第3話
《目隠し鬼》の伝承などおとぎ話にすぎない。
このような
彼とは決まって学校帰りのあぜ道でしか会えず、共に
それでも暇と孤独に耐えるよりはよっぽどいい。
地元のこと、学校のこと、家のこと――
しかしながら人の
旅行かばんにしまったままのチェスやオセロといった、ふたりで楽しむ遊びができればどれほど日々が充実するだろうか。もちろん、学校帰りの短い時間にしか会えないユウキとは
かといって、ミソギ少年はどうにも乗り気になれなかった。
片目隠れの少年が
「ねーやろうよミソギー。鬼さんこちらってさー」
ユウキは通学路から
「ミソギの言うこと聞いてくれなかったんでしょ? ならお父さんの言うことだって聞くことないよ」
「わかってるよ」
「でもしてくれないじゃん。《目隠し鬼》」
「……だってバレたら
ミソギ少年に《目隠し鬼》への恐れはない。むしろその民間伝承を「気安く
そもそも子どもは親に逆らえないものだ。お
都会育ちの
「――ミソギはぼくなんかより、おかしなお父さんのほうが大事なんだね」
片目隠れの少年はふらりとした足取りでミソギ少年の前に回り込み、
「ならいいよ。きみとはもう付き合わないから」
三日月を思わせる口元を
また暇と孤独に耐えるはめになるだろう。ここで彼と
娯楽のない生活、ひとりきりの通学路がふと、ミソギ少年のまぶたに浮かぶ。
「きみはどうしたい? ぼくと遊ぶのか、遊ばないのか」
――ユウキと
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