刺さる棘

 やる気の出ない宿題。後回しにしてしまう家事。抜け出せない布団。持ち上がらない瞼。今日も私は微睡みに沈んでしまう。意識は断続的に浮かぶけど手を伸ばすことはない。

 真っ暗な場所で耳を澄ます。今がお昼なのか深夜なのかは分からないけど、家には誰も居ないのは分かった。マンションの狭いし少ない部屋数は音を気にしたらやっていけない。

 お金を出しているのは親だから何も思うことはないけど。今日は……一昨日が月曜日だから、今日は水曜日。本来中学生な私は義務教育で学校に行かなければならない。祝日ではないのだから行かないと。

 身じろぎの一切をしないまま睡眠の海へまたも身を投じる。先程までの思考は頭から跡形もなく消えていた。

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