第8話 「まずいわね⋯⋯彼女はそういった」


「華氷先輩、まずいって何がですか?」

華氷先輩はとても真剣な表情でまずいと言った。僕はその真意が知りたくて尋ねた。

「ううん。なんでもないのよ。ただ、イケメンランキングにゆづが入ってしまったから余計に注目されちゃうなって思って⋯⋯。」


なんだか拍子抜けだ。まさか華氷先輩がそんな理由であれほどまで真剣な表情をするとは⋯⋯。


僕はひとまず安心して緊張の糸が切れたように脱力した。


「華氷先輩。僕は華氷先輩以外の人にどう見られようと気にしませんよ!」

「え、ゆづ⋯⋯? それって⋯⋯」

あ⋯⋯。


僕が己の過ちに気づくのに時間はそうかからなかった。あえて言うのならば0.2秒ほど。

つまりは僕、朔間悠月は華氷先輩に告白まがいのことをしてしまったのだ。


「あぁ⋯⋯、えっと、その⋯⋯。」

華氷先輩はまるで紅葉した葉の様に頬を赤らめ、手をモジモジとさせながら聞こえるか聞こえないかギリギリの声で呟いた。


「ぼ、僕は華氷先輩以外の人とは関わりがないから関係ないって意味です⋯⋯。」

「そ、そうよね! は、ははは⋯⋯。ゆづったらいきなりおかしなことを言うからどうしちゃったのかと思ったわ!」

「す、すみません!」


それからはもう地獄のように気まずい時間が流れた。お互い何も言葉を発さないまま時が過ぎるのを待っていた。


「華氷先輩!」

僕はこの無音の気まずさにいてもたっても居られなくなり、声をかけた。


「ど、どうしたの? ゆづ?」

「あ、いえ、大したことではないんですけど、もし僕が華氷先輩以外の女の子と仲良くしてたら嫌ですか?」

「そ、そうね。嫌、だわ。」

華氷先輩は不自然なほど言葉と言葉の間に間を入れてそう言った。


「そ、そうですかっ!? へへ、なんだか嬉しいです。」

「何がよ!?」

「いえ、華氷先輩が僕に嫉妬してくれてるんだなって思って。でも安心してください! 僕はコミュ障なのでそう簡単に人と仲良くなれませんっ!」

「それは自慢できることじゃないわよ⋯⋯。じゃあ、逆に私がゆづ以外の男の子と仲良くしてたらどうなの?」

ん? そんなことは決まっている。




⋯⋯。あ、ダメだ。想像してみたらイライラしてきた。


「えっと、嫌です!」

「今の間はなんだったのよ!?」

「いや、想像してみたらイライラするなって思って⋯⋯。」

「そ、そう⋯⋯。」

華氷先輩は先程のように頬を赤らめていた。




お久しぶりです麝香いちごです!


本当に長い間お待たせ致しました!


なんとなんと地獄の5週間連続模試and期末試験and実力テストが終わりまして一段落です!


自分の受験が2月のため更新ペースは遅いと思いますが、気長に待っていただけると幸いです!


受験が終わったらどんどん更新してどんどん伸ばしていきたいと思いますので応援よろしくお願いします!


(もちろん受験の応援もよろしくお願いしますm)

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