07 ヒューマンドローン&警視庁の担当者

「え、何でここに来たの?」


「指揮権はもうむりです。むりむり。公安特別対策室の他に厚労まで出張ってきて。警視庁がどうこうできるレベルじゃないです」


「官邸は?」


「え」


「総理の判子あればなんとかなったりしないの?」


「いやあ無理でしょ。国庫負担金と予算は別物だし、官邸の後ろには政府直属融資銀行バズーカ持ちの高利貸いるし」


「あ、そっか。予算には食われないわけか。うわあ政府頭いいなあ。全省庁財布吹っ飛んでも自分だけ無事じゃん」


「というわけで、ですね」


「はい」


「逃げてきました」


「逃げてきた?」


「はい。本件に係る担当者は不在です。担当者の私が逃げたので」


「うっわ。縦割り行政の弊害じゃん」


「縦割り行政の利点ですよ利点。これでたぶん本庁はてんやわんやですね確実に」


「まあでも、これで僕が自由に動けるわけだ」


「では、おねがいします」


「よっし。じゃあまずは連絡して、と。いっちょ、やりますかあ」

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