酩酊
肴を考えるのも面倒な日があり今日がたまたまそれだった。
病欠者の穴埋めやしくじりの誤魔化しにてんやわんやで休憩もなく飯も食えずの働きぶりで、ようやく解放されたのがつい一時間前。一日中開いているスーパーに立ち寄り酒をカゴに入れるも食欲がなく途方に暮れ、結局即席麺とレバニラ炒めなどという彩りに乏しい献立と相成ったわけである。
スーパーで買ったウォッカをショットグラスに入れてダラダラと呑み空腹を待つも中々に胃が食を求めず難儀な夜を過ごす。時間は既に日を跨いでおり、そろそろ床に就かねば明日の業務に支障を来す頃合い。しかし、腹は減らないし眠気もこない。二杯、四杯、八杯とウォッカを空けていき、ついには瓶が転がった。
酔っているのは確かであったが、妙に意識がはっきりしていて坐りが悪い。何か違和感があるような気がして緊張が取れないのだ。
俺は冷凍庫からウィスキーを取り出し、緊張を解こうと一気に流し込んだ。冷気の後、喉がジンジンと痛む。
足りない足りないと煽っていくといつの間にか朝で、卓には手をつけていないレバニラと、いつの間にか食べていた即席麺の残骸が残っているのが確認できた。
違和感は頭痛に変わっていた。二日酔いだ。あぁやってしまったと、俺は嘆きながらに出勤の準備に取り掛かるのだった。
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