アグリカルチャーストーリー

トリュウ

原本 農業の世界

とりあえず、ここにすべての展開を書いておきます

もし、連載をうまいこと始められたら、非公開にしたいと思っています


序章


 主人公「アラン」と両親は、祖父母の家の畑を手伝い馬車に乗り、家に帰る途中だった。そこへ魔物が襲撃してきた。モンスターの襲撃により両親は死亡。アランは、祖父母の家に引き取られることになった。


第1章 農業の開始


キューリー村にある祖父母の家に引き取られたアランは、祖父母の仕事(農業)を手伝うことになった。 最初は何をしていいのかわからないアランは、水汲みを手伝うことにした。川に水を汲みに行く途中に思わぬ出来事が起こった。魔物と遭遇してしまった。水汲み用の物干し竿と、バケツを使いなんとか追い払うことが出来た。アランは、両親が魔物に殺されたこともあり、強い恨みを持っていた。


その夜 、祖父母に魔物に襲われたことを伝えた。この辺りは、あまりモンスターが出現しない地域だったが、食料を求め出現するようになったらしい。モンスター除けのお守りをもらい、魔物には気を付けるように注意された。


 その夜、ある事件が発生した。祖父母の家は農家だから野菜しかでてこない。アランは野菜が嫌いなのである。食べるか、食べないかで戸惑うアラン。食べずに食卓を離れようとした瞬間、厨房からフライパンがとんできたのである。「母は強し」というが、祖母も十分強かった。祖父はというと、ものすごい威圧を放っている。しぶしぶ野菜を食べた。


 数日後 、育てていた野菜を収穫した。アランは、相変わらず野菜が嫌いだったが一口食べてみると今までにない味を感じた。自分で育てた野菜がここまでおいしいとは思わなかったのである。やはり、苦労すればするほど手に入るものは大きい。アランは自分で育てた野菜がおいしいと知り、農業を真剣に勉強することにした。


 ある日、モンスターが畑を荒らしていた、アランは鍬などを使いモンスターを追い払った。畑を手伝いながら、モンスターと戦う日々が続くことになった。


 そして、数年の月日が流れた。




第2章 門出


 ある日、祖父がモンスターの攻撃により負傷した。祖父母の代わりに隣町へ荷下ろしをしに行くことになった。 道中、魔物と戦っている旅人を発見した。野菜を荷下ろしに行かないといけないので、旅人にかまっている暇はない。しかし、正義感の強いアランは加勢した。旅人は、お礼に荷下ろしを手伝ってくれるようだ。


 しばらく進むと、隣町に着いた。荷下ろしをした。 荷下ろしをしている途中に、旅人は野菜が異常に、新鮮なことに気づく。(数年ほど前を境に、野菜が育ちにくくなっていた。実際、他の人の野菜は育ちが悪いものばかりだった。)


 旅人は魔王を倒し故郷を復興させるため、アレンを世界を回る旅に誘うことにした。アレンは、自分の先ほどの戦闘のことを褒められたのかと思った。親の仇を打つためにも世界を回る旅をしたいが、祖父母が心配だ。祖父母に相談してから決めたかったので、一度断ることにした。旅人は泊まる宿もないらしいので、家に泊めてあげることにした。荷下ろしを終え、二人は、祖父母の家へと帰った。祖父母は、快く旅人を泊めてくれた。


 その夜アレンは、旅人に旅に誘われたことを伝えた。旅に出て、親の敵を討ちたいということを相談した。 祖父母は、悩んだ末「若いうちにいろいろな経験をしてきなさい」と、送り出してくれた。それに加え、「無理をしないように」と、心配もしていた。


 翌日、アレンは旅人に旅に出ることを伝えた。祖父母は、旅の餞別に「農業大全」と「実家で育った野菜」さらに、護身用に剣を持たせてくれた。これから長い冒険が始まる。




第3章 飢饉に苦しむ村


 二人は、近くの秋山村を目指すことにした。秋山村を訪れてみると、大規模な飢饉が起こっていた。畑には何も育っていなく、雑草ばかりだった。痩せこけた村人が歩いていた。アランは、この村をどうにか救いたいと思った。 アランは畑が荒れているのが問題だと思った。二人は畑を整備した。旅人にも農業の心得があるようだった。アランの整備した畑は異様に、キラキラしていた。しかし、問題はそれだけではなかった。


 川が枯れているのである。近くに井戸があったので、井戸水でどうにかしようか試みた。しかし、井戸の水だけでは、どうしても足りない。村人の話によると、あまり雨の降らない地域らしい。


 二人は川の水源に問題があると思った。村人に話を聞くと、水源となる洞窟があるらしい。川をたどり水源となる洞窟へと向かう。洞窟の最深部ではモンスターが水をせき止めていた。モンスターはゼリー状の体で、水源からの水をすべて体の中に吸収していた。このモンスターを討伐しないと、村に水が足らず、滅んでしまう。秋山村を滅亡させるわけにはいかない。二人はこのモンスターを討伐することにした。手ごわい魔物に見えたが、旅人が一瞬で倒してしまった。 モンスターが消滅すると、川をせき止めているものは無くなり、川は潤いを取り戻した。 秋山村に戻ると、村人たちが喜んでいた。


 川は元に戻ったが、秋山村は少雨に対する対策が不十分であった。アレンは、雑草は積極的に駆除するように助言した。


 畑には、新芽が出ていた。 この村の飢饉は次第に収まっていくだろう。




第4章 窪んだ大地とアルケミスト


 次に一行は、サン村を訪れた。普通の村だったのだが、村の中央に不自然に窪んだところがあった。 円形に窪んでおり、まるで大きな木があったような窪み方をしている。さらに、村の地面には炭のようなものがかかっていた。アレンは、村人にどうして窪んでいるのか聞いてみることにした。村人の話によると、錬金術師が村が豊かになるように錬金をしてくれたが、失敗してしまったらしい。


 その錬金術師は追放され、近くの小屋で一人暮らしをしているようだ。二人はそのことを詳しく聞きたかったので、錬金術師のもとを訪れることにした。


 小屋を訪れると、女性が一人でなにか不思議なことをしていた。声をかけてみると彼女は錬金術師で、名前は「グレタ」というらしい。


 二人はどうして錬金に失敗したのかグレタに聞いてみた。グレタ曰く、錬金に失敗したのはスタリア草という✩の形をした薬草を入れ忘れたことらしい。 錬金が成功していれば本来なら、巨大な枯れた大地でも育つ植物が完成するはずだった。しかし、完成したのは巨大な大地を枯らしてしまう植物だった。


 グレタの話では、村では焼き畑により、駆除したようだ。村の景色を思い出すと、灰のようなものが辺り一面に積もっていたことを思い出した。アレンは村を救いたいと思い、グレタの錬金の手伝いをすることにした。 旅人も錬金術を実際に見てみたかったので協力することにした。


 洞窟までの道のりは険しくモンスターが出現する。危険なのでグレタに小屋で待っていてもらおうとした。しかし、グレタは「自分の責任だから」と、ついてくることになった。 3人はスタリア草のあるムーンライ洞窟を目指した。


 道中、グレタは錬金術で二人の戦闘を助けてくれた。険しい道のりとモンスターを乗り越え、一行はようやくムーンライ洞窟にたどり着いた。ムーンライ洞窟の入り口では、王宮騎士団が貴重な自然遺産ということで、入り口を封鎖していた。 モンスターも住み着いており危険とのことだった。どう入れるようにお願いしても洞窟に入れさせてもらえる気配なかった。しかし、グレタのペンダントを見た瞬間騎士団の反応が一変した。急に敬語を使うようになり、洞窟に入れるようにしてもらえた。 


 一行はムーンライ洞窟を進んでいく。 道中モンスターは出ることがなくそこまで危険とは感じなかった。一行は最深部についた。最深部にもモンスターの気配はなく、老婆がいた。


 どうして、洞窟の最深部にいるのか聞いてみたが教えてくれなかった。老婆はグレタのネックレスを見ると、驚いたようだった。 老婆の名前はグレタと名乗った。 一緒にいる、錬金術師の名前もグレタという名前だった。老婆の話によると、実は連れ歩いているグレタは、老婆の作ったクローンということが判明した。グレタは錬金術師ということもあり、あまり驚いた様子もなかった。旅人は驚いていた。世界を旅して錬金術のうわさは聞いていたが、クローンまで作れるとは知らなかったからである。


 老婆の話では、ネックレスは老婆と同じ血統でないと身に付けられないらしい。


 どうして、老婆がクローンを作ったのか話してくれた。老婆も錬金術師で、錬金術を子供に継承したいと考えていた。しかし、老婆にはこどもがいなかった。そこで、自分のコピーの種、将来人間に育つタネを作りこどもの代わりにしようとした。


 老婆は自分の細胞を使い、作成したらしい。 種は、育つと葉は枯れて18歳ほどの姿で出てくるそうだ。 知識に関しては、花粉を飛ばし、人間の営みを学習し、 生活に必要な知識は備えているらしい。


~グレタの回想シーン(過去編) ~



グレタは、目が覚めたら草原だった。近くに何かあるか見渡してみたところ小屋があった。小屋の中を調べると一冊の日記があった。グレタは読もうとしたが、この付近では使われていない文字だった為読むことが出来なかった。


