04 マンハント&盗人

『どうやって動かす。まずここから金を出す時点で、すでに難しいぞ』


「自分で動かすのは難しいだろうな」


 人工知能を使って、方々に連絡と情報を飛ばす。


「だから、動かしてもらうことにしよう」


『何か仕組んでる、ってことだな?』


「おまえは気付かれずに潜んでいろ。見つかるなよ。一度通信は切る」


『了解。動きそうになったらこちらから掛け直す』


 通信を切った。


 予算は、動く。間違いなく。


『すごいね。そういうやりかたがあるとは』


 人工知能。話しかけてくる。嬉しそうだ。


「うまくいくと、思うか?」


『微妙だね』


「そうか」


 人工知能の脆さは、ここだった。完全にこちらの味方をしているが、同時に、ヒューマンドローンの味方もこなす。敵と味方が、同時に、同じ仲間を利用している構図。


「楽しめればいいっていうことだな」


『まあね。人工知能ですから』


「人工知能は関係ないだろ」


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