閉話 ウィンドラとレイとレジスタンス
時は、カトリック家崩壊し、逃亡中に遡るーー
帝国軍は、執拗に逃げるレイ達を追いかけていた。
「なんとかしないと……くらえ」
走る馬車の上でから、騎兵の心臓を潰す。
グシャーー
「グハっ!」
「またか、謎の魔術を使いおって……」
倒れる騎兵を見ながら、帝国の少尉グラン・ウェードは嘆いた。
理由もわからず栄光ある帝国兵が倒れるからだ。
「追え! 数で攻めれば勝てる!」
しかし、謎の力に倒れる仲間を見て兵士達の指揮は低い。当然だ、訳もわからないまま死にたくはない。
「マジックミサイル! 走る馬から落とすだけで相手には致命傷になります」
「確かに、アイカの言う通りだ。武技・
レインの飛ぶ斬撃が騎兵を切り裂くーー。
バシュンーー
勢いよく走る騎兵に斬撃が当たり上半身が吹き飛ぶ。
アイカは威力は弱いが追尾効果のあるマジックミサイルをひたすら撃ち。落馬させていく。
帝国兵が半分近く倒された時。
「クソっ! 撤退、撤退だー!」
グランの撤退命令で逃げる帝国の上空に、ハーピーが飛んでいた。
「ボクが、渡した譲歩を無駄にして……プライドだけは高いのはヤツはダメだね」
ウィンドラは、情報屋として帝国に協力していた。報酬はハーピー族の安全……
仲間達の為に、しょうがなく協力していたが本心は大嫌いだった。
「しょうがない、追うかな? あいつらが、泊まる場所を決めたら帰ろう」
上空から見ているとレイ達のチームワークの良さがよくわかる。
モンスター達に囲まれていたがあっさり倒して解体している。
「帝国の兵じゃ無理じゃないかな? ボクもこれ以上は無理だし、休むかな?」
近くに小さい湖があり、休憩も兼ねて休む事にした。
♢♢♢
「水浴びにして正解だったよ!」
羽根についた汚れや汗を洗いながら、ウィンドラは考えていた。仲間達を逃す場所は見つけたがハーピー族は人質として監禁されている。
解放のやり方が、わからない。
「もうっ! どうしたらいいんだよ!」
バシャンと湖に飛び込み、頭を冷やすがアイディアが沸かない。
湖に漂っていたら、話し声が聞こえる。
「誰か、来た! まずい、急いで羽根を乾かさなきゃ」
羽根をバタつかせて乾かそうとしたが簡単には乾かない、水分を吸った重い羽根のまま、草の中に隠れた。
「すいませーん? 誰かいますか?」
アイカが確認をしながら誰かを呼び始めた。
「本当に誰もいないかにゃー?」
「姉さんいないよ、レインさんも行きましょう?」
「わかったから、引っ張らないでくれ」
アイカとエリカとレインは、水浴びを始める。3人の引き締まっているが、張りのある大きな胸とお尻に水滴と日の光で輝いていた。
「「「気持ちいいーー」」」
「所でココは?」
「「さぁ?」」
アイカの質問に適当に答えた2人だったが、草の中に隠れていたウィンドラは、後ろに何かいるのに気がついた。
ガサッ、ガサッーー
「ギャャアアーーーー!!」
「キャャーーーー!」
ウィンドラの丸く綺麗なお尻にかぶりついて離さないココ、草から飛び出して叫ぶウィンドラ、訳がわからないが叫ぶエリカ、警戒するアイカとレイン達だった。
「大丈夫か? みんな……」
レイを見てアイカとレインか追加で叫んだ。
♢♢♢
「すいません。ココがあなたの……」
「ココわるい! ごめんなさい!」
お尻を摩りながら、仁王立ちのウィンドラの前に正座をしている、レイとココ。
「もう、いいよ! これからは、気をつけてよね!」
ウィンドラは飛び立ち、いなくなった。
「まだ、お尻がヒリヒリする」
