第24話 待ってるからね



「お姉ちゃん……っ!!」




わたしは、なんとか涙を押しとどめて声を振りしぼる。


「わたしのお姉ちゃんになってくれて……ありがとう。」


目を見開いてわたしを見つめるお姉ちゃん。

それまで困惑や喧騒であふれていた声が止み、手が止まり、誰もがこちらを見て、部屋が一瞬まるで時間が止まったかのように静まり返った。


あたしそあのお姉ちゃんになってくれて、わたしチヒロのお姉ちゃんでいてくれて。ずっと考えてた。どうしてわたしは、Vライバーになりたかったんだろうって。大事な何かを忘れているような気がして。何か、何かやらなきゃってずっと思ってた。」


上手く言葉が出てこない。

それでも、今。

今、言わなくちゃ……!


「わたし、“お姉ちゃんの代わりにならなきゃ”って、ずっと思ってた。お姉ちゃんがいなくなって、それでもわたしの毎日は変わらなくて、みんな前に進んでいって。一体わたしはどうしたらいいのか、何をして過ごしていけばいいのか分からなくなって!わたしの毎日の中にお姉ちゃんだけがいなくて、それを埋めるためにわたしはお姉ちゃんになろうとしてた。」


ノボ兄が言っていた。

わたしは───わたしたちは、忘れようとしていたのだと。

お姉ちゃんを、お姉ちゃんがいなくなったという事実を。



そうなのかもしれない。

だって、お別れは悲しいから。

今だってそうだ、これが最後の機会だなんて、考えただけで体が震えてくる。

もう二度と会えないなんて、そんなこと考えたくないから。

“お姉ちゃんがいなくなった”……その事実が嘘になるのなら、そんな悲しい思いをしなくて済むのだから。




「でも、今はもうちゃんと覚えてるよ。お姉ちゃんがいなくなった日のこと。お姉ちゃんが優しかったことも、ノボ兄が、みんながわたしを守ってくれていたことも。悲しくて、苦しくて、泣きたいのに泣けないことだってあったけど、もう大丈夫だから。目をそらさないで、ちゃんと泣けるし、笑えるから。」


わたしは忘れていた。

泣くことを、笑うことを、わたしの中の大事な気持ちを伝えることを。


「お姉ちゃんの妹でいられて、嬉しかった!もう一度会えて、嬉しかった!もちろんお別れは悲しいけど。時間なんて止まっちゃえって、ずっと思っているけど。もう絶対に忘れない。この悲しい気持ちも、会えて嬉しい気持ちも、全部お姉ちゃんとの大事な思い出だから。それに……」


もう絶対、忘れてなるものか。

大好きなお姉ちゃんを、いなかったことになんてさせるものか。

そして……




「わたしね、やっと分かったんだ。IMAIRでキラキラ輝いてるお姉ちゃん星隼ひかりを見て、わたしも、って思ったの。わたしも、あんな風になりたいって。お姉ちゃんのようになりたいって。」


あの日、共に流星群を見上げた夜を思い出す。

お姉ちゃんを前にして、ひとり決意を口にしたあの夜。

そうだ、わたしは―――


「お姉ちゃんになりたかったんだ。お姉ちゃんを目指して、お姉ちゃんと一緒に生きたかったんだ。お姉ちゃんの分まで、お姉ちゃんの目指した未来へ行きたかったんだ、わたしは!」


思えば、わたしはずっとお姉ちゃんを追いかけ続けてきた。

お姉ちゃんと同じ道を進んで、同じことをして。

お姉ちゃんがいなくなっても、わたしの心はずっとお姉ちゃんを覚えていて、わたしの目はずっとお姉ちゃんを見ていた。

ずっと、お姉ちゃんはわたしにとっての星標ほししるべだったんだ。




「……チヒロ。」


やさしく、とても真っ直ぐな声が返ってくる。


「ありがとう。あたしをずっと、追いかけてくれて。あなたがいたから、あたしは……」


いつもは聞いたことのない、いつになく真剣で優しくて透き通る声。

いや、わたしはこんな声を一度聞いたことがあった。

心の中に蘇ってくる、「あたしには、チヒロがいるから。」という言葉の響き。

そうだ、あれは……




「あたしね、本当は怖かったの。あたしは15年しか生きられなかった。いつ最期がくるかも、いつまでこうしてお話できるかも分からない。何もできず、何も残せずに終わりが来るのが怖かった。」


