第3話 クラス分け
峰応学園は中高一貫校で、虹太郎の家からは約15分とかなり近いところにある。
商店街を抜けて緩やかな坂を上がると大理石のプレートの付いた校門が見えてくる
自転車通学も認められているが、2人は徒歩での通学だ
虹太郎「じゃあ、俺はクラス発表の掲示板見てくるから」
茜「うん、私も中等部行くからここでお別れだね」
門をくぐったところで茜と別れ、掲示板に近づく
高等部の校舎はカタカナの『コ』の字型をしており、それぞれ東館・中央館・西館となっている
東館にはA〜C組、西館にはD〜F組があり、それぞれ1階が昇降口、2階から4階にかけて1年生から3年生の教室がある。
ちなみに中央館には職員室や図書室、保険室などの特別教室や施設が存在する。
掲示板は東館の昇降口だ
虹太郎「えっと、七橋(ななはし)…七橋っと」
自分の苗字を呟きながら探すと、A組の真ん中に名前を見つけた
上履きに履き替えて教室に向かうと、既に半数近くがグループを作り話をしていた
虹太郎(これから3年間、ここに通うのか…)
ふと、改めてそんなことを考えていると
「おい、虹太郎。お前も同じクラスだったか」
肩を叩かれ呼ばれた方へ顔を向けると、茶髪のショートカットのイケメン男子がいた
虹太郎「ミケ、おはよう」
ミケと呼ばれた男子。名前は潮見啓一(しおみ けいいち)
中学2年の頃から同じクラスで、よく話していた友人である。名前を縮めて仲間内では『ミケ』と呼ばれていた
啓一「また一緒だな。まずは1年間よろしく」
虹太郎「よろしく。と言っても3年間同じままになりそうな気がするけど」
啓一「はは、言えてる」
啓一の席は虹太郎の左隣だった
出席番号で並んでいるのか、虹太郎までの間の人数を数えると妥当ではある
啓一「虹太郎、お前授業の選択内容決めた?」
虹太郎「当たり前だろ」
啓一「芸術選択は?」
虹太郎「音楽」
啓一「マジか。俺美術」
虹太郎「ふーん」
啓一「後期の文理選択ももう決めてんのか?」
虹太郎「文系かな。日本史とか古典の方が成績良いし」
啓一「そっか…なあ、虹太郎」
虹太郎「何だよ?」
啓一「この学校、野球部無いぞ?」
虹太郎「………知ってるよ」
気まずい空気が流れ、2人はしばらく黙り込んだままだった
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