 字は読めなかったが、好奇心旺盛なグレタはイラスト通りに植物を混ぜ合わせてみる(錬金)と、不思議な粉が出来た。 試しにその粉を振りかけてみたところ、小屋の中にクロユリが咲いたのである。この時グレタは、どういう原理かわからなかったが 日記の通りにすると、様々な不思議なことが起こることが分かった。


 グレタは、お金を持っていなかったので、錬金を利用して街で日銭を稼ぐ生活をすることにした。 時には大道芸をし、時には作製できたものを売っていた。グレタの不思議な大道芸は村でも有名になっていった。グレタは一度した錬金を忘れないために、メモすることにしていた。


 ある日、村に日銭を稼ぎに出たときのことだった。村の人に 「最近、果物の育ちが悪く、どうにかしてほしい」と錬金を頼まれた。グレタは、そのような錬金をしたことがなかったので、日記を調べてみることにした。荒野から森ができるイラストの描かれた錬金をしてみることにした。


 しかし、錬金を失敗してしまった。村に大きな損害を与えてしまったことで村から追放される羽目になってしまった。


 グレタは、どうして錬金がうまくいかなかったのかわからなかった。小屋の中を隅々まで調べてみることにした。調べてみると、なんとペンダントが小屋の奥に隠されていた。グレタは、何か意味があると思いペンダントをつけてみた。


 なんと、日記の文字が読めるようになった。全てが読めたわけではないが、日記を読み返すことにした。


 失敗した錬金のページをよく見てみると、作ろうとしていたものの名前はフルムーン草という名前で、スタリア草という✩の形をした薬草が必要と判明いた。今までの錬金も少し間違えていたが、奇跡的に上手くいっていたようだった。


 グレタは優しい女性なので、どうしても錬金を成功させ、村を豊かにしたいと思っていた。



 老婆の話によると、グレタの芽が出る前に国の研究を断ったせいでこの洞窟に幽閉されてしまったらしい。


 老婆はグレタに文字が今読ない部分は、錬金術師として成長すれば読めてくることを教えた。グレタは老婆から日記の補足資料として「錬金の書」と、フルムーン草の素材であるスタリア草をもらった。


老婆は、去り際に 「錬金術を使いすぎないように」 と小さく呟いた。


~錬金術とは~



 錬金術とは大気中のマナという、目に見えないエネルギーを、燃やし 素材となるものを合成する仕組みである。


 細胞と、種を合成しクローン人間を作成することや薬草を炎と合成して花のさく灰等を作成できる。


 他には、 マナを凝縮して爆発させることや大気中の水を利用して雨を降らすこともでき、使い方次第では、遺伝子を組み替えができる。



~錬金を再開~


 一行は老婆に別れを告げ小屋に戻った。グレタは小屋につくや否や 錬金の書と日記をよく見ながら錬金した。 数時間後、グレタはフルムーン草を完成させた。


 フルムーン草とは、植えるとすぐに成長し、周囲の植物を活性化させる薬草だ 。前回失敗したということもあり、グレタは何度も効果の確認を行った。絶対成功することを確認できた。アランと旅人は一生懸命、もう一度グレタにチャンスを上げて欲しい、と村長を説得した。ようやく許可がおり、フルムーン草を村で使った。


 窪んであった中心でフルムーン草を植えた。なんと、あたり一面に果樹園が広がった。サン村は元々果樹園で栄えていた村だった。村の果樹園を復活させたグレタだったが果樹園を一度滅ぼした罪は重く追放というのは変わらなかった。


 アランと旅人は、グレタに別れを告げ次の街に向かおうとした。しかし、グレタはついていきたいと言ってきた。旅人は、旅の安全を保障できないとついてくるのを止めた。しかし、グレタは錬金術を完璧にするという強い覚悟を決めていた。グレタは各地を回るために 主人公たちの旅に無理矢理同行することになった。


~マナとは~


 この世界にある、目に見えないエネルギーであり、すべての栄養の源である。マナが無くなると、植物は育たなくなり、土地は荒れてしまう。


第5章 王宮の王女


 アレンたちは次に王都に向かうことにした。一行は王都にたどり着くと街のいろいろなところに張り紙がしてあることに気づいた。王都では、20年前に王女が失踪してしまったらしい。現在は、大臣が代わりに国を収めているようだ。 張り紙には、王女の顔写真とネックレスが掲載されていた。張り紙をよく見てみると、そのネックレスはなんと、グレタのものとそっくりだった。


