7:RE-DYE THE COLOR
——―目が覚める。というよりも、意識を取り戻す。
固いマットから、身を起こした。
寝ていたわけではない。この、生きているか死んでいるか分からない身体に成り果ててからは、睡眠というものをしなくなった。目を閉じて身を横たえても、意識を別の次元に飛ばしているような、起きながら夢を見ているかのような、そんな状態に陥るだけだ。
辺りを見渡す。日の光がほとんど差さない薄暗い部屋。
その真ん中に向かい合わせで置いた、二つの椅子。
片方には、林田さんが座っている。
「……ヴう」
自分が起きたのに気が付いたのか、林田さんが顔を上げた。
白い目で見つめてくる。肌は生白く変色している。が、それ以外は変わらない。生きていた頃と同じ、綺麗で凛とした林田さんのままだ。
「ヴうう……」
林田さんが、もぞもぞと身を捩る。
動けはしない。手足を縛りつけてあるから。
可哀そうだが、仕方がない。ここに閉じ込めておかなければ、腐りきって酷い有様に成り果ててしまう。
傍に行くと、虫がたかっていないか念入りにチェックした。奴らに、食われるわけにはいかない。自分の、大切な人を。
さて、続きを――いや、その前に、飢えを満たすとするか。
廊下でうろついていた奴を見つけた。首をへし折ると、いつものように腕をもぎ取って噛り付く。
……明らかに不味い。前よりも。
ほとんど口にせずに、食べ残しの死体を窓から捨てた。下を見ると、これまでに殺してきた奴らの死体が中庭の植え込みにまんべんなく、所々折り重なって、突き刺さっていた。陽の光でグズグズに腐った死体には、大量のハエがたかっている。
どうやら、ゾンビになって時間が経つと、肉の質が落ちるらしい。もう慣れたと思っていたが、さすがに限界だ。これ以上、味が落ちるのなら、何か手を打たなければ。
……ああ、そうだ。
林田さんと同じように、腐らせなければいいじゃないか。日の光が当たらない場所に閉じ込めておいて。
「ヴあっ、ヴがあっ」
「黙れ」
顔を殴りつけてやると、担任だった諏訪ゾンビは大人しくなった。そのまま、ずるずると引きずって行き、第二食料庫に放り込んで、閉じ込めてやる。
こんなものか……。
ステージに腰掛けて一息ついた。
これで、食糧問題は解決だろう。第一食料庫には生徒のゾンビ共。第二食料庫には、教師のゾンビ共を閉じ込めてやった。どちらも寝床から近い上、陽の光がまったく差さない暗所なので、夜の間じっとしているのと同じように、奴らは動かないだろう。内部の気温も外よりは低いので、その辺をうろついているよりは肉が腐らず、保存が効くはずだ。
しかし……。
これで、学校に残っている連中はほとんどいなくなってしまった。他の奴らは、あの体育館での出来事の後、出て行ってしまったのだろう。
家にでも帰ったのだろうか。帰巣本能というやつで。
自分は、帰ろうとは思わない。帰ったところで、どうなる?自分は変わり果てているし、どうせ家族も変わり果てているだろう。
それに、ここにいた方が、気分がいい。
自分は、ここの――砂井田第二中の完全なる支配者になったのだから。
もう誰も、自分のことを脅かせない。
誰も、自分の地位を揺るがす者はいない。
自分が、ピラミッドの頂点だ。
ここが、自分の城だ。
自分が、ここの王だ。
立ち上がると、さっき第一食糧庫で偶然見つけたものを、翻すように羽織った。もうひとつの、トレードマークともいえるものも、身に着ける。
「……ふふっ、くくっ」
まさか、こんなにもおあつらえ向きのものがあったとは。
これで、自分は完全に、ヒーローとなった。
そう、無敵の能力を持つヒーロー。
自分は、ここの王であり、同時に英雄でもあるのだ。
即ち、選ばれし者。
特殊な能力を授けられた者。
この崩壊した世界で生きる資格を与えられた者。
……いや、正確には、もう死んでいるか。
正に、その名の――アンデッドマンという名の通りに。
「くくっ……あははははははははははっ!」
寝床へ戻ると、コスチュームを脱いで、全身に施している防腐措置を新しいものに取り換えた。かなり効果があったのか、今のところ皮膚は腐り始めていない。相変わらず、血の気が感じられない生白さをしているが。
さて……。
コスチュームを着直して椅子に座ると、作業に戻った。
もう何度も挑戦し、その度に失敗しているが、いつかきっと完成させてみせる。