そんなの当たり前だ。

誰だって、死ぬのは怖い。

誰とも話せないし、会えないし、何をすることもできなくなる、正真正銘の“終わり”。

怖くないわけがない。

寂しくないわけがない。

逝く方にとっても残される方にとっても、それは同じだろう。

それでも最後の時は無情にも、いつかはやがて、やって来るのだ。


「“星隼ひかり”だった時もそう。こんな環境で、一体いつまで続けられるか。今日は無事に配信できてたとして、明日もそうだなんて保証はどこにもない。みんなと話せるのは楽しいけど、いつ終わりが来るか分からない。なによりね、もしあたしがいなくなったとして、あたしのことを覚えてくれている人がどれだけいるのか……。できる限り精一杯頑張ってきたつもりだけど、引退してしばらくしたら、きっとみんなの思い出からは少しずつ消えていっちゃうんだろうなって思ったら、ね。」

「うん……そうかもしれない。」


いまや、Vtuberはたくさんいる。

もしあたしそあがいなくなっても、代わりになる人はたくさんいるんじゃないかっていうことは、わたし自身何度も思ったことだ。


「でもね。そんな風に考えちゃう時にはね、いつもあなたがいてくれたの。いつだってあたしを「お姉ちゃん」って呼んでくれて、真っ直ぐにあたしを見てくれて。いつも思ってた。妹でいてくれてありがとうって。」

「……うん。」

「だってね、こうして生まれ変わっても、ちゃんと見つけ出してくれたんだよ?昔と何も変わらず「お姉ちゃん」って呼んでくれて、何の忌憚もなく「好き」って言ってくれるの。それでね、ようやく分かったんだ。あたしは、あなたの姉になるために生まれてきたんだって。あたしの全部を、あなたは受け継いでくれた。あたしが生きた証を、あなたが永遠のものにしてくれたの。」



思い出す。

あれは“最後の時”、お姉ちゃんと交わした言葉。

―――もしあたしがいなくなっても。あたしには、チヒロがいるから―――




「15年と少しだけの短い人生だったけど、あたしはちゃんと役目を全うできていたんだね。」

「……お姉ちゃん……!」




そこで、隣にいるお父さんがわたしの肩に手を置いた。


「ヒスイがいなくなってからも、誰よりもずっと悩んで悲しみを抱えてくれていたのはチヒロだよ。だって、みんな前を向いて歩くしかなかったんだから。探査機を飛ばすなんて一大プロジェクトを任されて、俺たちは泣いている暇なんてなかった。俺もノボルも、正直なところ悲しさを忘れるために無我夢中でやってたところはあるかもしれないから……。それに母さんだって、ああいう風に気丈に振舞ってるけど、悲しくないわけがない。俺たちの生活を一番支えてくれているのは、母さんだ。そんな俺たちの分まで悲しんで、ずっと背負い続けてくれたのは他でもない、チヒロなんだよ。」


お父さんの言葉に、ノボ兄も黙って頷いていた。

肩に置かれた手から温もりが伝わってくる。


「……そう、俺たちは家族なんだ。みんなで……チヒロも含めてみんなで助け合って、つらいことも悲しいことも、分け合っていたんだよな。」

「そうだよ。チヒロはすごいんだよ。あたしを二度も救ってくれた。わたしたち家族をまた会わせてくれた。そしてめぐるちゃんと切磋琢磨して、いつかきっと、ものすごいVtuberになるんだから!」


お父さんの、ノボ兄の、お姉ちゃんの言葉のひとつひとつに、涙があふれそうだった。

わたしはお姉ちゃんに、こんなにも期待されて、愛されてここにいるんだと。





───それでも。




「チヒロ───いいえ、そあちゃん。あたしの分まで、めぐるちゃんを、みんなを……よろしくね。」


お姉ちゃんの言葉に、わたしは静かに首を横に振った。


「ううん。……それは、できない。」

「え……」




虚を突かれて目を見開くお姉ちゃん。


「そあちゃん、それって……───」

「───わたしは!」


問い返そうとするお姉ちゃんを遮って、わたしは続ける。




「わたしはっ……!わたしは、お姉ちゃんになりたかった。お姉ちゃんがいなくなったことを、お姉ちゃんが死んだあの日を、ウソにしたかったから!」

「……チヒロ……」


ノボ兄が複雑そうな顔でわたしを見ているが、気にしない。


「でも、それだけじゃない。星隼ひかりおねえちゃんと出会って、めぐるちゃんと出会って、その気持ちを打ち明けられて、ようやく分かった。わたしは、お姉ちゃんが何を思っていたのか知りたかった。お姉ちゃんが何を見て、どんな気持ちでいたのかを知りたかったの。」


わたしは、お姉ちゃんになりたかった。

お姉ちゃんがいなくなったことを受け入れられなかったから。

しかし同時に、お姉ちゃんの気持ちが知りたかった。

何を想い、何を為そうとしていたのかを知りたかった。


「だからわたしは、お姉ちゃんになりきってみた。お姉ちゃんと同じことをして、お姉ちゃんと同じようにVtuberになって、みんなに幸せを届けられるように。」




お姉ちゃんは言った。

「わたしは、あなたの姉になるために生まれてきたのだ」と。



それは違う。

お姉ちゃんのことを見ているのはわたしだけじゃない。

ノボ兄が、お父さんがお母さんが、そしてリスナーのみんなが、たくさんの人がお姉ちゃんの帰りを待っている。

お姉ちゃんは、みんなにとっての星標ほししるべなのだから。



「お姉ちゃんは、わたしにとってのお姉ちゃんであるだけじゃない。ノボ兄の妹で、お父さんとお母さんの娘で、みんなが会いたいと思ってやまないVtuber“星隼ひかり”なんだよ!」


わたしはスマホを開いて、何人ものリスナーさん達から届いた、お姉ちゃんについての問い合わせのDMダイレクトメールを見せる。


「……あ……」


本来、こういったことをVtuber本人に聞くのはルール違反、マナー違反だし、ましてや当人以外の、わたしやめぐるちゃんのようなVtuber仲間や、midoriさんたちのような関係のない人に問い合わせるなんて、もっての外である。

それでも彼らは、それをとどまることができなかった。

それだけお姉ちゃんのことを想って、会いたいと思っていたから。


「ここで諦めちゃダメ。お姉ちゃんは絶対、戻ってくるの!お姉ちゃんと、めぐるちゃんと、わたしと。『テンタイカンソク』はまだ始まったばかり。まだまだこれからなんだから!」




わたしは諦めるつもりなんて、これで最後にするつもりなんて、さらさら無かった。


「……でも……」

「大丈夫。絶対にこれで終わりになんかさせないから!」

「……っ!でもっ……!!」


お姉ちゃんが突然、堰を切ったように喋りだした。


「今のあたしは、誰も予想していなかったイレギュラー。「よだか2」この計画はこの国の威信をかけた国家プロジェクトなんだよ?もしあたしのせいで失敗したりしても、いつ消えてしまうか分からないあたしには責任を負えないし、誰もあたしの存在すら証明できない。計画と関係のないことに「よだか2」のリソースを割いて失敗したら、全部お兄ちゃんやお父さんのせいになっちゃう!それに、何時いつあたしの意識が消えてなくなるかも分からないんだよ?またそうやって、そあちゃんやめぐるちゃんやみんなに迷惑をかけるか……何時いつみんなをまた悲しませることになるか、分からないんだよ……!」




ビビビッ―――

警報音が再び管制室に響き渡る。


「慌てるな、落ち着いて対応しろ!」


主任オペレーターであるお父さんは、油断のない顔つきで他のスタッフの人たちに指示を出していく。


「ほら、あたしがいる限り、こうなっちゃうみたいだから……。だからもう、いいんだよ。あたしのために頑張ってくれて、ありがとう。だから……───」

「───大丈夫だ。」


お姉ちゃんの言葉を、お父さんが遮る。


「ヒスイの言うとおり、誰もここにいるヒスイの存在を科学的に証明できない。この異常がヒスイのせいだなんて、誰にも言う資格はないわけだ。だったらこれは、俺たちの仕事だ。俺たちは必ず「よだか2」のミッションを成功させる。ここに集まった者は皆、その覚悟を持ってここにいる。誰が何と言おうと絶対に、失敗なんてさせるつもりはない。」

「お父さん……」


毅然とした態度で言い放つお父さん。

その隣から、一人の男の人が画面の前に来た。


「はじめまして、天野主任の娘さん方。「よだか2」プロジェクトマネージャーの戸田慎弥です。」


落ち着いた声で、ゆったりと、しかしテキパキとした口調で話すその男性。

プロジェクトマネージャーといえば、「よだか2」プロジェクトの総責任者だ。

そういえばこの前、記者会見で話しているところをテレビで見たのは、この人だった。


「先ほどからの会話は、ずっと聞かせていただいていました。ここは日本の科学の最先端を行く場所だ。ヒスイさん───あなたが何者なのか、それに答えられる人間は、この地球上に誰一人としていない。ゆえにあなたが何者であったとしても、「よだか2」のミッションの成否には何ひとつ影響しない───それが我々がこの場で下せる唯一の判断です。この信じがたい、興味深い現象については、後日改めて検証し調査する必要はありますが……今あなたに、そこから出ていけと言う人は誰もいません。」


戸田マネージャーは、優しい顔でそう言い終えた。

この場で一番偉い人からのお墨付きだ。

もう誰も、お姉ちゃんを責める人はいないのだ。




「で、でも……。もしあたしが残っても、Vtuberを続けることは……。Vをやるのもタダじゃないし、あたしじゃお金を稼ぐこともできない。この前の【歌ってみた】にしても、Mixの依頼料とかはシロハヤブサ先生が出してくれたからできたんだし……これ以上迷惑をかけられないよ。」

「アイツ、そんなこともしてたのか……」


ノボ兄があきれ顔でため息をつく。

シロハヤブサ先生、ホントのホントに“ママ”みたいにお姉ちゃんの面倒をみてくれていたんだな。


「そんなもの、俺が出してやれば済む話だろ!家族なんだから。それでこれからもお前と話せるっていうのなら、安いもんだ。」


ノボ兄は苦笑しながらそう言った。


「考えてみれば、お前が“死んだ”のが十五のとき……それから単純に年数を数えても、まだ19歳なんだよな。御大層な国家プロジェクトやらお金の問題やら、は大人に任せて、お前たちはただやりたいことをやればいいんだよ。それが若い頃だけの青春か、一生の趣味か、仕事か、何になるかは未来にならなきゃ分からないんだから。」


Vの世界は入れ替わりが激しい。

それを専業の仕事にできる人はほんのごく僅かで、ほとんどの人はまだ学生だったり、他の仕事の合間で趣味としてやっている。

わたしも今後どうなるかは分からないけれど、少なくとも数年の間は辞めるつもりは絶対にない。

そして、わたしたちのユニット、「テンタイカンソク」も───!


