第20話 反省会
結局、ダイジョン攻略1日目としては、1階層の魔物を狩るだけで終わってしまった。
それも全てツヴァイのせいだ。
一体一体を倒すのが遅すぎる。
毎回俺かアインスが手を貸さないとホーンラビット1匹倒せないのだから。
武器の使い方どころか運動神経に問題があり、すぐに息が上がったりして、休憩を何回も挟まなくてはならなかった。
ツヴァイを手に入れた目的が戦闘目的ではないとしてもあの程度の魔物に自衛出来ないのは予想外だ。
これでは野営をした時に見張りを任せることができない。
野盗でも現れた時に怯えてるだけで、そのまま襲撃されそうだ。
宿に戻ってステータスを調べたが、アインスがレベルアップしなかったのは分かるが、
ツヴァイもレベルアップしなかったし、なんのスキルも会得しなかった。
まさか今の段階で限界なわけはないと願いたい。
一般市民のレベルが大体10程度だからその近くまでは行くだろうと思っていた。
さすがに3はないだろう……
これではマジでメイドや愛玩人形にしか使い道がないぞ。
「……申し訳ありません」
俺がしゃべる前にツヴァイから呟きが聞こえた。
こちらの不機嫌を悟ったのかもしれない。
自分から謝りに来るのは反省している証拠でいい傾向にはあるな。
「まったくです。ご主人様にあれだけ助力をしてもらってなお、ステータスに変化が見られないとは……ご主人様の奴隷として恥を知りなさい」
「レベルが上がらなかったのは残念だが、問題は戦い方だ。接近戦の武器はお前には合わないな」
「はぃ……」
ツヴァイはもう返事をするのがやっとという感じで精気を感じない。
「だから遠距離の武器に変えるか魔法の適性があるか試そうと思う……アインス、魔法適性があるかどうか分かる方法は何かあるか?」
もしかしたら魔法の適性があるかもしれない。
そうすれば、後衛からの攻撃が出来る。
他にもクロスボウなどの離れたところからの攻撃に適性があるかもしれない。
刃がついた武器を嫌がっていたから、適性があってもツヴァイ自身が使いたがらない可能性もあるが、そこは納得してもらうしかないな。
「魔法適性が分かる方法は主に2つです。指導者に術式を教わり、実際に魔法が行使されているところをみたりすること。荒療治ですが魔法を身に受けたりすることでもスキルを得ることがあるそうです。もう一つは魔法書を読むことです。ですが、魔法書は珍しくあまり出回りません。オークションなどに出られることが偶にありますが大変高額で落札されると聞きます」
俺は今朝アイテムボックスの中を整理している時に見つけた魔法書を出した。
「魔法書はこれのことか?」
「はい!さすがはご主人様です。魔法書までお持ちとは感服いたしました」
伯爵の財産から盗んだ物なんだけどな。
真実を話す必要はないだろう。
現実とはいつも残酷なものなんだ。
魔法書は全部で3つある。
水魔法、地魔法、光魔法
水魔法と土魔法は言葉通り水と地を操る魔法だ。
光魔法は主に治癒と補助系の魔法で、攻撃的な魔法の種類は少なく、上位クラスにならないと使えないらしい。
魔法は基本的に火•水•地•風•光•闇この6つが主に知れ渡っている魔法だ。
稀にそれ以外の属性が開花することもあるらしい。
ここでアインスにもっと魔法について聞いてみたが、それ以上は魔法について詳しくはないとのこと。
アインス自体が全く魔法を使えないからな。
ツヴァイは論外だ。
「アインスとツヴァイはこれを読んで魔法を学べ、適性があれば明日は専用の武器を買ってダンジョンに行くぞ。時間が掛かりそうなら報告しろよ、その時はまた考える」
これで反省会は終了だ。
もっと言いたいことが無い訳じゃないが、あまり言い過ぎて鬱になられても困る。
アフターケアなんて面倒くさいだけだ。
なら最初から言い過ぎ無ければいい。
それでも分からない時は体にわからせてやればいい。
奴隷なんだから何やっても問題はないよな。
俺はアインスとツヴァイに渡していない、残りを見たりして全部読み終わったところで睡眠についた。
まぁ、パラパラと見ただけでスキルを得てしまったんだがな。
読んではいない、見ただけだ。
術式なんて知ったこっちゃない。
魔法を放つ時に何かが頭や体で感じることがあるが、特に考えていない。
考えるな、感じれだ。
『無能』最高だな!
さぁ、自分もそうだがアインスとツヴァイがどんな魔法が使えるようになっているか明日が楽しみだ。
あまり期待はしていないけどな。
名前:ゼント
レベル:46up
魔法:〈火魔法(下)LV6〉〈水魔法(下)LV10〉new 〈地魔法(下)LV10〉new 〈光魔法(下)LV10〉new
スキル:〈剣王LV3〉〈槍士LV3〉〈闘王LV1〉〈投擲LV7〉〈隠密LV9〉〈自然回復LV10〉〈運搬LV8〉〈奴隷契約〉〈鑑定〉〈アイテムボックス〉
称号:無能
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