その為には―――、
「……林田さん?」
目の前に座っている林田さんが、ピクリとも動かない。
死んだような目で、僕を見つめたまま。
いや、正確に言うと、もう死んでいるけれど、でも、
「林田さん」
呼び掛けたが、林田さんは答えなかった。いつもは、「ヴう」とか「ヴあ」とか呻くのに。
「林田さん」
また呼びかけるが、やはり答えない。
「林田さん」
僕を、白い目で見つめたまま、
「林田さん」
やめてよ。
「林田さん」
そんな、そんな目で、
「林田さん」
僕を、
「林田さんっ……」
そんな目で、僕を見ないでよ。
「……」
いやだ、やめて、やめて、やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて―――、
——―パキンッ……
手を離すと、林田さんはガクンと俯いた。捻じれた白い首が、さらりと零れ落ちた長い黒髪の隙間から覗いた。
「ああ……!」
薄暗闇の中、頭を抱えてガリガリと掻き毟った。
とうとう、林田さんを……。
分かっていた。覚悟はしていた。いつかは、こうなるだろうと。
いくら腐らせまいとしても、林田さんはゾンビなのだから。二度と、元通りになることはないのだから。
自分だけが、意識を、自我を保って、向き合ってきた。ゾンビになった、林田さんと。
耐えられなかった。一緒に過ごせば過ごすほど、時間が経てば経つほど、耐えられなくなっていった。
まだゾンビになる前の――あの頃のことを思えば思うほど、自分は……。
「ううっ……」
顔を上げた。
もう、思い出の中にしか、林田さんはいない。自分にとっての、林田さんは。
……思い出、か。
目を閉じて、あの日の光景を思い浮かべた。自分にとって、一番の思い出を。
それを、再現できたなら、それを、完成させることができたなら……。
意識が、白く霞んでいった。
あの、眠っているのか眠っていないのか分からない感覚へと落ちていく。
……夢を、見よう。
まるで、別の世界にいるかのような、夢を―――——。
◇ ◇ ◇
「ん……」
明るい、朝だ。
なんだろう。嫌な夢を見ていた気がする。内容はさっぱり思い出せないが、いつか見た悪夢とそっくりだったような気もする。
そんなことはいい、ちゃんと起きなきゃ、今何時だろう、学校に行かなきゃ……。
「あっ」
慌てて身体を起こす。そうだ、ここは、サキナさんの部屋だ。久しぶりに硬い床の上で寝たから、自分の家だと勘違いしてしまった。
あれ?何をしていたんだっけ。昨日の夜、ずっとウォークマンでロックを聴いていて、それから……。
目を擦ると、身体にはタオルケットのようにヒョウ柄のカバーが掛けられていた。テーブルの上には、ウォークマンが置かれている。
そうだ。あれから、いつの間にか寝てしまったんだ。この寝支度は、サキナさんがしてくれたんだろうか。
サキナさんは……あれ?
部屋を見渡したが、どこにもサキナさんの姿が無かった。静かで、まだ早朝なのか、セミの声すら聴こえない。
急に怖くなり、立ち上がった。うろうろと、部屋の中で狼狽える。
どこにいってしまったんだろう。外だろうか。まさか、一人で?僕を置いて?
……夢だったのか?
なぜか、そんなことを思った。
僕は、今まで、夢を見ていたのか?僕だけが現実で、サキナさんも、リコさんたちも、崩壊したYOUトピアも、すべて幻だったのか?
そんな、そんなことあるわけがっ……!
慌てて扉を開け、廊下に出た瞬間、玄関の扉がガチャリと開き、中に光が差し込んだ。
「おっ、起きたか」
そこには、サキナさんがいた。スクーターに括り付けていたはずのセカンドバッグを手に、中へと入ってくる。新しく着替えたのか、白いタンクトップに、赤いジャージという出で立ちだった。まるで、その辺で買い物をして、帰ってきたかのようだ。
「……はあぁ」
急に安心したせいか、力の抜けた声が口から漏れ出た。
「どうした?」
「い、いえ、何でもないです。それより、サキナさん、どこに……」
「ああ、腹減ったから、飯取りに行ってたんだ。あかるも食うだろ?」
「は、はいっ」
出迎えながら、僕はまた安堵していた。
サキナさんが、サキナさんに戻っている―――。
「あ、あの……」
「あ?」
「これって、朝ご飯ですよね?」
小さなテーブルの上に所狭しと並べられた食べ物を前に、質問した。中央には、鍋でグツグツ煮立ったインスタントラーメン。その周りに、パンの缶詰、スパムの缶詰、ツナ缶、フルーツ缶が並び、横には拾ってきたビーフジャーキーやスナックなんかのお菓子が敷き詰められている。とても、朝から食べるようなメニューじゃない。
「別にいいだろ。何も食ってなかったから腹減ってんだ。これくらい食わせろ」
そう言うや否や、サキナさんは割り箸をパキンと割ってがっつき始めた。凄い勢いで食べ物が減っていく。それを見ていると、グウウと腹が鳴った。
そうだ。僕だって、何も食べていないのだ。
缶詰からパンを取り出すと、二つに割ってツナ缶をぶちまけた。そのままかぶりつくと、しばらく空っぽだった胃袋が嬉しそうに唸った。
一口食べると、途端に勢いがついた。朝食にしては濃いメニューだったが、そんなことはどうでもよくなった。空いたパンの缶詰に、ラーメンをよそって啜りこむ。
「あっ!あんまり取るんじゃねえよ!俺の方が何も食ってねえんだぞ!」
「そ、そんなこと言ったって……あ!ちょっと、僕のパン!」
「うるせえ!早い者勝ちだ!」
奪われたパンの代わりに、スパムを奪って口いっぱいに頬張った。
「あ!コラ!」
「ふぁ、はやいものがふぃばっふぇ……」
二人で、賑やかに食べ物をがっついた。たくさんの食べ物を噛み締め、呑み込む度に感じた。
これは、夢なんかじゃない。
僕たちは今、確かに、ここに、現実に、生きている。
「う、うぇっぷ……」
「ほら、一気に食べ過ぎですよ……うぷっ」
喉の奥から込み上げてきたものを必死に抑えた。二人揃って、廊下で口を押さえる。腐臭が漂っているせいで、余計に質が悪い。
「あかる、ライター貸せ」
「は、はい。……でも、サキナさん。本当にいいんですか?」
リュックのポケットから、ライターを取り出し、差し出した。セカンドバッグの持ち手を両肩に通して背負うサキナさんは、釘バットを片手に受け取った。
「……ああ。もう、ここに残していく物はねえ」
サキナさんはそれだけ言うと、ポケットから何かを取り出した。それは、あの写真立てに入っていた家族写真だった。
まさか、と思っていると、サキナさんは釘バットを傍に立てかけて、写真に丁寧に折り目を付けた。サキナさんと手を繋ぐ父親が、裏側に折り込まれる。それを何度か繰り返すと、写真の上端を両手で掴んだ。
破くつもりなんだろうと見ていたが――サキナさんは、ふと手を止め、写真をじっと見つめた。写真の中では、幸せそうに笑う三人家族が、折り目によって分断されている。
そのまま、しばらく写真とにらめっこをしていたが、やがてサキナさんは写真を折り込んで、大事そうに財布にしまった。代わりに、廊下に積まれていたダンボール箱の上側を破り取ると、それに火をつけてリビングの方へ歩いていった。
僕はちょっと拍子抜けした後、身なりを整えた。身支度が完璧か、もう一度確認し直す。来た時と、大して荷物は変わっていないが。
「行こう」
そうこうしていると、サキナさんが戻ってきた。背後のリビングで、積まれたゴミ袋がパチパチと焼けていた。白い煙がもうもうと漂っている。
「開けるぞ。大丈夫か?」
捲くっていた赤いジャージの袖を元に戻しながら、サキナさんが言う。
「はいっ」
リュックに仕込んだ金属バットの手触りを確かめながら返事をすると、サキナさんは鍵を開け、ドアノブを捻った。
「…………」
サキナさんがふと、振り返った。つられて、僕も振り返る。
扉の向こうのリビングは、すっかり火事になっていた。ゴミからゴミへ火が燃え移り、勢いを増しながら広がっていく。
恐らく、炎は部屋の中のすべてを焼き尽くすのだろう。和室に転がっている、サキナさんの父親の亡骸も……。
ギイィと音がして、光が差した。振り返ると、サキナさんが扉を開いていた。出ていくサキナさんに続き、僕も外に出る。
扉を開きっぱなしにしたまま、様子を窺った。あの老婆ゾンビがいるんじゃないかと危惧していたが、外の廊下に人影は無かった。静かで、控えめなセミの声しか聴こえない。朝の空気をまとった風が、ふわりと僕たちを撫ぜるように吹いた。
「んんっ……」
サキナさんが伸びをしながら、深呼吸をした。手に釘バットが握られたその後ろ姿は、初めて会った時のサキナさんと同じ、凛とした雰囲気をまとっていた。
「ふうう……あかる、やるぞ」
「え?」
硬直していると、サキナさんが突然、僕が押さえていた扉を勢いよく叩きつけるように閉めた。
―――ガチャアアンッ!
