第7話 情報交換
目の前には5人が立っていた。リーダーの斑目 雫に日本人と分かる女性が2人に、馬種ケンタウロス族の男が1人、兎種ラビット族の女性が1人の5人いた。
「独立解放前線のレイ・カトリックです」
レイを見た雫は驚いていた。よく、見ると他のメンバーもレイを見て驚いている。
「すまない! レイ殿、我々ピースメーカーは彼等と長い間、戦い続けている。彼等の情報を教えてほしい」
「私達も彼等と戦っている! 貴方達の情報は、我々もほしい」
「すいません、いいですか?」
丸メガネの長い三つ編みのおっとりした、日本人の女性が手を上げて話に割り込む。
「私は、大鳥 朱音と言います。レイさん達と私達で情報交換しませんか?」
アイカが耳打ちをして話す。
「これはチャンスです! 彼等から敵情報を聞き出せば打開策が見つかるかもしれません!」
アイカが耳打ちをしていると雫がアイカに話しかける。
「貴方は、誰ですか?」
「えっ? 私は独立解放前線のサブリーダーのアイカです」
ムスッとしながら雫がアイカに話す。
「あまり、人前で内緒話は感心しないな! 初対面の相手には、敵意しか作らんぞ」
「すいません! 話し合いは皆さん全員でいいんですか?」
ケンタウロス族の男とラビット族の女は嫌そうに言った。
「オレはパス! 苦手!」
「あたしもパス! 3人でやって! 休める所ある?」
「カイン兄さん! カイン兄さんいますか?」
人混みの中を掻い潜りながら出てくる。
「すいませんが彼等の案内をお願いできますか?」
彼等を案内させたのは彼等から情報を引き出せればと考えがあったからだ。
すぐに気づき2人を案内する
3人を会議室に案内してからレイ、アイカ、ウィンドラ、ナターシャが参加してそれぞれが簡単に自己紹介した。
「私と朱音はいいね。楓、自己紹介して!」
ポニーテイルに吊り目の日本人で剣士の格好をしていた。
「うちは
大阪弁の楓の挨拶に改めて日本が懐かしくなる。
雫が最初に提案する。
「お互いに質問し合っていくのは、どうだろう。我々が。尋ねたのだからレイ殿達が一つの質問に我々は、2つ答えよう! これでいいかな?」
ウィンドラが直ぐに抗議する。
「朝早くから叩き起こしたんだから3つは欲しいよ!」
雫はすまなそうな感じになりながら肯定して情報交換は、始まった。
「まずは奴らはなんなんだ? 犯罪組織と聞いているんだが?」
「少し、意味合いが違うよ。彼等は秘密結社″ゴッドアベンジャー″それが組織の名前だ」
「秘密結社?」
機械のバッタライダーにでてくる。敵のアイツらを思い出したがすぐにやめた。
アイカが質問する。
「では、目的は? なんなんですか?」
「この世界に復讐する事と神を殺す事だよ!」
「復讐? わたくし達が何をしたと言うのですか?」
ナターシャの質問に雫は答えようとするが考え込む
「その質問の前に君はどこまで彼等に話している?」
「雫さん、言っている意味がわかりません」
「私は回りくどいのは苦手でね。君は彼等に転生者だと話をしたのかい?」
雫の質問に驚くレイを見て、すぐに理解した。
「なぜ、転生者だと?」
「朱音、魔素について簡単に説明して」
「生物の肉体と魂の2つで魔素は成り立ちます。地球の、魔素はこの世界の人と色が違います。魂の色は″真理″に到達した私達ならわかります」
なんとなく分かった。この世界の人間じゃないから魂が、違うから彼等には分かったようだ。
「なんの話をしているんですか?」
「すまない! 後で説明する!」
アイカの問いを後回しにしながら、嫌な予感がした。心臓の音がうるさい。
「ナターシャ殿の質問に答えよう…」
「ゴッドアベンジャーのメンバー全員が転移者か転生者で彼等、全てがこの世界で迫害を受け、心の底からこの世界を恨んでいる」
「メンバー全員が地球から来た人?」
嫌な予感が当たり、呼吸が荒くなる。
「ああ! その通りだ!」
「なぜ! そう言い切れるんですか?」
だんだんと声が大きくなるが、アイカが止める。
「落ち着いてください!」
「彼等の加入の最低条件が地球人だからだよ!」
「最低条件……」
(じゃあ、リリーナ姉さんは……転生者?)
「新たに加入した″ラッキースター″について聞いてもいいか?」
まともにレイが、答える事ができないと判断した、アイカが割り込む。
「私が、答えます。ラッキースターはレイ様の行方不明だったお姉様です」
「「「なっ!?」」」
初めて雫達は驚いた。ゴッドアベンジャーの加入条件を知っているからだ。
「そうか、なんと言えばいいか。質問をこのまま再開するか? レイ殿、抜きで再開するか? どうする?」
立ち直り、続ける事にした。これはまたとないチャンスなのだから…
「このままで大丈夫です! 最低限と言っていましたが他は何がありますか?」
「2つしかない、他一つは心の底から世界を恨んでいる事」
「そんな事どうやったらわかる……」
自分で話をしながら心あたりがあった。
「わかったようですね、彼等はテストを必ず行う。帝国でもあった筈だ」
「ああ! かなりひどい事が……」
「ナチスをモデルにいているはずた、強制収容所が合ったんだろ?」
「新人のテストで国を丸ごと実験場にしていたのか! 狂っている!」
ゴッドアベンジャーについて初めて理解した気がした。
「奴等は、新人が入る度にテストをする。魔女狩りやフランス革命をモデルにした時もあった。次は私が質問する。奴等は、魔素の研究をしていたはず何かなかったか?」
グレイブの装置を思い出しながらある事に気づく、質問せずにはいられなかった。
「魔素力場発生装置とゆう物を持っていました」
「完成したのか!」
「オレからの質問です、なぜそこまで知ってるんですか? あまりに知りすぎている」
会話について来れずにいた。アイカ達もレイの質問に『確かに』と思ったが後で、レイに聞こうと思った。
隠れ里の会議室では、張り詰めた緊張感が漂っていた。
問い詰めるレイ、なんだかよくわからないが場の空気感だけわかるアイカ達、どう話したらいいか考えている雫達の図が出来上がっている。
「実はだね、私達の幼馴染が組織にいるんだ。私達は彼女を殺す為に組織と戦っているんだよ」
すまなさそうに話す雫に一瞬、何を言っているかわからなくなる。
「奴等に幼馴染が?」
「そうなんだ。彼女は
「なんで? そんな事に?」
かなり重たい理由からだろうと構えるレイに雫は信じられない一言を告げる
「リーダーのグレイドに蝶華が惚れてね、昔から病んだ子だったから今では……まぁ想像ができるかな」
「でも、どうして彼女を殺すか理由を聞いてもいいですか?」
「蝶華が私達から離れる時、転移された仲間達がほとんど殺されたからだ」
「な!」
「高校1年の時、教室にいた生徒全員が転移したんだ。蝶華は私達以外の仲間を全員殺した! だから、けじめをつける為に追っているんだ」
理由を聞いたレイは納得した。それからは、雫達を信用して組織について全て話した。
「ありがとう! これで奴等を追える!」
「いえ、オレ達の方こそ最初はすいませんでした」
話が終わり雫達が帰る時に雫がアドバイスをくれた
「私が貴方なら魔素について真剣に考えて調べる。知り合いで優秀な戦士の名前と居場所だ。確か近くにいるはずだから会うといいよ」
雫はメモ紙をレイに渡すと組織を追って行った。
会議室を開き、レジスタンスに自分が転生者で敵について全員が理解するまで話をした。仲間達は同じように言ってくれた。
「最初からレイなんでしょ。昔の記憶があるだけで何にも変わらないでしょ?」
それが嬉しかった。組織について話をしたら。
「なんて迷惑な逆恨み集団なんでしょう! 信じられないわ!」
少し複雑だった。奴等の気持ちが少しだけ理解できるから、多分コレは同じ境遇の人間にしか、わからない感情だろう。
説明が終わった後、みんなの前で今後の話をしていたらある事を思い出す。
「あ!」
「どうしたんだ?」
不思議そうにレイを見るカイン。
「雫さん達が、魔素についてちゃんと知っていた方がいいと言われて人を紹介されたんです」
「確かここに……」
ココがポケットのメモを取り渡してくれる。
「はい、レイパバ!」
「ありがとう、ココ」
メモには″銀翼″と書かれていてメンバーの名前といる町が書かれていた。
「銀翼? どこかで聞いたような気が……」
「銀翼だって!」
カイン兄さんが、驚いて立ち上がる。
「カイン兄さん、知ってるんですか?」
「覚えてないか? アイカとレイと3人で、街に遊びに行った時に合っただろ! オレの幼馴染の、アイツらだよ!」
レイとアイカは思い出した。街で合った3人の冒険者の事を、今までレジスタンス活動が忙しく忘れていた。
「銀翼との取り継ぎ、お願いします」
「銀翼ならオレに任せてくれ! アイツら元気にしてるかな〜?」
嬉しそうに出て行くカインを見て、嬉しかった。カインは慣れない仕事をこなす為に最近だと常に眉間にシワを寄せて大変そうだったからだ。
「しかし、世間は狭いですねー?」
「本当に。でも、助かりましたわ」
「ボクも銀翼の噂なら聞いた事があるよ!確か、もうすぐ最高ランク間際で評判もいいよ」
みんなでのんびりしていた。グローガンから、立て続けに忙しい、迫害された人達の解放も仲間達がしているし仲間も増えている。
「はぁ〜、正直疲れたなぁ」
かなり疲れていた。思わず無意識に呟いていた。
「レイパパ、大丈夫?」
ココが顔をスリスリしながら心配している。
「大丈夫だよ」
「たまにはみんなで遊びに行きたいですね」
「そうだね」
笑顔のアイカに無意識に返事をする。本当に疲れていると感じた
「寒くなってきたしね! ボクはお酒がいいなー」
「ウィンドラ! 寒いなら、やっぱり温泉でお酒がいいですわ」
「それはナイスだよ! ナターシャ!」
「温泉なら疲れもなくなりますね、レイ様」
楽しそうなみんなを見ているとたまにはいいんじゃないだろうか? たまにはバチは当たらない。
みんなで温泉の風景を考えると楽しそうだ。1日だけならいいかな、と考えていた。
ココの頭を無意識に撫でながら癒されてあるとカインが扉を勢いよく開ける。
「大変だ! 銀翼が捕まった!」
カインの言葉に考えていた全てがなくなって、またトラブルだとわかり、意識が遠くなるのだった。
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