12話
さらに5日後。
『バーニング・インフェルノ・オンライン』の発売日である。
俺は
『ついさっき、あなた方のシステムメニューからログアウトボタンを撤去させていただきました……あなた方はゲームをクリアしない限り、永遠に囚われの身ということになりますねェ!!!!!ハハハハハ!!!!!ハハハハハ!!!!!』
アナウンス告知型ってのは要するにウィンドウ告知型とGM降臨型の合いの子みたいな存在だ。ウィンドウ告知型の「招集無しでプレイヤー一人一人に一斉告知を行う」要素と、GM降臨型の「音声という結構情報量が多いうえに
『そしてさらに!右上に視界をずらしてみれば
えっマジ?俺は言われた通りに視界をずらした。うわ本当にあるじゃん……黄緑に染まったHPゲージの下に、青塗りのゲージがもう一本追加されている―――あ、既に20%くらい空になってない?どうなってるんだこれ……俺の疑問に答えるようにGMが言う。
『そのゲージは―――
えっそういう感じなの?
『徐々に減少していくそのゲージが0になればあなた方は死亡ッ!!!現実世界でも死亡します!!!!しかしご安心を―――回避手段は存在する。例えばマップに存在する水場に行けば水分を補給できるし、初期装備にも水筒が存在する―――他のプレイヤーのそれを、奪ったっていい………………ハハハハハハハッハッハッハ!!!!!!』
……単なるちょっと暑いだけのオープンワールド型デスゲームかと思っていたが……どうやら違うようだ。
長引きそうだぞ、これ……!!!
◆
オープンワールド型は理不尽型との相性が非常に良いと言っていいが、だからといって何もそれしか組み合わせが存在しないわけではない。
その一例がバトルロワイヤル型―――というより、
オープンワールド―――つまるところ、
――――オープンワールド・競争寄り協力型……通称、
今回の例で言うならば、
奪い合いが、始まる。
◆
俺はとりあえず放浪することにした。
サバイバル型における蹴落とし合いの何がいやらしいって、クリアに近付かないどころかむしろ
……ウーン焚火、火柱、火壁、火噴水……どこもかしこも炎だらけ、としか言いようがないなぁ……そのうえこのゲーム、どうやらオープンワールド型デスゲームにたまにある
俺は脳を疑問符で埋めつつwikiに火の鳥について書きこんでいたところ火の鳥が強い光を放つ何かを落っことしたのでビビった。いや明らかにあれレアドロップ的なアレ!!!!!具体的に言うと羽かフンか涙あたり!!!!!急いで落下地点に移動、羽らしき形状をしたレア泥を回収……する過程でなぜかHPが6割削れるが気にしない、まぁサバイバル型ってのはちょっと理不尽型のエッセンスが入ってる物が多いからな、6割はちょっと想定よりダメージとしてデカかったが……
考えつつ、HPバーに目をやる―――む、下にある渇きゲージが後40%くらいか。えーッと確かwikiによると初期装備の水筒が50%回復3回分で水場でチャージ可能……よし、この辺りで一飲みしておこう。俺は手で模様を描いてインベントリを開き、初期状態で先頭に配置されている水筒を
幾何学模様のエフェクトを脱ぎ捨てて焔光を照らし始めた水筒を俺が掴んだ、その時である。
「うおっ!!?」
突然飛んできた焔炎を纏った松明を必死で避ける―――オイオイPKに目覚めたニュービーとでもエンカしたかな?俺がその辺にあった火タンプルウィードに突っ込んで
「―――今の一撃を避けるかァ……やはり
やはり
「おいおい―――お前らの腕はそんなもんだったか
闇オーラマンがにやりと笑い、インベントリから次なる
ゴミ共とはまた別の、デスゲーム愛好家派閥だ。
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