アランの城下町を歩いた感想は、活気がなく暗い街だった。土地は痩せこけており、今にも倒れそうな人がたくさんいた。一行は枯れた土地を必死に畑を耕している町民を見つけた。グレタは畑を消毒行をしたがとても全てを消毒するのは畑が広すぎた。アランも何か力になることができれば・・・と畑を耕すのを手伝った。不思議なことに主人公が耕作を少し手伝うと、耕作した範囲の土地が蘇った気がした。


 アランは痩せた土地の改善には大規模な土の入れ替えが必要だと考えた。しかし、大規模な土の入れ替えには、国の許可がいるようだ。


  町民にこの町のことを聞くことが出来た。「大地に苗木を」というスローガンを掲げ、民が飢えに苦しまないように政治を行っている国だった。しかし、ある時を境に、畑がどんどん痩せこけていき、今に至るそうだ。王は王女がいなくなって以来自室に引きこもってしまったために大臣が代わりに政治を行っているらしい。


 城下町を救うためには、大臣に相談する必要があるようだ。グレタのネックレスのことも気になっていたので、一行は王宮に向かうことにした。


 城周辺は一変し、緑がおいしげっていた。城に入ろうとすると、アラン達は移民と間違われ連行されてしまった。誤解を解くために、アランは旅をしており城に立ち寄った理由は、畑を復活させるために入れ替えてもいいかということと、グレタのつけているネックレスが王女のネックレスなのかということを大臣に聞くためだと説明した。大臣の誤解を解くことが出来た。


 畑の土の入れ替えの許可は、出してもらえなかった。グレタのネックレスを調べてみると本物だった。大臣は、王女の話を教えてくれた。王女は錬金術の才能があったが 悪用しようとするものから逃れるように国を去ったという話だ。王女の名前は、グレタという名前だった。


 大臣はネックレスが王族の血統しか身につけられないのを知っていた。グレタに即王位につくようにせがんできた。大臣は、アランに向かって「あなたも、この方が王女だと思いますよね?」という質問を投げかけてきた。大臣は、グレタが王女になると畑の土を入れ替える許可を出すという条件を出してきた。城下町を救いたいアランは断ることができなかった。


 アランは、すぐに土の入れ替えの許可を求めたが、本物の王女である証明する必要があるようだ。そのため、試練の洞窟に挑むことになってしまった。試練の洞窟を突破して、試練の証を取ってくればいいそうだ。


 アランは、グレタが怒っているのかと思っていた。しかし、グレタは怒っていなかった。理由を聞いてみると 「自分がアランの立場だったら同じことをしていたから」ということだった。旅人は、王都が何かおかしなことをしていると疑っていた。


 試練の洞窟は、王都から東にある。一行は試練の洞窟へと向かった。試練の洞窟にたどり着いたが、入り口があかない。


 入るには合言葉が必要だった。合言葉は、街のスローガンである「大地に苗木を」という言葉だった。洞窟には4つの試練があるようだ。


 1つ目の試練は王女の名前を答えるというものだった。アラン達は、王女の名前は「グレタ」と答えた。1つ目の門が開き次の試練へと向かう。


 2つ目の試練は畑を耕し、花を咲かせるというものだった。国民のことを第一に考える王国ということもあり、「王たるもの民の苦労を知らないといけない」 という意図だった。アランと旅人は瞬く間に畑を耕し花の種を植えた。しかし、花の芽がでるのは数日かかってしまう。一刻も早く試練をクリアしたい一行だった。グレタが錬金をし、すぐに花が育つ薬を作ってくれた。それを振りかけたところすぐに花が咲いた。2つ目の門が開き、3つ目の試練へと向かう。


 3つ目の試練は王都の繁栄に一番協力した庭師の名前を答えるというものだった。アランとグレタは知らなかったが、旅人が答えた。その名は「アランの祖父母の名前だった」アランは、祖父母がそのように偉大な人とは知らなかった。また祖父母がどうして、王都に残らなかったのかも疑問に思った。3つ目の門が開き、4つ目の試練へと向かう。


 4つ目の試練へ向かおうとした瞬間。暗殺者が襲い掛かかってきた。暗殺者は真っ先にグレタに襲い掛かってきた。慌てて旅人が体で斬撃を受け止める。一瞬のスキをついて、アランが剣を突き刺した。死体を確認すると、王国騎士団の一員であることが分かった。王都を信用していいのだろうか。3人は、顔を見合わせた。しかし、国民を救うためには信用するしかなかった。


 4つ目の試練は、国が一番優先すべきことを問われた。グレタは、民の幸せと答えた。扉が開かれ、その先には宝箱があった。宝箱の中身を調べたがからっぽだった。


アランは、その横にあった骨を調べると、 


試練の守護者 ここに眠る


証 護れず 無念なり


と、血で書いたメッセージがあった


 一行は、老婆が実は王女だったのか、証がどんなものだったのか確かめるために 老婆のもとを再び訪れた。


 老婆の話によると、老婆が昔王女だったというのは本当のことだった。錬金術を悪用していた者の話を聞くと、それは大臣のことだった。試練の証のことを聞いたところ、試練の証には王都の秘密が書かれているという。しかし、老婆も実際に見たことはなく、どんなものが書かれているかはわからないらしい。


 王都の昔話も聞くことが出来た。王都は善政と名高く移民の受け入れも行っていた。現在では悪政を強いており、移民の受け入れどころか貴族階級以上の私利私欲をこやすことにつくしている。王政を変える自信があるなら王女になってほしいと老婆にお願いをされた。


 大臣にくれぐれも注意するように、と助言をされた。王国に戻るなら、と老婆は不思議な粉を渡してきた。


 一行は試練を突破したことを大臣に伝えるために、王都に戻った。大臣に試練の洞窟のことを伝えると、王女の偽物を語った国家転覆罪で牢屋に入れられてしまった。


第6章 脱獄 そして、蘇る王国


 一行は牢獄の中に入れられてしまった。翌日、大臣が国王から王位を譲り受ける催しでアランたちの処刑が行われるようだ。牢屋の中には元兵士や名使い達が収容され中には王宮直属の錬金術師たちもいた。アラン達は、どうにか牢屋から出ようとした。しかし、武器も没収されており、旅人の自慢の力もグレタをかばってできた傷のせいで力を出すことが出来ない。アランは老婆からもらった不思議な粉を思い出した。袋の中には粉と一緒にメモが入っていた。この粉を一度使うと体が小さくなりもう一度使うと大きくなるというものだった。にわかには信じられなかったが、頼るものがこれしかないので使ってみることにした。使用してみたら本当に体が小さくなった。門番が寝ているすきに、牢屋を抜け出すことが出来た。武器を回収した一行は、大臣のもとへ向かうことにした。


 大臣の私室で一行は大臣の日記を見つけた。日記には恐るべきことが書かれていた。それは王国クローン計画というものだった。


 王国クローン計画とは、クローン錬金を昇華させ、記憶を引き継げるようにし、永遠に国を支配するという計画だった。


 この発端は、とある日にとある小屋で大臣はクローン錬金技術を知ったことだった。クローン錬金を利用しようとした大臣は、城の錬金術師達に頼んだが城の錬金術師には手が負えなかった。大臣は悪魔と呼ばれるモンスターと契約をすることにしたようだ。


 契約内容は、王国内の全ての源であるマナを城に集めそれを悪魔に渡すことに加え、他の町や村との交流を無くすという契約だった。マナを搾取するために国の中心である王宮にマナが集まる仕組みになっていた。だから国の周りの土地は痩せているらしい。


 アランは、クローンが命令で動かされるだけの道具にされていることが許せなかった。グレタも、自分と同じクローンが意思を持てないことが許せなかった。


 日記を読んでいると、大臣に見つかってしまった。大臣はどうしてもこのことを秘密にするため魔物を召喚し、引き連れていたクローン兵士とともにアラン達を襲わせた。その後、大臣は逃げようとするが悪魔からこの国から奪えるマナはもうほとんどないことを知らされ悪魔により大臣は焼死した。


 悪魔はクローン兵士を連れて去っていった。旅人は悪魔に見覚えがあった。故郷を滅ぼした魔王直属の悪魔にそっくりだった。怪我が治りきっていない旅人は、追いかけることが出来なかった。


 一行はさらに、国のことを知るため王の寝室を訪れた。しかし、そこには誰もいなかった。


 アランが机を調べると机の中に試練の証が入っていた。部屋を隅々まで探すと


一通の手紙が入っていた。


 手紙の内容は、


・魔王城の場所について


・もう自分が長くないこと


・できることならば魔王を倒し、世界を平和にしてほしいこと


・錬金術には多くのマナを使用し、成り立っていること


最後に、この手紙を読んでいる人に国を託したいこと


が、書いてあった。


 その後、一行は牢屋の人々をすべて解放した。王都を治めるものが誰もいなくなってしまった。誰かが治めないといけない。グレタは王族の遺伝子を引き継いでいるだけで国を治めていいのかものすごく迷った。しかし、国民を導ける人は他にいない。グレタは、王女になることにした。翌日の即位式にグレタが出席した。グレタは王位を継承した。


