徒労
するつもりのなかった残業などをして帰宅。食事はビールと乾き物と簡単なできあい品。濃い味付けとアルコールが漏れなく血糖値を上げていくだろうが、心不全で死んだところで不動産屋に迷惑をかけるだけだ。普段阿漕な商売をしているんだから、それくらいの後始末はしてほしい。
後始末といえば残業の理由である。一際作業の遅い人間の尻拭いで無駄な二時間を過ごしたわけであるが、その時間があればどれだけ俺の自由が得られたか、スケジュールの切迫により失われる時間がどれ程となるか、その人間は勿論、上司すら知るところではないだろう。
とはいえそれも仕事の内と考えればまだ承服もできる。気に入らないのは相手の態度だ。奴め、自分の失態を謝らぬどころか、こちらの助力が当たり前かのように、不遜に「できないので」などとのたまったのだ。何が「できないので」だ。せめて「手伝ってもらえませんか」くらい言えんのか。あぁ、思い出すと腹が立つ。さっさとくたばらないだろうか。そしたら奴の棺桶に糞を放れて多少の鬱憤は晴れるというのに。
まったく酒が進む。よくない方に。
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