第21話 魔法スキル

 朝起きると同時にドタッという音が部屋に響いた。


「あなたはまた同じことを繰り返して!昨日の話だけではご主人様の奴隷になったその誇らしさが分かっていないようですね!」


 天使が狼に蹴落とされていた。

 何処かの神話に出できそうなフレーズだ。

 あんま詳しくないけど。


「朝から活気があるのはいいが、やるなら俺に迷惑かからないようにしてくれ」


「ご主人様おはようございます。早朝より騒がしく申し訳ありません」


 ツヴァイも急いで立ち上がりお辞儀をする。

 昨日もアインスは床で寝て、ツヴァイは俺と一緒にベットで寝た。

 別にことをなした訳ではない。

 ただ抱き心地が良いんだ。

 いろいろと柔らかいからだ。


 だが、アインスが嫉妬して更に厳しくなられても困るからな。

 今夜あたりはアインスと寝るとしよう。


「お前達のステータスを見せてくれ、昨日の成果を知りたい」


 名前:アインス

 レベル:14

 魔法:なし

 スキル:〈槍士LV4〉

 称号:ゼントの奴隷



 名前:ツヴァイ

 レベル:4

 年齢:15歳

 性別:女

 種族:人間

 魔法:〈光魔法(下)LV1〉new

 スキル:〈料理LV4〉〈礼儀作法〉

 称号:ゼントの奴隷


 ツヴァイは新しく魔法を会得し、レベルアップまでした。


 アインスには何も変化はない。

 本当に魔法の才能が皆無なのかもしれない。

 さっきまでの威厳が嘘のように項垂れている。


「気にする必要はない、魔法が使えないならそれ以外でお前には役立ってもらうだけだ。これまでだってアインスの知識には助けられてるからな、これからも俺の為に頑張ってくれ」


「はい、ありがとうございます!」


 アインスの顔に笑顔が戻った。

 単純で助かる。

 自衛さえ出来てくれれば、戦闘で困ることも少なくなるだろう。


「ツヴァイの方はどうだ、光魔法を覚えたようだし、他のもいけそうか?」


「はい、昨日は光魔法の基本的な部分だけでしたが、時間を掛けて読み進めれば他にも使えるようになりそうです」


 ツヴァイには魔法才能があるかもしれない。

 もしかしたら魔法での活躍が期待出来そうだ。


 そうなれば、前衛をアインス、後衛をツヴァイという陣形でいけるかもな。

 俺はフリーでやらせて貰う。

 臨機応変というやつだ。


 俺は今日の予定を2人に伝える。

 ツヴァイは宿で魔法の勉強の続きをするように。

 アインスは武器屋で槍を受け取った後にダンジョンへ入る。

 ツヴァイがいない分奥まで進めそうだ。


 ツヴァイには2つの命令を言い渡した。

 俺達が戻るまで部屋には誰も入れるなと、外出禁止だ。

 部屋に入られ、魔法書を持ってることを怪しまれたり、ツヴァイが外出先で伯爵の知り合いに出会さないとも限らないからな。

 元々奴隷を1人で外出させること自体稀なことなようだから怪しくはないだろう。


 さぁ、今日は主にアインス1人に戦闘させる予定だが、強敵が現れたときは俺も参加させてもらう。

 レベルアップは俺にも必要なことだからな。



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