第2話 出発
階段を降りてリビングに行くと母の紫(ゆかり)が洗い物をしていた
紫「あら、準備出来たの?」
虹太郎「ああ、もう出るよ」
紫「虹太郎も高校生か。早いものね」
虹太郎「また言ってるよ。来年も茜に同じこと言うんでしょ?」
紫「あら、当たり前でしょ。それが親ってものよ」
虹太郎「まあ、いろいろあったからね。気持ちはわかるけど」
紫「お互いにね。虹太郎も大変だったのに」
虹太郎「まあね。父さんは…ってまだ寝てるか」
紫「昨日遅かったからね。GWまでは夜勤が続くって」
虹太郎「じゃあしばらくはすれ違いかな。夕飯で会うかもだけど」
茜「お兄ちゃん、行くよ〜?」
玄関の先から茜の声が聞こえる
虹太郎「今行くよ。じゃあ行ってきます」
紫「あ、虹太郎」
不意に息子を呼び止める紫
虹太郎「ん?何?」
紫「その…本当に良かったの?」
虹太郎「良かったって?」
紫「……ううん、何でもない。いってらっしゃい」
虹太郎「…?ま、いいや。じゃあね」
意味深な空気を残して虹太郎は茜と家を出て行った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます