🎈十二月、北国の地で風船片手に暴れまわる子供たち🎈

 さて、十二月某日の日曜日。

 とある商店街のアーケードの下で専門学生たちの映画製作が始まりました。僕が住んでいる北国の某県は十二月となると大抵雪が積もっていまして、この日もチラホラ雪が降っていましたがアーケードのお陰で直接雪を浴びる事はありませんでした。


 けれど寒い!

 とにかく寒い!


 準備が整うまで二十人ほどの子供たちは暖房の効いた控室で待機中。

 子供は風の子と言うけれど、こんなに寒いと元気も無くなるんじゃないかと心配しつつ、ペンシルバルーンで大量のハートマークを作っていました。そして作ったハート型バルーンを学生たちが飾り付けていきます。

 隣ではお手製の衣装を着た(結構クオリティが高い!)ヒーローや(アクションの勉強をしてるので動きがキレッキレ)、悪役のような着ぐるみを着た役者さんたちが打ち合わせ中。

 なかなか真剣な雰囲気です。


 さぁて、僕のバルーンでどの程度、現場の空気を暖められることやら……。


◎ここでGhostが作れたバルーンアートのレパートリーの紹介!

〇イヌ!

 一番オーソドックスな奴ですね。


〇キリン!

 ま、単純に首と足が長いイヌです。


〇ウサギ!

 これも、耳が長いだけのイヌです。


〇プードル!

 頭の周りがモコモコしたイヌです。


〇ライオン!

 ミスドのポン・デ・ライオンみたいな感じ。作り方はイヌに似てる。


〇オウム!

 腕に装着可能。


〇剣!

 男の子は大好き!


〇ハート、ハートのステッキ!

 女の子は大好き!


 つまり、ほぼイヌしか作れません(笑)

 大丈夫か!?


 そうこうしているうちに撮影のスタンバイが完了。親御さんと一緒に二十人ほどの子供たちが控室として使っていた建物から出てきました……猛ダッシュで!


 控室にいた時点で子供たちに

”好きなだけ風船を作ってもらえるよ!”

と説明していたのかもしれません。すでに子供たちのテンションはMAX!


子供たち

「らいおん! らいおん! らいおん!」

「あのねー、けんがほしいー。いっぱいほしいー」

「はーとください。やっぱりぷーどるがいい。やっぱりうさぎ。やっぱり……」

「ねー、おにいさん、なんさい?」


Ghost

「よーし、慌てないで! 全部作るから、とりあえず順番ね! 一列に並ぼうね! 沢山あるから、一人何個でも作るからね! あと、お兄さんは十八歳だよ!(大嘘)」


 僕の「十八歳だよ!」発言に隣にいた専門学生さんが冷たい視線を送っていたけれど、そんな事を気にしている場合ではないのです🎈 気にしてる場合ではないのです🎈

 もはや、ここは戦場!

 目の前の子供らはめちゃくちゃ目をキラキラさせて、遊びたくて仕方ない様相。油断したらこの子らのテンションに潰される! そう思えるくらい子供たちのエネルギーはポジティブで爆発的です。


Ghost

「どどどどどどーしよ、これ。しばらく、この子らにバルーン作ってあげてて良い?」


監督

「あ、お願いします。リアルに楽しんでる子供らを撮りたいので」


 あ、そーいうことね。では、やってやろうではないか!🎈

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る