17話
アミューズ・メメント・オンラインの開始告知はGM降臨型で行われたが―――それは
「えー、これより……当
ゴミ共がワーワーヒューヒューと歓声を上げるが―――心なしか音量が小さい。みんな「これじゃ普通の遊園地シムじゃね?」と思っているのだろう、実際の所俺も思っている……質問タイムとかないの?俺の思いが通じたのか或いは偶然か、GMのゴミはチープなマイクに口を近づけて言った。
「ご質問等ございましたら、なんなりと」
場にいる内半数ほどのゴミ+
「なんでお前敬語なの?」
えっそこ突っ込んでいい所だったの……???俺はちょっとびっくりした。ザッと見回したところ俺の他にも数人のゴミがびっくりしている。やった、今度は孤独じゃない……!!!俺には仲間がついているんだ!!!俺はゴミ達を見て喜びを覚えたが、なんか知らないゴミがこっちを見て喜びを覚えてるのを見てキモッ!となり無かったことにした。GMのゴミが答える。
「いやこうお前さァ~~~それ聞いちゃう???ロールプレイって単語をご存じない????イチモク・アンド・リョウゼンって感じの分かりやすさだったと思うんだけどそれ聞いちゃうのォ~~~????」
「でも事実としてお前敬語やめたじゃん、普通に聞いていいのでは?」
「いやそれはさァ、結果論なんだよな結果論……こう、結果的な理論、みたいな?」
よくわからない……俺達はよくわからなかった。GMのゴミからうまい事言おうとして失敗したオーラがむんむんと漂ってくる。哀れなヤツだぜ……指されたゴミも何となく空気を察したのか、挙げっぱなしだった腕を下げて会話を打ち切った。現代の悲劇だぜ……!!!!GMのゴミが気を取り直し、他のゴミを指す……何最前列の真ん中から一個右指してんだよボケ!!!!恣意的!!!!非常に恣意的!!!!乱数生成機持ってこいやクソゴミ!!!!俺は(略)孤独だった。
指されたゴミ(2)が聞く。
「デスゲーム総合スレで『デスゲームじゃないなら貼るな』ってレスに対して『ゲーム内で説明する』って返してた気がすンだけどアレ結局どういう事なのよ」
あーそれ聞きたかった奴だわ……俺は腕組みをして謎の頷きをした。GMのゴミが答える。
「ごめん忘れてたわ」
忘れてたのか……困惑する俺とゴミ共に対し、GMのゴミは慌てて付け加える。
「あー大丈夫だ、今から説明する……とりあえず最初に言っておくとだな」
最初に言っておくと?
「このゲーム、ログアウトはできるけど
は?
「待て待て待て待て」
指されたゴミ(2)が慌てて聞く。彼は今まさに、このチープな広場に密集している全ゴミ+
「お前掲示板でこのゲームは
ウーン的確な質問、指されたゴミ(2)への好感度が5上がった。ただの最前列の真ん中から一個右にいる有象無象かと思っていたが……こいつは
「いや―――掲示板ではあくまでも
い、言われてみれば……!!!!確かにGMのゴミは「デスゲームじゃない」と直接口に出して言ってはいない……!!!!
―――いやでも、
「あー……OK分かった、それは分かったんだが―――それはその、
俺の指されたゴミ(2)への好感度は鰻登りだ。そう―――俺の丁度抱いていた疑問は、ログアウト可能デスゲームはそもそも
「そう―――
フム……俺はフムった。やはりこいつは考察をある程度やった上でゲームを作ったようだ。
「まず、だな―――デスゲームについて突き詰めて考えたんだ。結果として分かったのは……デスゲームは本質的に自発的な
フム……俺はフムった。ゴミ共もフムった。まぁ手の込んだ自殺とか割と言われてるしな……そこは認めねばなるまい。
「なぜ人間は引き金を引きたがるか―――それはすなわち、
フムフム……俺はフムフムった。ゴミ共もフムフムった。数万分の一で死ぬなら数万回引金を引けば理屈の上では確実に死ぬのに、つい引いちゃうよな~~~
「ところで―――ログアウト可能デスゲームについて先
フムフムフム……俺はフムフムフムった。ゴミ共もフムフムフムった。なるほどね……しかし
「おーっとゴミ共―――お前らの言いたいことは分かる。『ロシアンルーレットVR』とか普通につまんなそうでやだ、とかそういうのだろ?」
ウオー当てやがった……
「分かるぜ、実際ゲーム性は無いし運ゲーだしMMOである意味も無いしで俺もつまんなそうだと思う、だから考えたのさ―――ロシアンルーレットに相当する、つまるところ
フムフムフムフム。俺はフムフムフムフムった。ゴミ共もフムフムフムフムった。……こいつの言いたいことが、何となくわかったぞ。
「それこそが、
フムフムフムフムフムフ(略)った。なるほどなァ~~~~。確かに遊園地が実質デスゲームというのは言われてみればそうな気がする。だが……
「でも遊園地ってのは安全対策バッチリだぜ?そう簡単に人は死なないと思うンだけど」
指されたゴミ(2)がまたしても俺の思考をそのまま切り取ったかの如く的確な質問をする―――もう彼への好感度はカンスト状態だ。
「大丈夫だ、安心しろ―――そこはゲーム的な
GMのゴミはそう言うと、何やらパーク内の一点―――
「いいか―――このゲームを徘徊しているNPCは、自動的に何かの乗り物に乗る。今アイツらが乗ったジェットコースターにはちょっとした細工をした―――と言っても、お前らが死ぬ時と起こることは同じだ」
ほほう……???俺とゴミ共が固唾を飲んで見守る中、チープなジェットコースターは呑気に発進。ゆったりと最初の坂を上がり、一つ目の山の頂点に達したタイミングで―――
―――ドカン。
―――
「ウオオオオオオオオオオオ!!!!!」
ゴミ共が謎の歓声を上げた。俺も謎の歓声を上げた。自分がどうしてこうしているのかわからなかった。ただ事実として歓声があった。実体として、爆炎を見つめて歓声を上げる謎の集団と共にそこにあったのだ。そんな俺withゴミ共を見てGMのゴミはニコリと微笑み、こう言った。
「―――さあ、シーズンパスは一枚1200円(税抜)だ」
いや金取るの?
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