 その後一行は老婆のもとへ向かった。グレタは、老婆に王宮に重役として勤めてほしいと頼み込んだ。老婆は、快く承諾してくれた。


 グレタが王女になったことにより大規模な土の入れ替えが可能になった。アランは早速大規模な土地の入れ替えの準備を進めた。アランは、枯れた畑は通常の肥料を巻くだけでは土は回復しないことを知っていたからだ。準備が整うまでは「ぼかし」という特殊な肥料を使うことにした。畑の状態が少し回復した。


 王都はこれから昔の輝きを戻していくだろう。グレタは王都を治めるため、旅が続けられなくなった。


第7章 旅人の故郷へ


 王様の手紙には魔王場への手がかりが書いてあった。手紙によると王国からはるか南のかなたに島があるそうだ。その島に魔王城がある。旅人は心当たりがあった。その島は旅人の故郷で旅人がまだ小さいころ魔王によって滅ぼされたらしい。しかし、旅人はその当時のことをあまり覚えていなかった。その当時のことを聞くために旅人の育ての親のもとへ向かうことにした。目的地は王国から西にあるドミソの街だ。ドミソの町についた。


 旅人の話では、ドミソの町は港町で漁業で賑わっている港町とのことだ。アランは、ここは潮風が吹いていて野菜の育ちが悪い地域と思った。畑はあるにはあったが、枯れた作物でいっぱいだった。


 町民に野菜はどうしているのかと聞いてみたところ、野菜は王都から行商で買っていたのだが、2年ほど前を境に行商人が来なくなったらしい。今では、遠くの街に直接買いにいかないといけないようだ。野菜の栽培に何度も挑戦したが、技術もなければ条件も悪いので上手くいってないらしい。アランは、どうにかしてあげたいと思った。旅人はここまで、深刻になっているとは思っていなかった。


 二人は旅人の育ての親であるトンソのもとを訪れた。アランは、旅人との出会いのことを聞いてみた。トンソは、出会った当初のことをはっきり覚えていた。その日は空が暗闇に覆われ遥かかなたの島が炎上していた。その時、一隻のぼろぼろの船が幼少だった旅人をこの街につれてきたらしい。中には手紙があり、この子をだいじに育ててとあったそう。


 旅人は、トンソに船を借りられるか聞いた。しかし、トンソは漁師を引退しており船も知り合いに譲ってしまったそうだ。トンソが船を譲ったのはカゴソという漁師で、船を何隻も持っているらしい。二人はトンソの知り合いの、カゴソの家を訪ねたカゴソは町では1番の船乗りで、トンソから譲り受けた船を使って漁に出ていた。2人が船を貸してほしいと、頼んだところ2つの条件が出された。


 1つ目は、この街でも野菜が取れるようにすること。2つ目は、野菜が切れているので野菜を仕入れてきて欲しいとのことだ。お金での交渉も可能だったが、とても払える金額ではなかった。一行は、渋々条件を飲むことにした。カゴソは最近シケが酷いので、船を貸したくないようだった。


 アランは、一つ目の条件をクリアするために、ここで野菜が育たない原因は、塩害にあると思った。主人公は今までどのような栽培をしてきたか思い出すことにした。アランは、「農業大全」も参考にしながら試行錯誤した。まずは、柵を立てて海風が入りにくくした。次に、育アイスプラントという塩害に強い野菜をここで育てることにした。アイスプラントは塩分を吸収する野菜である。イメージとしては、海からの風を遮断するために柵で囲い、次にアイスプラントで囲い、いちごやきゅうりなどの塩害に弱い野菜を避けて栽培することにした。


 今までは、日当たりを考えた結果、柵をしてこなかったようだ。アランは、旅人に柵を作るために周りの木を切るように頼んだ。


 アイスプラントは、野菜と一緒に仕入れることにした。柵を立て終えると、一行は荷馬車を借り南の街へ野菜を仕入れに行った。その間に、ドミソの人々に柵を立ててもらえるように頼んだ。南の町は遠いので、着くまで時間がある。二人は目的を再確認した。アランの目的は、親の仇を打つこと。旅人は、魔王を倒して、故郷の村を復活させること。旅人は、アランをどうして旅に誘ったのか改めて語った。旅人は故郷が荒廃していることは、育ての親から聞いており、知っていた。世界を旅していたのは、魔王を倒して故郷を復興するためだった。しなびた野菜ばかりのご時世に新鮮な野菜を作っていた主人公には特別な力を感じたから誘ったのだった。王都でアランの手入れをした畑だけ活性化していたのを見たことで確信に変わった。農業の知識も頼りにしていた。今回の塩害の打開策についての知識は、第二の故郷であるドミソの町が救われるのでとても感謝をしている。


