★★★2年目の始まり★★★

第67話 早苗実業学校高等部…2年G組!

2023年も新しい年度に入った。

俺(大橋)は無事高等部2年に進級、そろそろ桜も散りだす

穏やかな4月8日の朝、間もなく入学式が始まる学校に入ると、

早速新しいクラス分け表を手渡された。


ちなみにこの学校の高等部は、AクラスからIクラスまで

合計9クラスあるが、別に成績順という訳ではない。

2年次からA~Cの3クラスは理系選択クラスになる。

俺は文系を選択したから、DからIまでのどれかのクラスになる訳だ。

いずれにせよ1年で一番ドキドキする瞬間である。


早速そのクラス分け表を見ると…

とりあえずクラスはGクラス…。担任…如月鈴音!

おお!今年も鈴音先生とはまずは大当たりと言って良いだろう。

1年の時のAクラスの仲間でまず目に入ったのは…

岡本章…アレックス…。あのかしらん文学派とは、

どこまでも深い縁があるらしい…。

それと織田信長に島津義弘…。

女子では…おお!如月雪音に天音…如月姉妹とも同じクラスだ!

今年の正月に引いたおみくじは大吉だったから、そのおかげか!

Gクラス…きっとGOODなクラスになるだろうと思っていたら、

いきなり背中を叩かれた!

「また宜しくかしらん!」

アレックスの野郎だ。

「おお!大橋殿、今年も同じクラスじゃな。宜しく頼むの!」

天音も声を掛けて来た。すぐ横で雪音もニコニコしながら会釈している。

「ああ!こっちこそ宜しく頼むよ!」

俺も笑顔で挨拶をした。


入学式は新入生とその保護者に来賓、

それから新入生と関連のある教師で行うので、

俺たちは早速クラス分け表に従って教室に入る。

まずは最初のHRから新らしい年度のスタートだ。

チャイムが鳴ると間もなくして、鈴音先生が入って来た。


起立!礼!

鈴音先生の優しい良く通る声で最初の礼が行われた。

「このクラスの担任になります、如月鈴音です。

私の事は皆さん既に良く知っていると思いますので、詳細は省きます。

担当は日本史、世界史、それと2年次からは選択科目となる教養です。

2年次の科目の履修に関しては、今から配るパンフレットを参照して下さい。


私の教養授業に関しては、皆さん昨年履修したと思いますので、

概要はわかっていると思いますが、今年は若干趣向を変え、

私の知り合いの臨時講師に登場頂いたりして、より一層中身の濃い授業に

するつもりです。特に西洋史系のエキスパートとして、

クレオパトラ7世・フィロパトルさんを、既に当校の臨時講師として

お招きしていますので、近日中に御紹介させて頂きます」


「おお~~!」


教室にどよめきが起きた。

【クレオパトラ7世…って、あのおがちん忘年会に来てた超絶美少女だよなぁ~】

俺がそう思っていると、まだ50音順の席順で俺のすぐ後ろに座っている

アレックス岡本の野郎が、「早速華やかになって良いかしらん!」などと

のたまいながら、軽く万歳をしている。


「それでは、皆さんの自己紹介をお願いします」

鈴音先生のこの言葉で、男子の出席番号順で自己紹介が始まった。

例の如く多士済々だったが、クラス委員長志望の土方歳三の

決意表明が面白かった。

【ひとつ…士道に背かまじき事…ふたつ…局を脱する事を許さず…みっつ…】


はてさて、このクラスはどうなっていくことやら…

俺としては実に楽しみだ…!

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