第4話
♦宇佐美奈々視点
図書室で指を銜えられるなんて思ってもいなかった。
ただあの後、図書室に居ずらくなり退室後、一緒に帰宅中。
(あんな大胆な事よくできるよ!ただ・・・今日はこの指を洗えないかも。)
少し顔が赤くなってるのを自覚しながら、こんな事を考えていると。
「宇佐美さん、何時勝負仕掛けるつもりだったの?図書室行く時に何も仕掛けてこないし、図書室でも…【ポッ】」
図書室での失態を思い出したのか、急に頬を染めた。
「そ、その、思い出さないで、恥ずかしいし。」
私は更に恥ずかしくなり、胸元に両手を持ってきて、両手の指でモジモジさせながら
(頬を染めてるし、一気に仕掛けちゃう!)
「しょ、勝負はね、こうやって一緒に帰る時に仕掛けるつもりだったんだよ、智樹君。」
「えい!」
と勢い良く、彼の腕に抱き付いた。
「【ポン】ちょ!ちょと!宇佐美さん!」
彼の顔が真っ赤になるが、私も顔が真っ赤になってるのも自覚できた。
(ひぃゃ~~~~、大胆な行動しちゃった!本当は恋人繋ぎにするつもりだったのに、だって仕方がないよね?図書室であんな大胆な事されたんだし、これでもまだ勝てないよね?これでどうかな?)
私は上目遣いをしながら。
「だめかな~?」
すると彼は歩みを止めた為、私も歩みを止めた、すると新崎君は手を私の頭に乗せヨシヨシとしてきた。
私は全身が赤くなりそうなのを、ぐっと我慢するが。
「奈々は、いつも可愛いな。」
(ぐは!それ卑怯です!!)
【ボン】全身が真っ赤になり、頭から湯気が出て、さらに腰が砕け、へなへなと地面に座り込んで動けなくなってしまった。
「お!おい!大丈夫か!!」
彼が心配して声を掛けてくれるが、上の空で「奈々は、いつも可愛いな。」の言葉を噛み締めていた。
勝負あり!
勝者 新崎智樹
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