第7話

- 第七話 -

「じゃあ、華氷先輩が家に加わったということで、改めてルールを決めたいと思います。」

映姉さんと華氷先輩をリビングに集めた僕はそう言った。



何故ルールが必要なのか⋯⋯それは簡単。間違いが起こらないためだ。


例えばお風呂上がり、タオル一枚の華氷先輩と遭遇や、トイレに入っている華氷先輩に気づかずにトイレのドアを開けてしまう⋯⋯などなど。うん。よく考えたらありがたい。けどそれは華氷先輩からの好感度を下げてしまうからダメだ⋯⋯。




ということを(起こりうる問題の詳細は省いたが)華氷先輩と映姉さんに説明したところ納得してくれた。




「じゃあまず、当たり前だけどトイレの鍵は閉めること。鍵を閉めていなかった時は自己責任って言うことで。」


映姉さんが以外にもまともなことを言った。


「む⋯⋯。今なんだかゆづくんが失礼なことを考えてた気がする⋯⋯。」

「ナチュラルに心を読むのはやめようね映姉さん?」

「あ! やっぱりそうだったんだね!? ふんっ。」


怒って拗ねた映姉さんはほっておいて僕達はルールを決めていった。


そうして決まったルールが、

・トイレ、お風呂の鍵は閉めること。

・家事は当番制ですること。

・晩ご飯は全員揃って食べること。

・何らかの事情で晩ご飯に間に合わない場合は連絡を入れること。

などなど。



とりあえずはこのルールで生活してまた必要になれば追加する形で決まった。




「よし! 僕は明日の予習をしてきますね。映姉さんはいつまでそうやってるの? 今日のお風呂掃除は映姉さんだよ。」

「ゆづくんの扱いが酷い⋯⋯。」



なんだか呟いたのが聞こえたがほっておこう。




「もういいもん! 洗えば良いんでしょ! ふんっ」

「ごめんって映姉さん……」

「本当にごめんなさいって思ってるんだったらさ……私のいうこと一つくらいなんでも聞けるよね?」

「は、はい……。勿論です。」

僕は映姉さんの圧力に負けて思わず了承してしまった。








この時の僕はまだ知らない……この判断がどれほど大きな過ちだったのかを。

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氷姫、僕にだけ溶けるって本当ですか? 麝香いちご @kasumimoto

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