第4話 動く犯罪組織
グローガン収容所から撤収後、隠れ里で会議が行われていた。
グレイブの裏切り、攫われたウォル、収監されていた人達、謎の薬と兵器についてついて隠れ里にいたレジスタンスの幹部での話し合いである。
「グレイブが、裏切るなんて……」
「カトリック家の三男が裏切り、ウォル殿を攫うか……、謎の薬や兵器もある! 問題は山積みだね」
落ち込むカインに悩むレイン。レイが話を進める。
「謎だったボスは、カトリック家に縁があり、恨みを持つ人物だとわかったが思いあたる人物がいないんです」
「ボクは、カトリック家の人達は詳しくないけどスタングって人だけたよね! 生死不明なのは…
…」
「そうなんだ! ウィンドラ!」
意見に大きく同意した。ウィンドラは、ハーピー族のボクっ娘で気の強い子だ。
「ボクは、作戦に参加していなかったから知らないけど、ナターシャとココはレイに同行してたんでしょ! 見なかったの? グレイブって人?」
「わたくしとココは邪魔をしてくる敵と戦っていたから見てませんわ!」
「そうそう! ナターシャ、ココ、頑張った!」
「えらいな、ココは、よしよーし」
ウィンドラは柔らかい羽でココを撫でる。
「ウィンドラ! フカフカ!」
アイカは真面目な顔で提案した。
「レイ様のお爺様である、ゴーラ・ディネスト様なら何かご存知かもしれません!」
「お爺様は、軍部のトップだから指名手配のオレには会えないんじゃないかな?」
「フフフッ! どうやらオレにの苦労が実を結ぶ瞬間が来たようだな!」
カインが軽く笑いながらわざとらしい感じで話始める。
「ゴーラ殿とは、長年の手紙やゴーラ殿の部下とのやり取りで大丈夫だ!会えるぞ!」
「本当ですか? カイン兄さん」
「本当だ。交渉も慣れてきたからな、苦労したよ」
カインは、交渉下手だったが3年間の長いレジスタンス生活で克服していた。
「あー、そういえばボスの情報の一つが入ったよ」
ウィンドラの爆弾発言に場が凍りつく。
「「「「えっ?」」」」
「なぜ、それを早く言わないんだ! ウィンドラ!」
すごい剣幕のレインに、ウィンドラは言い返す。
「ボクだって言おうと思ったさ! いきなり重たい話の連続でいい出せなかったんだよ!! 意地悪狼!」
「く〜! このバカ鳥めが〜!」
「2人共やめてくれ! ウィンドラ話てくれ!」
真面目な顔のレイにウィンドラは話す。
「わかったのは2つ、ボク達が読んでいたのはボスではない事と後は……」
「待ってくれ、ボスじゃない? どうゆう事だ! 研究所の所長メンタルはボスと……」
「メンタルは組織の一員じゃない! ただの使いパシリだよ。組織では″ラッキースター″と呼ばれている」
全員が妙な顔になる。
「本当にラッキースターなのか? ボスっぽくないな」
「ボクも最初はそう思ったよ! 帝国の上層部で読んでいるのが″ボス″と読んでいるらしいんだ! ビックリだし、わざとそうしてるみたいなんだよねどうも」
ウィンドラの情報収集能力は、レジスタンスで1番だしどうやら本当だとみんなわかった。
「もう一つとは何なんだ……」
「どうやらラッキースターは、″伝説のフィンリル″を連れているらしいんだ!」
フィンリル伝説は昔からあるが眉唾な都市伝説みたいな物だった。
「ウィンドラ、冗談はダメですわ」
「ハハハハ、我々ロボ族の先祖、伝説のフィンリルだぞ! 私だって信じない!」
「ボクだって眉唾だと思ったよ! フィンリルじゃないかもしれないけど5メートルの狼を連れているらしいんだよ!」
