第6話 「第一回神明学園イケメンランキング①」
今日も今日とてぼっちの僕はぼっちらしく昼休みを一人で過ごそうと思い、教室を抜け出そうとした。だけど、名前も知らない女の子に引き止められたせいでその願望はことごとく潰されてしまった。
「今日の主役君はどこに行くのかな?」
「なんのことですか⋯⋯?」
「え〜? 本当は分かってるくせに〜!」
なんなんだろう。この人⋯⋯。でも一つ確かなことがあるとすれば、この人は僕が苦手なタイプの人種だ。
「あの、本当に分からないしご飯食べたいから離してもらっても良いですか?」
「え、まじで言ってる? なんで? 自分で分からんの?」
え? 関西弁⋯⋯? なんでだろう?
「いや、何がですか?」
「イケメンランキングやんか! 自分、一位やで?」
ん? 何を言ってるんだろう⋯⋯。僕がイケメンランキング一位? どういうこと? 僕は別にイケメンなんかじゃないけど⋯⋯?
「はぁ⋯⋯無自覚イケメンてほんまにおったんや。でも、それはそれで可愛いな⋯⋯。よし、ほっとこ。」ボソッ
「え? 何か言いましたか?」
「ううん。なんでもないよ。」
「とにかく今日はここおり。」
「わ、分かりました⋯⋯。」
それにしてもイケメンランキングなんて変なランキングがあったんだ⋯⋯。
僕はさっきの女の子に言われた通り教室でご飯を食べることにして机の上に弁当箱をひろげた。
〜回想〜
(
私、島崎鈴音は学校でも天使様と呼ばれている。私自身、自分のことを美少女までは行かなくとも可愛い方だという自覚はある。それに可愛くなりたいからそのためにスキンケアだったりヘアケア等の努力は欠かさずにしている。
今までの私は中々好きな人が出来なかった。もちろん付き合った人なんていない。初恋すらまだ。でも告白なら何回もされてきた。
まぁ、自己紹介はこの辺にしといて。堅苦しい喋り方も嫌いやし、普段の喋り方で行くけど。実は出身が関西ということもあって関西弁が慣れてる。
まぁ、今住んでんのは関東やねんけどな。
学校ではできるだけ関西弁は使わんようにしてんねんけどびっくりした時とかは普通に出ちゃうからまだまだやなって思う⋯⋯。
「鈴音ちゃん。あのランキング誰に入れたの?」
「ん? 多分加奈と同じだよ、悠月君」
「だよねー! 悠月君以外ありえないよね!」
今話しかけてくれたのは親友の
私は同じクラスの朔間悠月っていう可愛い系のイケメンに入れた。だってめっちゃ可愛い。顔もそうやし喋り方とか仕草がもう⋯⋯。
この学園には三大美男子って呼ばれる人がおるって言う噂を聞いてたけど、実際の所それは具体的な人じゃなくてこのランキングの上位三人のことを指すらしい。だから今はいないということ。
そして今日、この学園のイケメンランキングが発表される。ちなみにランキングは十位まで。
私は結果がどうなるか楽しみにしながら昼休みを待っていた。
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