と、けたたましい音が廊下中に響き渡る。
「ちょっ!?サキナさんっ、何やってるんですかっ!」
狼狽えていると、廊下のあちこちの扉がギイイと開き、
「ヴぁああーう」
「ヴぉおおおあ」
中から、ゾンビたちがのそのそと出てきた。僕たちを、白い目で見つめてくる。中には、あの老婆ゾンビもいた。
「あ、ああ……」
「気合い入れるぞ、あかる」
「そ、そんなっ」
「怖いなら俺の後ろにいろっ!」
そういうと、サキナさんは釘バットをくるりと回し、左側の通路にいたゾンビに向かって走り出した。
「オラぁっ!」
「ヴがぅっ!」
サキナさんの飛び蹴りを喰らって、ゾンビが吹っ飛ぶ。
「ヴぇんぎんん!」
倒れ込んだゾンビを踏み越えて、あの老婆ゾンビが迫ってきた。僕は慌てて金属バットを構えたが、
「うオラァッ!」
と、サキナさんが釘バットをフルスイングした。小柄な老婆ゾンビが回転しながら吹っ飛び、ゴチャッ!と薄汚れた壁に頭の中身をぶちまける。
「無視しやがってっ!クソ共があっ!」
最初に跳び蹴りを喰らわせたゾンビの背中に、何度も釘バットを叩きつけながら、サキナさんが叫んだ。
〝ここの住人はみんな、気が付いてたはずなのに〟
サキナさんの言葉を思い出す。恐らく、サキナさんはここを出ていく前に、復讐したいのだろう。自分の悲鳴を、助けを求める声を無視した、心無い住人たちに。
「……ヴぁぢぃんごぉお」
背後に気配を感じて振り返ると、頭をハゲ散らかしたおっさんゾンビが、ヨタヨタと迫って来ていた。
「ヴぇぎあづぎーぢぃ!」
「うわああああっ!」
慌てて金属バットを振り回すと、先端がメギャッ!と、おっさんゾンビの顔面にクリーンヒットした。首が変な方向に曲がったが、それでも倒れる様子は無く、
「ヴぃっ、ヴぃぢばぢぃ!」
「わああっ!」
今度はゴルフのスイングのように、下から金属バットを振るった。先端が、おっさんゾンビの股間にクリーンヒットする。
「ヴぁーっ!」
おっさんゾンビが情けない呻き声を上げた。しめたと思い、何度も金属バットを股間に向かって振るうと、やがておっさんゾンビは力なく床に突っ伏し、小さく呻くだけになった。
「はっ、はああ……」
一息ついていると、
「お前、中々えげつねえことするな」
と、サキナさんが歩いてきた。背後に、ぶち殺されたゾンビたちの死体が転がっている。
「だ、だって、急所ですし……」
言った瞬間に、顔が真っ赤になっていくのを感じた。女子に向かって言うことじゃなかった。ああ、どうしよう。
「でも……オラッ!」
恥ずかしくて俯いていると、サキナさんが突っ伏していたおっさんゾンビの頭に釘バットを振り下ろし、粉々に破壊した。
「狙うならこっちの急所だな」
釘バットにこびりついた肉片を振るい落としながら、何の気なしに言うサキナさんに安心していると、
「ヴぇえあああああっ」
と、上から呻き声が聴こえてきた。上の階のゾンビたちに、騒ぎを嗅ぎ付けられたのだろう。複数人が動き回っている気配が、頭上から感じられる。
「さっ、サキナさんっ、逃げましょう!」
「ああ、もういいか。どうせみんな焼けちまうしな」
僕たちは降り口に向かい、勢いよく階段を駆け下りると、駐輪場の方へと走った。サキナさんがスクーターに荷物を括り付けるのを、辺りを警戒しながら見守る。
「よしっ、行くぞっ」
「はいっ」
サキナさんに続いてシートに跨ると、エンジンがふかされ、ブロロンと唸りを上げてスクーターが駐輪場から飛び出した。誰もいない駐車場を悠々と突っ切ると、敷地を抜け出て、猛スピードで坂道を下っていく。
僕は風を浴びながら、得も言われぬ高揚感に包まれていた。まるで、映画の登場人物になったかのような、そんな爽快感が胸に溢れていた。
ドクドクと脈打つ心臓に気付いて、慌てて深呼吸した。女子にしがみついて興奮していると誤解されてしまったら、一巻の終わりだ。
必死に身体を落ち着かせていると、スクーターが坂道を下り終えて、小さな橋の上で停まった。セミの声に混じって、川のせせらぎが聴こえてくる。
スクーターに乗ったまま、サキナさんが振り返った。つられて振り返ると、遠目に見える高台の団地から、黒い煙がか細く立ち上っていた。僕たちが放った火が、あの団地中に回っているのだろう。
それを見つめるサキナさんの眼は、何かをやり遂げたかのような、ずっと背負っていたものから解放されたかのような輝きに満ちていたが――それでいて、どこかほんの少しだけ、寂しげに見えた。
「……これから、どうしましょうか?」
取り繕うように質問すると、サキナさんはその眼差しのまま、じっと僕の顔を見つめてきた。
「……あかる」
「は、はい?」
「……お前はいいのか?家に帰らなくて」
「…………」
思わず、俯いた。感じていた高揚感が消え失せていき、心臓が冷えていく。
……僕は、
僕は、
僕は……、
いや、
……僕も、
僕も、サキナさんのように———。
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