06 マンハント&盗人

 通信が来た。


「俺の策。はまってたか?」


国家公安特別対策室存在しない保安組織とは。考えたな』


「これで時間は稼げる」


 省庁は基本的に縦割りで、トップダウンの方式が特徴。


 それを逆に利用して、本来存在しない部分に、存在しない組織をでっち上げてしまえばいい。


 本当にその組織が存在するかどうかで時間が掛かり、存在しないとわかった後もどこが捜査主導権イニシアティブを取るかで混乱が起こる。


『一策で二度おいしいな』


「しかし、弱点もある」


 ヒューマンドローンは、省庁の縦割りとは離れたところにある。


「あいつが本気で人員を動かして場所を封鎖したら、運び出すのは無理だろう。そのときは事前の対策通りに動く」


『今がすでに非常事態ってことだな。まあいい。動かせそうだ。会おう』


「よし」


 まだヒューマンドローンは出し抜いている。

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