「Vtuberっていうジャンルが有名になっているというのは、私も知っています。なんなら、「よだか2」の公式Vtuberとして活動していってもらうのも面白いかもしれませんね?」


戸田マネージャーさんが、冗談めかした口調で楽しそうに言う。


「いいんですか、そんなこと簡単に言って?」

「言うだけならタダだからね。それに、「よだか2」や宇宙開発の世界のことをより多くの人に知ってもらえるのは良いことだし。案外、瓢箪から駒ということもあるかもしれませんよ?」


このマネージャーさん、思っていたのと違ってかなりユーモアのある人だ……!




「ミッションは必ず成功させる。小惑星オトヒメのサンプル───ヒスイがこの広い宇宙を旅してきた証は、必ず地球に帰還させる。だからヒスイ、君も、必ず帰ってきてくれ。」

「……あ……あぁ……っ……」


お姉ちゃんが、顔をくしゃくしゃにして泣き崩れる。

今まで胸の中に押しとどめてられてきたお姉ちゃんの本心に、やっと手が届いた気がした。



「お姉ちゃん、待ってるからね!」

「……みんな……あああぁ……っ……!!」




あの頃───お姉ちゃんがと闘っていた頃。

そして、事情を隠してわたしたちと一緒にVtuberとして活動していた間も。

お姉ちゃんは決して泣かなかった。

でも本当は、泣きたくてたまらなかったはずだ。

たとえわたしやみんなの記憶の中に残れたとしても、もう二度とここにはいられないなんて、耐えられるわけがない。



“最期の日”は必ずやって来る。

少しずつ、衰えていった先に。

あるいはある時、突然に。

その日を境に、もう二度と会うことはできない。

言葉を交わすことも、想いを伝え合うことも、気持ちを確かめ合うこともできない。

そんな別れの“重み”を、簡単に受け止めることなど、誰にもできない。

悲しみ、苦しみ、泣きながらそれを受け入れていくより他にない。



それでも、それを先延ばしにすることならできる。

そのために、人類は医学を進歩させ、科学を発展させてきた。

あるいは神様に祈り、想像を超えた奇跡を信じてきたのだ。



この謎に満ちた宇宙では、何が起こるか分からない。

人類わたしたちは科学を発展させて、できる限りのことを予測しようとしてきた。

それでもなお未知と神秘で覆われた、人類が未だ見果てぬ世界の最先端フロンティアが、この場所なのだ。

どんな奇跡が起こっても不思議じゃない。

いや、違う。

奇跡は起こそうと思って起こすものなのだ。







「───あたしがこうして動いていることで、この子よだか2に異常が起きている可能性は否定できないから……。だから、ここで一旦、通話は切るね。」

「ああ。明日にはサンプルのカプセルの分離を行う。万全を期す必要があるのは確かだからな。だが……」

「うん。分かってる。投下が終わって軌道修正が終わったら、また交信できないか試してみる。」


お姉ちゃんはもう諦めてなかった。

必ず、みんなのところに帰ってくる。

お姉ちゃんの顔と言葉には、その決意と覚悟が感じられた。


「そのためにも、まずは俺たちがミッションを成功させないとな。」

「ああ。愛娘の晴れの舞台だ、必ずや大成功を納めてみせるさ!」


お父さんもノボ兄も、そしてこの部屋にいるスタッフの皆さんも、士気は十分といったところだ。




「うーん……」

「……チヒロ?」


お姉ちゃんが、どうしたのかとわたしに声をかける。



わたしにできることは何なのか、考えていた。

この状況、わたしに何ができるのか、何をすべきなのか全く手がかりはない。

それでもわたしの頭の中には、ひとつ考えが浮かんでいた。




「お父さん、ノボ兄。すっごい無理難題なのは分かった上で、それでもお願いしたいことがあるんだけど───」






こんなところで終わりにしたくない。

それが世の中の摂理に反することだとしても、ウソをウソとして認めないことなのだとしても。

神様がくれたこの奇跡を、簡単に手放したりするものか。

どうすればお姉ちゃんが居続けられるのか、そのための方法に確たるものはない。

それでもわたしは、わたしたちは───諦めるつもりは、ただ指をくわえて見ているだけのつもりなんて、さらさらなかった!


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