🎈子供×人数×バルーン=暴動!?🎈

 さて、風船を作り始めて数分後。

 早くも子供たちのテンションは暴走状態です。この日はバルーンで作った剣が人気で、どの子も剣を構えて走り回っていました。

 集められた子供たちは、多分、初対面の子たちも多かったはず。一瞬で打ち解けちゃってるよ(/・ω・)/


 そんな中、ある男の子から


「ふたつの剣をがったいさせたい!」


 とリクエストされて、適当(!?)に二つの剣をくっつけてみたのが大うけしたり(子供のアイディア、スゲェや)、


「ふうせんをあたまにまきつけて!」


 とよくわからんリクエストされたので、言われた通り巻きつけてみたら頭をブンブン振りながら、巻かれた風船をブンブン振り回し始めた少年の姿を見て


(こ、これはヘッドバンキングじゃないか!)


 と、ヘビーメタル好きな僕のツボに入って大笑いさせられたりと、わりとハチャメチャな空気が出来上がったところで監督から声がかかりました。




監督

「それじゃ、ちびっ子たち、集まってくださーい。撮影の説明をしまーす」




 監督の撮りたい絵は

”ヒーローショーとそれを見に来た子供たち”、

”悪者に掴まったお姉さんを助けるためにヒーローの名前を呼ぶ子供たち”、

”ショーの後、ヒーローと握手をする子供たち”。

これらのシーンを数カットに分けて撮影する予定でした。

 みんなテンションMAXな状態なので撮影は一見すると順調に進んでいるようです。


 そう、一見すると……。


 僕がバルーンを作っている場所から子供らの姿を見ていると、明らかにみんな落ち着きなくウズウズしています。撮影中なのに、こちらに熱い視線を送っている子らもチラホラ……。




監督

「はい、カット。OKでーす」


子供たち

「「「わーーーーー(こっちへ猛ダッシュ)」」」


Ghost

「うわ! ちょっと落ち着いて、あばばばば」




 カットが入るたびに新たな武器バルーンを求める子供たち。バールーンの剣を手に入れると再び走り出す子供らのテンションは今や臨界点を突破。そして暴風のような凄まじいエネルギーは、ヒーロー、悪役、そしてお姉さんへと完全に無差別に向かっていきます。


 まぁ、つまり、無差別に叩く、叩く(笑)


 風船で叩かれても痛くもなんともないのですが、ヒーローやお姉さんまでワーワー騒ぎながらポコポコ叩いている様子は、もはや一種の暴動のような状況でした。

 みんな楽しそうだから良いけれど(笑)


 役者さんたちが撮影の合間に子供たちにボコボコにされている中、バルーンアーティスト武器商人である僕だけはボコボコにされることはありませんでした。僕を倒しちゃったら風船作ってもらえなくなるもんね(/・ω・)/


 さて、この日、初めてのバルーンアーティストとしての活動を通して学んだことです。


🎈遊びまわる子供のエネルギーは、ちょっとした暴力に似てる! 気を付けろ!!🎈

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