文才
先生は言った。
「いい文章を書くんだね」
今日、先生に小論文を添削してもらった。
その小論文は、今日の朝、書き始めたもので、放課後までに間に合わせるために、授業中も、休み時間も、出来る限りの時間を費やして書き上げたものだった。
でも、やはり長時間、集中して書いたものと比べると、見劣りする。
私自身、その小論文に納得はしていなかった。
しかし、先生は言った。
「いい文章を書くんだね」
と。
私は嬉しかった。
小さな頃から本が好きだったし、数年前から、執筆活動にも手を出し始めていた。
いつか、小さな賞でもいいから誰かに認められたい、とも思っていた。
でも、嬉しさの反面、不安もあった。
私が人から誉められる文章を書くとき、その文章は私が時間をかけて、書き上げたものではなく、直感的に短時間で書き上げたものなのだ。
私の熟考は人から評価されないのか。
そんな考えも頭によぎった。
「あと、4、5年でもっといい文章を書くようになるだろうな」
先生の言葉が聞こえた。
先生の言葉が光に見えた。
私の未来を少しばかり照らす光。
不安がっていても仕方がない。
直感を怖がるな。
直感を自分のものにしろ。
私は言葉を紡いでいく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます