閉話 アイカとレイのデートの話
レジスタンスの隠れ里とある日〜
この日、アイカは緊張していた。
2人きりで出かける事になったからだ。
「2人きりとゆう事は、で、で、デートではにゃいか!」
ココは、超音波が使えるようになりナターシャとレインが、戦う為の特別訓練でいない。
カインとエリカは、新しい隠れ里を作る為に貴族との交渉と現場監督の為にいなかった。
ハルベルト商会・ウォーカルとの打ち合わせや
交渉の為に変装をして町に行く事になった。
「こんな者かしら、大丈夫だと思うけど……」
白いドレスに白いつば広帽子で耳と尻尾を隠して長い手袋にブーツをつけ化粧をした。貴族の美しい女性にしか見えない。
鏡の前でクルクル回りながら自分が獣人に見えないか確かめながら見ていた。
「準備はできたかい?」
レイが扉の前で呼びかける。
「すぐにいきます」
扉を開けたレイを見て驚く。
金髪をビシッとセットして赤を基調に金の貴族の服に黒のマントをつけ、シルクハットに豪華な杖を持って決まっていた。
「よく似合ってるよ!」
「ありがとうございにゃす」
いつもと違う、レイの雰囲気に胸の高鳴りを止められずにいた。
立派な馬車までエスコートして馬車に乗り込む。
元貴族なので完璧に貴族の振る舞いができる。
「なんだか、レイ様からいい匂いがします?」
「いい匂いかい? ああ、香水だよ。そうだったプレゼントがあるんだ」
「プレゼントですか?」
デートにプレゼント、アイカにとって嬉しいサプライズだった。
「これは?」
ガラスの瓶に液体が、入っている。
「女性用の香水だよ、手首にほんの少しつけたあと馴染ませてから首や耳の後ろに馴染ませるんだ」
トントンとジェスチャーと共に説明する。
人が使っている所を見た事があるが直接、香水をつけている人が多かった。
獣人のアイカには鼻が曲がる程キツく、香水は好きではない。ほんの少し香るだけで丁度よかった。
(あれは、つけすぎだったんだ)
「あっ、いい香り」
薔薇の柔らかい匂いが鼻腔をくすぐる。
楽しい馬車の時間は過ぎてハルベルト商会についた。
「おふたり共、お待ちしてましたぞ!」
嬉しそうに歓迎してくれる。
「ウォーカル! 久しぶり、今日は宜しく頼む」
早々と客間にどうされ、紅茶を楽しみながら話をしていく。
「しかし、おふたりをこうして見るとすごくお似合いですな!」
子供の時から知っているウォーカルは2人が相思相愛だと知っていた、時代と状況が悪すぎて素直に付き合えない事も知っていたので、2人の背中を押したいと考えていた。
照れている2人に丁度いいのがある!と作戦を思いついた、直ぐに実行する。
「そうだ、実は新しい店を出したんですよ!」
「おめでとうございます」
「私からの提案なんですか、おふたりに店の味見をして店の者に感想を言っていただきたい」
突然に困惑していたが、アイカは嬉しすぎて走り出したくなっていた。
(これって完全にデートじゃない!)
「ウォーカル? 突然どうしたんです?」
「新しい店をより完璧にする為に、貴族や若い女性の感性が欲しいんです! 完璧じゃないですか!」
「なるほど!」
ウォーカルには、日頃から世話になっている。アイカは明らかに生きたそうだ。
「従者に同行させて食事の後はそのまま帰れるようにしまし、代金は私のおごりとゆう事で…」
「本当にいいのかい? では、ありがたく招待されゆようか」
「はい! レイ様!」
レイの死角からアイカに笑顔で親指を立てサムズアップをしていた。
深く礼をして出て行く。
「うまくいくといいが……」
すぐ近くに店があり、豪華な装飾にコース料理を2人は楽しんだ。
「すごく美味しかったですね!」
「確かに、すごく美味しかった!」
帰りの馬車の中でウォーカルの店について話をしがら夢心地にいた。
帰ったあとレイがワインとワイングラスを取り出し飲もうと誘う。
着替えた、2人はレイの部屋でワインを楽しむ…
「すごく楽しかったです!」
「楽しかったよ。それに、ドレス姿を見た時、いつも以上に美人でドキドキした」
「レイ様……」
「アイカ……」
「レイ様……にゃん……」
長いキスをしながらアイカをベットに押し倒した。
♢♢♢
朝の日差しと鳥のさえずりに目を覚ました胸元をシーツで隠しながら、隣で寝ているレイにキスをして抱きついていた。
思いが叶い嬉しさのあまりニヤニヤが止まらないアイカはレイが目覚めるまで抱きついていた。
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