第2話
都会の
素晴らしく
同じ学校に通う彼らの声も同じだ。
「ミソギくんおはよ」
「おうミソギ、元気か?」
悪意などないだろうに、ミソギ少年にはどうにも親しめず、かえってうっとうしいと感じさせられる。いつしか彼らにあいさつされても返事はせず、すげない手振りのみで応じてしまうようになっていた。
これもすべて、この村に伝わる民間伝承のせいだ。
右を向いても左を向いても、
『眼鏡をかければ《目隠し鬼》には本物の目がわからないから安全だ』などと真に受けるのはおかしいに決まっている。
ゆえにそんなものは非科学的だと、迷信にすぎないとミソギ少年は
なんたる気持ち悪さ、
異常を異常と認めない
そうして
ちょうどその
「――鬼さんこちら、手の鳴るほうへ」
ぱちぱちという
誰かが遊んでいる? いいや、
片目をすっぽり
おぼろげな
そのほか、赤茶にあせてこそいるが、リュックサックが主流らしい
「きみひとり? 時間ある? よければぼくと遊ぼうよ」
「……君さあ」
「あっごめん。遊ぶ前に自己紹介しなきゃだよね」
ミソギ少年の言葉をさえぎるように、片目隠れの少年は
「ぼくユウキっていうんだ。きみはなんて」
「なんで眼鏡をかけてないの?」
「へ? めがね?」
「地元の子なら《目隠し鬼》の話ぐらい知ってるだろ」
言いたいことをはっきり言う。
だからミソギ少年は言いかけたばかりの問いをもって、三日月の口元から出てくるなれなれしい言葉を
しかしユウキは動じない。むしろおかしさが込み上げてしまい、けらけら笑わずにはいられなかった。
「もう、なに言ってるのさ。《目隠し鬼》はただの遊びだよ?」
そんなユウキの聞く人が聞けばさも痛快であろう一言は、
「……俺はミソギ。悪いけど《目隠し鬼》では遊べないんだ」
「ミソギ! じゃあぼくミソギと話がしたい! ねっいいでしょ?」
そう言って手をつないできたユウキの
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