 数日後、南の町についた。南の町では野菜を仕入れ、アイスプラントと比較的塩に強い植物の苗木を購入し港町に戻ることにした。 港町に戻ると、柵ができていた。さすが港町は屈強な人が多いとアランは感心していた。屈強な漁師たちの誠意が伝わってきた。早速仕入れた野菜をカゴソに渡した。これで一つ目の条件を達成できた。


 二人は、アイスプラントを植え始めた。明らかに、アランが植えたところだけアイスプラントや、苗木が活性化していた。やはりアランには不思議な力があるようだ。アイスプラントを植え終えると、さまざまな野菜の苗木を植えた。できるだけ早く収穫できるようにするため、二人はグレタの錬金術を頼ることにした。


 王都を訪ねると、かなり騒動から落ち着いたようだった。土も入れ替わり城下町は活気にあふれていた。二人は、謁見の間を訪れた。二人は、これまでの経緯を話し、グレタの錬金術を頼ることになった話をした。国政は老婆に任せても十分なくらい安定してきたが、老婆がグレタを引き留めた。しかし、グレタは人助けがしたい、と言って半分無理矢理ついてきてくれることになった。渋々老婆が国を代理で納めることになった。


 一行は、王国を後にし、港町へと戻った。港町に戻ると、グレタは早速錬金術を使い、成長促進薬を作った。 アランは成長促進剤を使ってみた。すると、みるみるうちに育ち、果実が実るところまで成長した。アランと旅人は確実にグレタの連勤技術が上がっていることを実感した。カゴソに条件をクリアしたことを伝えると船を貸してもらえた。


 アランと旅人はグレタに錬金術の感謝を伝えた。グレタにこれからどうするのか聞かれたよこと、アランと旅人は魔王を倒すと伝えた。魔王を倒すことを聞いたグレタは王様の手紙を思い出した。グレタは王都に「老婆を最高責任者にする」という伝令を送り、ついてくることになった。


 旅人の故郷の島までの海路は魔物が常に封鎖している、シケまで引き起こしているらしい。カゴソは、困難を極める海路を進むためにカゴソの甥であるオイソを連れて行かせた。一行はカゴソに感謝をし、旅人の故郷の村へと出発していった。大しけで荒れ狂う波に飲まれながらも島を目指す。しばらくすると荒れ狂う波を抜けた。一瞬穏やかになり一安心したかと思いきや、突然モンスターが襲いかかってきた。どうやらこのモンスターがシケの元凶だった。船には大砲がついているので、大砲で迎撃することにした。オイソは荒れ狂う波の中、船を操縦した。長い戦いの末、モンスターを倒すことが出来た。その後、シケが解消した。


 一行はようやく、旅人の故郷の島につくことが出来た。


第8章 魔王の城へ


 一行は島にたどり着くと、衝撃を受けた。島の土地全体がかつての王都と同じように、痩せこけた土地が広がっていた。カゴソに船で待ってもらうように頼んだ。しかし、カゴソは港町をシケで困らせていた親玉が魔王だとわかったので討伐についてくることにした。島の中心に城が立っているのをみつけた。どうやら、魔王城のようだ。旅人の強い希望により旅人の村跡を訪れることにした。村だった場所につくと、家屋は一つ残らず壊されていた。旅人は落胆していた。アランは、村にうっすらと見覚えがあったがどうしてかわからなかった。


 一行は、村に何か残っていないか調べてみることにした。村で一番大きな家の跡地を調べていると地下に続く階段を見つけた。階段を下りてみると、地下室は意外にも広く、人が生活できそうな空間があった。アランは、奥に小さな畑と寝具をみつけた。誰か、ここに住み込んでいるようだ。奥には1人の老人がいたので話しかけてみた。


 老人の話によると、この島はマナの濃度が高く、畑、田んぼ、果樹園の育成に適した村だった。マナを利用する錬金術師もたくさんいたそうだ。旅人は、親について老人に聞いた。旅人の両親は、村一番の責任感の持ち主で村民からの信頼も厚かったようだ。老人は、よくお世話になっていたそうだ。墓が村の南にあるので、墓参りをしてあげてほしいと、お願いされた。旅人は、両親がもういないことを知り泣き崩れていた。


 どうして、村は滅ぼされてしまったのか聞いてみた。ある日突然、マナを独占しようとする魔王によって滅ぼされてしまった。村の錬金術師は、研究のため連れ去られてしまったようだ。この土地を復活させるには、魔王城に吸収されているマナを放出する必要があるらしい。ここは島なので、土を入れ替えることもできない。小さな畑をみると、マナが足りていないせいでしなびた野菜しか育っていなかった。旅人達は、この地で再び住めるようにするには、魔王を倒すことが必要だと認識した。


