第8話 住みやすい環境作り

〇〇視点


ママのお腹でこんにちは、胎児です。


現在、居心地がいいとは言えない場所に居ます。

眠れないのです。


別にママのお腹の中が汚い訳ではなく、エネルギー的な何かが淀んでいて気持ちが悪くなっている。


ここで僕の能力の出番なのですよ。お汁粉味の悪いエネルギーを吸って綺麗エネルギーを出す。ふぅ!

そうすると落ち着く部屋に早変わり。これで寝れる。


ただそれだけだとつまらないので、ママの悪いところを治している。

やり方はエネルギーを流して止まったらそこを飲む。ママは飲み物から除外しているから傷つかないからどんどん試している。

しかし、調子乗ってたら、なんか身体が縮んだ。なぜだ!?


毎日やってたら、やる事が無くなった。

そりゃあ、毎日掃除してたらやる事なくなるよね。


そろそろ記憶の整理でもするかな?


正直ほとんど記憶を覚えてない。

意識は身体に引っ張られていて、お子様思考になってるなぁ。

記憶にあるのは、日本という国で男だったことと、向こうの知識を断片的に思い出す事は出来るみたいだけど詳しくは思い出せない。

物の名前と形をぼんやり覚えているくらいだ。


ま、いっか!?


さて、運動でもしようかな?(足でお腹を軽く蹴る運動)


ビリリ!?


ママの身体が揺れたみたいな大丈夫かなぁ?

ケリケリ!!


僕はママのお腹を蹴った。


ザリザリ!


反応が返って来た。

なんかあったのかな?


ん?なんだ?

す、吸われる!?

僕は排水管のような物に吸い込まれた。ぽん!


気づくとまた淀んだエネルギーが充満した場所に居た。


しかも岩石に囲まれてに窮屈だった。(イメージです)


コンコン!硬い!?


まず、空気の入れ替えだ!?ゴキュゴキュ


次、僕の波動弾!!(綺麗なエネルギーを流しているだけ)


ハァ!!(気合)


なんて、硬いんだ!?ゲシゲシ

まぁ少し削れたけどね。


って、また吸われる!?


また、排水管のような物に吸い込まれた。


はっ!?ここはいつものママの中だね。

ホッ…

しかし、さっきの場所はなんだろう?


疲れたから今日は寝よう。おやすみママ

ぐー


目覚めるとまた岩石世界に居た。


またかよ。こうなったら匠の力見せてやる!?

匠ってなんだっけ?


とりあえず岩石を吸ってはエネルギーを流した。なんかママに似たエネルギーとママのエネルギーがあるな?


一応除外かな?


という事で邪魔な岩石だけ壊してます。


唸れ、僕のドリル!!

(手を当ててるだけ)


うおー!五段蹴り!!

ぽこぽこっぽこっ...ぽこ...ぽふっ




外では


「リアの身体温かい。」ぎゅー!!


「うん。ポカポカする。

あ!?蹴った。元気だね君は」スリスリ




胎内


行くぞ!!(頭を当てる)

ぷか~......ぽふっ


最後だ!!

ジタバタジタバタ





「くすぐったい!?」


「私の時も最初はそうだったわ。」


「そうなの?じゃあイタズラかな?このこの!!」

ツンツン



胎内


つ、ついに岩石を打ち破ったぞー!!

これでここも足を伸ばして寝れる。

やったー!!


疲れた。

....スヤァ....zzzz




「リア!?また大きくなってるよ。」モミモミ

「本当だ。えへへ、嬉しいなぁ。」ナデナデ

「もう、可愛いなぁ。」ガバッ!!

「ひぁっ!?もうルナったら。」チュッ


胎内


だう!?

なんか砂糖吐きたい。(※出ません)


起きちゃたし掃除を再開するか。

ゴールは目の前だ。

ゴキュゴキュ


ママのお腹と同じくらい綺麗になった。


よし、ここを僕の別荘とする。ドン!!


帰ろ帰ろ。


僕はいつのまにか常設されていた排水管に頭を突っ込んでママのお腹に帰って寝た。

おっと!へその緒へその緒。

カチッ!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕は自宅と別荘を行き来してる。

別荘も居心地いいので寝ることも多い。


別荘にもコードレス型へその緒がいつのまにか設置されていて別荘のママと繋がるようになった。

付け外しも楽でお腹を近づけるだけでくっ付き、外れろと考えると外れるのだ。


僕の最近の遊びは自宅と別荘を何度も往復するスポーツだ。

つまらないって?

お腹中でやる事ないんだよ。泣


というわけで、よーいスタート!!

まずは自宅から別荘へ!

僕は排水管に頭を突っ込んだ。


スイー!!


僕は滑るように別荘に到着!

ちょと休憩。

移動すると疲れるのだ。

しかも今日は道が歪んでいて通り辛かった。


今日は自宅に戻ったら寝よう。


休憩を終え、自宅に戻った。

やはりいつもより疲れた。

もう寝よう。へその緒よし!

お休みなさい。ぐうー


ひゃん!?くすぐったい。


...

...

...

むにゃむにゃ、なんかママ嬉しそう。

僕は更に深い眠りに落ちた。






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