第4話 ファースト・ビター
「ママはブラックだったよね」
オープンカフェで娘が運んできたトレイには
同じ二つのペーパーカップが乗っていた。
いつもの生クリームたっぷりのラテはもう飽きたのか。
どれどれこれが大人の味ですかと一口すする娘。
「にっが~。やっぱブラック無理~」
慌ててシュガーとフレッシュの封を切る。
「どうしてこんな苦いもの好きなんだろ」
そっか、そういうことね。
そういえば、あの人もブラック大好きだったな。
でもラテからいきなりはちょっと苦すぎるから
少しずつコーヒーに慣れていけばいいんじゃない。
私がそうだったように。
「ねえ、ママ」
娘の頬に少しだけ紅が差した。
「パパには内緒だよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます