お正月SS 〜はるゆづ夫婦のお正月〜
「新年あけましておめでとうございます! ゆづ」
「あけましておめでとうございます! 華氷」
僕たちが結婚して初めてのお正月がやって来た。
「今年もよろしくね。」
「はい! よろしくお願いします!」
僕たちは僕が大学を卒業してすぐに結婚した。華氷はあのころと変わらずに美人で、変わったところといえば人当たりが良くなったというところだろう。
一方の僕はと言うと未だに非力であの頃から背が伸びただけだ。
「ゆづ! 初詣行くわよ!」
お正月だからなのか華氷はとても張りきっており、早速初詣に出かけるみたいだ。
「どこの神社に行くんですか?」
「あそこいいんじゃない?」
「あぁ、あそこか。じゃあ歩いていきますか。」
「えぇ。」
あそこの神社というのは家から歩いて七分位のところにある神社だ。
受験前なんかにここの神社にお願いしに来たっけな。
初詣は特にトラブルもなく可愛い華氷を堪能して終わった。
「ゆづ〜早く行かないと福袋が無くなっちゃうわ。急ぎましょう!」
「そうだね。行こっか」
「う〜ん⋯⋯なんか違う。」
「え、?」
華氷が言ったのは僕がぎこちない話し方をしたからだ。僕が華氷に対して敬語をやめたのは結婚してからだからまだ慣れていない。
「ゆづ、あまり無理はしなくてもいいから、ゆっくりゆづのペースでなれればいいからね。」
「う、うん。ありがとうございます!」
「ふふ。ゆづはまだまだ可愛いわね」
「か、可愛くないです⋯⋯かっこいいって言われた方が嬉しいです」
「うふふ。そうね、かっこいいわ」
「ッ──────!」
(そんなこと真顔で言わないでくださいよ⋯⋯。)
「ゆづ〜この服とか似合うんじゃない?」
「どれですか?」
「これよ!」
そんな感じの会話を何回も交しながら無事華氷の福袋を買い終えて今は僕の服を見ている。
さっきから僕が着せ替え人形になっている気がするけどそれはそれで楽しいからよしとしよう。
でも華氷が好きな服装の系統と僕が好きな服装の系統が被っているから必然的に僕が気に入る服装をチョイスしてくれる。
「やっぱり僕の嫁は世界一だな⋯⋯。」
「ふぇ!? そ、そんなこといきなり言われてもどうしたの⋯⋯?」
「え、あ、声⋯⋯出てましたか⋯⋯?」
「えぇ。そりゃもうバッチリ。で? 誰が何だって?」
(恥ずかしい⋯⋯。)
きっと今の僕は以前初めてお酒を飲んで酔っ払った時くらい顔を赤くしてるだろう。
結局その後は僕の服を二着、華氷は福袋と別に一着かって帰ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます