第7話:狂気
私の周りには近衛騎士達がいます。
王都警備隊では捜査ができないと、近衛騎士団が投入されたようです。
先程から激しい言葉で私に尋問しますが、近づこうとはしません。
防御結界による反撃を恐れているのでしょう。
それにしても、私の証言はどう扱われているのでしょうか?
「エリル侯爵とルレリアは捜査されているの?
それとも貴男達も賄賂をもらって隠蔽に協力しているの?」
「「「「「なにを!」」」」」
「お前らは黙っていろ。
やっと口を利いてくれたね、ケイト嬢。
私も騎士の端くれだから、殿下やルレリア嬢のやった事には思う所がある。
だが、私にも家族がいるのだよ。
上からの圧力には抗しきれないのだよ。
だが、上手く話をして、罪が軽くなるようにくらいはしてやれる。
全て正直に話してくれないかな?」
私の挑発に、ほとんどの近衛騎士は激高しましたが、騎士長らしい奴はなかなか強かで、私が口を利いたのを好機と考え、自白させようとしてきました。
こいつの話を信じるのなら、近衛騎士団も王都警備隊も、御姉様に対する虐めとエリル侯爵とルレリアの横暴は知っているようです。
ですが、それは全て王太子の許可を受けての事なので、犯罪として立件する事はできないと考えているようです。
「話してくれないと、君の大切な御姉様がどうなるか、私もとても心配している。
この件に関しては、王家の威信がかかっているからね。
全てに王太子殿下が係わっておられるから、表立った処分が難しい。
絶対に王太子殿下が悪いという結果にはできないのは、君にも分かるだろう。
このままでは君の大切な御姉様が今以上に不幸な目に合うかもしれない。
今頃君の屋敷には、王家の汚れ仕事をする連中が向かっている。
どうかな、今罪を認めれば、姉妹で修道院に幽閉くらいですむかもしれないよ」
私の我慢は限界を超え、堪忍袋の緒が切れました。
この国は、私の逆鱗にふれたのです。
いえ、触れるくらいではすみません、私の逆鱗を逆なでしたのです。
今までは王家を滅ぼす事も、国を滅ぼす事も考えていませんでした。
ですが、今決めました、王家は皆殺しにしてやります。
その影響でこの国が滅び、民が巻き込まれようが知った事ではありません。
時間をかけて復讐しようとしていましたが、もうどうでもいい。
「くっくっくっくっ、あっはははは、ぎゃっはははは。
御姉様をどうこうできると思っているとは、愚かにもほどがあるな。
私は自分よりも御姉様が大切なのだよ。
お前達は私の防御結界を恐れているようだが、御姉様に張っている防御魔法は、桁外れに強力だし、攻撃を反射する相手も王家に向けてある。
今頃王宮は血と肉片で真っ赤に染まっているだろう!
ぎゃっはははは、ぎゃっはははは、ぎゃっはははは!」
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