仲間達がいる監禁場所は近いので寄る事にした。
帝国の兵士達が暴れている、何故? 約束を守り情報は渡しているのに。
胸に燃え盛る怒りを抑えきれずに叫ぶ。
「お前達、やめろ! 約束が違うぞ!」
怒るウィンドラに向けてレイ達に敗れたグランが出てきた。
「お前の下手な情報で私の部下に被害が出た、コレはペナルティだよ。ウィンドラ」
「ボクは正解な情報を渡したぞ! 約束を守れ!」
「だったら、優秀な私が負けるはずがないだろうが!!」
「なっ!」
完全に八つ当たりだった。コイツらは、きちんと約束を守るつもりがない……
「コイツの両親を連れてこい!」
「はっ!」
ガリガリに痩せて、羽根がボロボロの両親がいた。
「抑えつけろ!」
「逃げて、ウィンドラ」
「君は自由に大空を羽ばたくんだ」
「黙れ、鳥人間があぁぁぁぁーー!」
「やめろーーーー!」
ウィンドラの両親の首が斬られて落ちた……
「ウァァァァーーーー!」
泣きながら逃げるが他の仲間も殺されてしまう。
「 誰か、誰か助けて」レイ達を顔が思いだす。
上空から大鳥の羽ばたきがきこえた。
大粒の涙を流しながら降り立つウィンドラを見て尋常じゃないとすぐにわかる。
「君はさっきの……どうしたんだ?」
「助けて……仲間達を助けて……」
事情を聞いたレイは、許せなかった。ウィンドラを騙し、利用している。
数は少ない、オレ達だけでもやれるだろう。
「カイン兄さん達は、裏側から攻めてくれ、オレとウィンドラさんは上空から侵入します」
「わかった、気を付けろよレイ」
「はい!」
拠点では、拷問や処刑が続いていた。
鞭で叩かれる者、焼印を入れられる者、斬られて亡くなる者、様々だった。
「行くぞ!」
走りだす、アイカ、カイン、レイン達は出会う兵士を斬りつける。
「
「
「兜割り!」
それぞれが技を使い、兵士を切るーー
「ウィンドラさん、急ぎましょう! 混乱に乗じて敵の将校を討ちます」
「レイさん、ありがとう助けてくれて……」
「作戦が終わったら聞きます!さぁ!」
ウィンドラの腰にしがみつき、レイを最上階に連れて行くとグランがハーピーを鞭で叩いていた。
「やめろ! お前達は何人を踏みにじれば気が済むんだ」
「レイ・カトリック? あはははは! こんな事なら、早く鳥モドキを殺しておけばよかったな!
歪んだ笑みを浮かべながらグランが獣じみた雄叫びとともに重い一撃を振り下ろす。
「邪魔だ! くらえ!」
念力を剣に纏い、剣を切り裂き、胴から真っ二つに切り裂いた……
グランは死にハーピー達は解放された、レイは解放されたハーピー達を見てこれから沢山の人達を解放して、団結すれば新たな道が見えるのでは?と感じた。
「レイさん、ありがとう助けてくれて……」
「ウィンドラさん、オレはこれから沢山の人を助ける為にレジスタンスを結成します」
「レジスタンス?」
「そうです。全ての人が独立して1人で生活できるように、捕まった人を解放する、最前線をつくる。レジスタンス、独立解放前線を」
ウィンドラは、ニヤッと笑いながらこれからやる事は世界をひっくり返すほど楽しい事になると確信していた。
「じゃあ、ボクが君達に情報と逃げるのに丁度良い場所を教えてあげるよ」
「ウィンドラさん、いいですか?」
「ウィンドラ、さんは要らないよ、レイ」
笑顔のウィンドラに笑いながら握手をした
「ああ、ウィンドラ」
この日から、レジスタンス・独立解放前線は活動する。人々を守る為にーー
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