第2話 「普段の様子 悠月side」

初めまして。僕の名前は朔間悠月だ。突然だが、皆にとって『友達』ってなんだろう?

いつも一緒にいる人?

課題を見せてくれる人?

それとも、笑わせてくれる人?

それが友達なら生憎と僕は持ち合わせておりません!


つまるところ僕はぼっちという訳だ。だけど、僕の場合は『選択ぼっち』という方が正しいだろう。友達を作ろうとは思うこともあるが人見知りが出てしまい、どうしても上手く話せない。だから一人でいることを選んだ。


でも、そんな僕にも一人だけ友達以上恋人未満の人がいる。そう。初恋の人だ。名前は白崎華氷。とても美少女で、一つ上の先輩。僕はその先輩が通う高校に入学が決まっているので、消化試合のように日々を浪費していた。


今日も僕が真面目にしようと思うのは卒業式の練習くらい。

あと一ヶ月後には華氷先輩と一緒の学校だ!

嬉しすぎて今からワクワクする!


僕は歩きなれた通学路を歩いてようやく学校に到着した。


あ、僕の容姿は⋯⋯まぁ、普通だと思う。悪くもなく、良くもなく。中間ら辺。よく言われるのは『女の子?』。まぁ、声も高いし、顔立ちが女の子っぽいらしいし、それは最近自覚してきた。


前までは髪が長かったからそんな風に言われてたんだと思い、思い切って散髪してみました。まだ長いけど今流行っている前髪重めのマッシュというやつだ。


僕はこの髪型をとても気に入っている。この少し重めの前髪とか、最高。これなら華氷先輩、かっこいいって言ってくれるんじゃないか⋯⋯? そんなことを考えながら待ち遠しい季節を心待ちにしていた。


早く会いたいです。華氷先輩。




「ねーねー。君、もしかして朔間くん?」

「っ!」

こ、怖い⋯⋯。話しかけられた⋯⋯しかもギャルみたいな人⋯⋯食べられないよね?


でも、ここで無視したら後で校舎裏とか⋯⋯それは無理っ!


「は、はい⋯⋯。朔間悠月です⋯⋯。」

「めっちゃ髪切ってんじゃん! 似合ってるよ!」

「へ、へ? そ、そうですか⋯⋯。」

「てかなんで敬語なの? ウケるんだけど! 同い年でしょ? タメでいいよ! 私は真壁聖奈まかべせいなよろしくね。」

意外といい人なのかも⋯⋯。


「よろしく⋯⋯。真壁、さん。」

「ははは。よろしくっ!」

そう言って真壁さんは強引に握手してブンブン手を振ってきた。


やっぱり怖いよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る