 一行は、旅人の両親の墓参りをした。一輪の花がくべてあったので老人がくべたのだろう。旅人は、今までの旅の報告を墓に向かってしていた。アランは、どうしても魔王を倒さないといけないと思った。


 その後、一行は魔王城に向かった。魔王城は、湖の中心に立っていた。船がないとたどり着けそうにない。どうするか迷っていたが、オイソが小舟を作ってくれるそうだ。流石漁師ということもあり、一瞬で小舟を作ってしまった。


 船に乗り魔王城へ向かう。不思議なことに湖に普通の魚の姿はなかった。しかし、モンスターへと突然変異した変異種が泳いでいた。どうにか、元の姿に戻せないかと考えたアランは、変異種を一匹捕まえて観察してみた。王都で土地を消毒したみたいにグレタに消毒をしてもらうことにした。魚を消毒してみると、なんと元の魚の姿へと戻った。魔王城へと上陸しようとした瞬間、モンスターが現れた。モンスターは体から毒素のようなものを放出していた。このモンスターは湖の主で魚の突然変異の原因らしい。モンスターを倒して湖全体を消毒する必要があるようだ。オイソの操縦により、モンスターの攻撃を避けながらグレタが錬金で攻撃した。物理攻撃は届かないので、アランと旅人も必死に操縦を手伝った。苦闘の末、モンスターを討伐した。モンスターを討伐した後に、湖の毒素が薄まった。グレタは毒素を無くすために、錬金で湖全体を消毒した。ここは、マナが集められている場所なので、大規模な錬金もここではできるようだ。


 その後、魔王城に着いた。魔王城を探索していると地下にたどり着いた。地下では人々が収容され働かされていた。王都から連れ去られたクローン人間も一緒に働いていた。地下では不思議な兵器を作っていた。その場を仕切っていたのは王都で取り逃がした悪魔だった。人々を開放するために一行は悪魔に戦いを挑んだ。旅人は両親のことを悪魔に聞いたところと、最後まで抵抗してきたが直接葬ったという。旅人は激情し飛び掛かった。悪魔とクローン兵士達との戦いが始まった。アランとグレタはクローン兵士を傷つけたくなかった。死なない程度に攻撃し、オイソが縄で大きな柱に縛りつけた。旅人は悪魔と因縁の対決をし、苦戦しながらも悪魔の心臓に剣を突き刺した。


 クローン兵士の洗脳を解こうとしたが、魔王を倒さないといけないようだ。


 悪魔を倒し、地下に収容されていた人々を解放した。一人の男がアランに「君はもしかしてトーマスの息子かい?」と、話しかけてきた。アランの両親がどのような人だったか教えてくれた。主人公の家系は代々村長の家系で、土壌のマナをあやつり、農業に支障が出ないようにマナを循環させる力を持った家系だった。アランが整備した土地で、活性化が行われていたのは無意識にマナを操っていたということがわかった。


 魔王は、マナを集めるのにアランの家系はとても邪魔だった。マナを集めるのに支障が出ないように使い魔を送り、アランの両親を始末したのだった。アランがずっと探していた、仇の魔物が魔王であったことが判明した。アランは両親の仇のため、旅人は故郷のため、グレタは王都とクローン兵士のため、カゴソは港町を二度と困らせないために魔王のもとへ向かう。


 男は、魔王の部屋への道を教えてくれた。一行は魔王の部屋へとたどり着く。魔王の部屋はマナが充満していた。魔王は、大量のマナを使用して大陸を焼き尽くす兵器を錬金で完成させていた。地下で作られていた不思議な兵器の正体が判明した。アランは親の仇のため、村を復活させるために魔王と戦う。魔王は、高度な錬金術を使い攻撃してきたがグレタが錬金術ですべてを打ち消した。その後、旅人とカゴソが魔王を取り押さえた。最後にアランが剣で魔王にとどめを刺した。魔王は消滅した。悪魔や魔物たちは散り散りになって逃げていった。魔王城に集められていた、マナが拡散されていった。


エピローグ


 アランと旅人は村の復興にあたることになった。 主人公は、マナの循環を整え旅人と共に腐葉土をばら撒き、畑を蘇らせた。グレタは、クローン兵士を普通の人間として、生きられるようにし、島を一通り消毒した。その後、王国に戻った。オイソは、島に住み着くことにした。オイソは港を作り村人に漁業を教えてくれるらしい。アランは、祖父母を村に招き入れることにした。祖父母は、村長を父に譲った後に隠居していたらしい。 主人公は、村長になり村を繁栄させた。

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アグリカルチャーストーリー トリュウ @toryukun

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