「いや、まあ、ええと」

『おい。なんとかしてくれるよな？』

「なんとかはするけどさ。やってはみるけどさ。たぶん、相手は国家の手に負える相手じゃないよ？」

『は？』

「マンハントだ」

『マンハント？』

「僕のライバルで、僕と同じく人工知能を第二通信使令（サブオーディエンス）にしているんだけど、まあ、なんて言えばいいかな」

『どういうことだ？』

「そうだ。そう。僕も同じぐらいの力を持ってると思ってくれればいいかな」

『はあ？』

「僕と僕が戦う感じで」

『なんだそれ。無理だぞ。予算が盗られたから、これから指揮系統の奪い合いが省庁間で始まるのに』

「あ、じゃあ無理だね。足を引っ張られた状態でマンハントに勝つことは、絶対にできない」

『え、うそだろ。つまり』

「うん。きみひとりで各省庁から権限奪ってきて？」

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