゃあ大丈夫そうなのかな」



「じゃあマイクON」

『お?聡か?これってロボットに入っちゃった感じか?』

「ああ!でもそっちのロボットが壊れてもはじめは大丈夫だから」

『俺の意識はさっきの部屋にあるけど体全体でこのロボットを操縦してるってことでいいか?』

「はじめの意識はこっちにあるよ」

『分かった!しかし、このロボットすごいな指先まで俺の物みたいに動くぞ』

「すごいよな!こっちに戻りたくなったら両方の腕についてるどっちかのボタンを押すと戻れるぞ」

『ああ分かった』



「とまあこんな感じだ!後二体あっちに送り込んだからこのボタンを押せばあっちに行けるぞ・・・人数分足りないし予備のを持ってくるよ」


せっかくなので人数分ノートから取り出し俺以外の皆が月に行った。

なぜ俺も行かないかというと母さんが帰ってきたときに部屋に全員が倒れてたらどうなるか分からないからだ。母が帰ってきたら呼び戻す必要がある。

せっかくなので上空視点等でナビゲーターを引き受けよう。



『おお体が軽い!』

さてどうしよう。


「はじめ、さつきなんかほしい道具あるか?送ってあげるよ」

『あー後で思いついたら頼むよ』


聡は何かを思いつくとノートで作り月に送った。

「みんな四角の形をしたライトを送っておいた。それで建物を建てて」

このライトの使い方は初めに赤ボタンで開始。十字キーの横キーで横の拡大縮小

上下キーで奥行きの拡大縮小 ライトの当て方で高さを調節することができる。

使い方を教えるとあっという間に10軒の建物を建てた。

『さとし君このボタンは何?』

「あーそのボタンはね押してみて?」

『押してみるね?』

ボタンを押すとその近くにあった家の絵柄が椅子の絵柄に変わった。

『そいうこと?』

「他の家具とかにもなるから」

『分かった!』



こうして月に歩行ロボットサイズの家々が出来上がった。

皆が家の椅子にかかり、休むと徐々に元の体に戻ってきた。

「いやぁ・・・楽しかった!!」

元に戻るとすぐに先ほどの望遠鏡のディスプレイを見に行くトウタとケンジ

ホントに月に建物が出来てるのか見たかったらしい。

コントローラ効果の映像や望遠鏡のディスプレイを見ながら、俺を含めた皆が感動してた。














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