結局は

 素面で夜を過ごしているとどうにも身を持て余す。

 切らした酒を買い忘れてこのざま。しくじった。間が抜けている。


 酒が入っていないと空気が鈍化しているように思える。実際は酩酊している時の方が遥かに鈍くなっているのだが、なんというのだろうか、時間の流れがヌルヌルと揺蕩っているような感覚になるのだ。経過の肌感が実に遅い。昔はこんな風が当たり前だったのか。無限とも思える余暇の中ゲームなんぞに没頭していたのだが、今思えば無駄にしたなと思う。せめて本でも読んでいれば、雑学レベルの教養くらいは身についたろうに。


 しかし、酒がないと暇も潰せない今よりは、はるかにマシかもしれない。おおよそ趣味といえるようなものがない俺は、果たして何のために生きているのか……



 いかんな。やはり酒だ。酔わなければやってられん。コンビニへ行こう。堪えられん。

 まったく、いつからこんな風になってしまったのか。ゲームのように、リセットボタンを押してやり直せれば……いや、俺はきっと同じ道を歩むな。何せ、今から酒を買いに行くような馬鹿者なのだから。

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