羽をバタバタさせて話をする、ウィンドラにみんな笑うしかない。誰が聞いても冗談に聞こえるからだ。
会議を終わらせてレイの祖父がいる、ディネスト領に行く計画をして行くがウィンドラは今回の情報にかなりの自信はあったが信じられずにいた。
「確かな情報なんだけどな…」
ウィンドラの今回の情報が真実なら絶望しかない伝説の神獣に真のボスがいる事になるからだ。
♢♢♢
イングラシア帝国から東に数100キロのフラン連合王国〜
白銀の英雄と漆黒のオーガが鬼気迫る、戦いを繰り広げていた。
「くらえ、グランドスマシャー!」
白銀の英雄が放つ、グランドスマシャーの衝撃波で大地がえぐれながら、オーガに迫る。
「ドォリャャーー!」
2メートルはある金棒で大地を叩き衝撃波を相殺させたオーガが武技を繰り出した。
「秘技・
オーガが放つ技で、白銀の英雄の鎧は砕け瀕死の状態になり倒れた。
(強い、強すぎる……)
「あんた、強かったぜ! ″竜殺し″のジャンさんよ!」
ジャンは、フラン連合王国をドラゴンの脅威から救った英雄であったが長い戦いの末、漆黒のオーガに破れていた。
「じゃあ、メインデッシュといかせてもらうぜ! ジャンさんよ」
「貴様、な、何を…」
ジャンの頭を両手で持ち上げるとオーガはかじりついた。
ゴリッ、グッシャ、グッシャ、ーーーー
長い時間、オーガはジャンの脳味噌を食べていたが後ろから話しかけられる。
「相変わらずだな″大物食らい″のオウガ」
漆黒のオーガ・オウガは振り向くと赤とピンクの女・オーガがいた。
「おおー! 久しぶりだな、″鬼姫″キキ」
「相変わらず、ゲテモノ好きみたいだねぇ」
オウガは笑いながら答える。
「ガハハハ! 強い戦士の脳が1番、美味いんだよ! 取り立て新鮮だしな!」
「まあ、いいさオウガ。お前は本部にたまには顔を出せって″グランド″が言ってたよ、秘密結社だからってオレにまで秘密にするなって文句いってたよ」
「馬鹿言え、グランドの方が結社のトップの癖に勝手気ままじゃねえか」
脳を食べ終わったジャンを投げる、投げた先にはヘルバウンドが10頭程いて待っている。
「よし、食っていいぞ」
ヘルバウンドは、一斉にジャンの死体にかぶりつき始める、骨まで食べているのかガリッ、ガリッと音がする。
「新しい任務だよ、これから入る新人に辞令を伝えろだってさ、イングラシア帝国だよ」
「イングラシアってことは″ラッキースター″かアイツはフェンリルを連れてるからオレは好きだぜ! 合格したのか! そうか! そうか!」
あぐらをかきながら膝を叩いて喜ぶオウガにキキが質問する。
「そういえばなんで、ラッキースターなんだい?」
「ああ、グランドがフェンリルに会いたいと急に言い出してな、たまたま見つけたんだと、ラッキーすぎるだろ! 砂漠で落とした砂粒を見つけるような物だぜ」
「あんた、本部に帰らないのに詳しいねぇ? あざといヤツだよ」
人差し指でチッチッチッと左右に振りながら
「情報は新鮮じゃなきゃ意味がないのだよ。キキくん!」
「アイツのマネはよしなよ。全然似てないしねぇ」
呆れるキキを無視してオウガは指笛を吹く。
「来い! 狼牙!」
普通のヘルバウンドより巨大なヘルバウンドが来て、オウガは乗る。
「お前はどうする? 他のヘルバウンドに乗ってもいいぞ!」
「じゃあ、一匹借りるよ」
近くのヘルバウンドにキキが乗る。
「狼牙! イングラシア帝国だ! いくぞ!」
イングラシア帝国に向けてヘルバウンドの群れが進行する。
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