episode9 人狼 続

 やっぱり処刑されました。てか、するように仕向けられたので満足です!せいぜい、クソゲーとなったzoom人狼をダラダラとやっていればいい。ユノちゃんと高みの見物してるからね!



『ダリアちゃん!すごかったよ!』

『かっこよかった!』


               『ありがとう!』

  『なんか、つまらなそうだから抜けちゃった』


『よくあんなに話せたねぇ』

『あー、確かに』

『コッチで高みの見物してると案外楽しいよ』


    『たしかに!ユノちゃんの解説聞きたい』


『私が全て当ててあげましょう!』

『元ガチ勢なので』


             『わーい!楽しみ!』



 てわけで、ガチ勢ユノちゃんの解説です!


 曰く、人狼の1人はたぶんベテランなんだって。で、今のところユキちゃんを人狼にさせたいみたい。だけど、私がそれを指摘したから、ちょっとどうなるか分からないみたい。もう1人の人狼は、私と同じ考えで女子だと思うって。


 やっぱ、流石だわ、私☆ユノちゃんにも良い働きしたって褒められた!貢献できて、なによりです。


 こうして、zoom人狼は進んでいった。

 しかし、私たちの予想以上に市民側はポンコツだった・・・・・


 なんと!私がせっかく力説したのに、話し合いもほとんど進まず、そのままユキちゃんは処刑されてしまったのです!

 さらに、私が実は人狼だったという考えになってしまったのだ。確かに、他のみんなは私が潔白の市民であるとは知らないが、これはあまりにも人狼側のペースに飲み込まれすぎなのではないか?

 もっと言うと、占い師と霊媒師の2人は未だに名乗り出ていないのです!


 これには、ガチ勢ユノちゃんも呆れています!


 あー、もう訳わかんないね!ちょっと私、愚痴りますね。


 死ぬ間際に「私、占い師でした」てなんぞや?そして、それを信じてる市民側もなんぞや?みんな、アホちゃうか?


 あれか?勉強はできるけど、空気読むとかのそういう、処世術が全然ダメな人たちなのか?私はねぇ、勉強できなくてもそういう処世術は身につけてようよって思う人間なんですよ。だから、君たちダメだよ!私からしたらね!


 まったくなにをやってるのだか。人狼がバレバレだったのに。心理戦苦手なのかしら?


 まぁ、結果を言いますと、人狼側の勝利でしたね。人狼は、ヨウスケくんで合ってました。私、天才ですね。もう1人の人狼は、ミノちゃんで合ってました。私、天才超えてますね。一人称、『アインシュタイン』に変えようかな?


 しかし私には、zoom人狼で市民側が予想以上にアホで負けたことよりも、もっと大きな問題があった。


 それは、夕食が出来上がってしまったことだ。ダリア家では、夕食は家族みんなで食べることが暗黙の了解のようになっている。つまり、ヤバイ。


「ダリア!ご飯できたよー!」


 というお母さんの声を聞いてから、約20分経っている。つまり、食事はもう終盤に差し掛かっていることだろう。今から急いだところで、食べるのが遅い私では終わりだ。


 ボッチ夕食。


 想像しただけで、震えが止まらん。


 しかし、最悪なことにzoom人狼が終わったら部屋から出てくるだろうと予想していたお母さんは、食事の中盤くらいで私のことを呼んだらしい。


 そう、私が食事できるようになった時、もうすでに私以外の家族は夕食を食べ終わっていたのである。


 ボッチ夕食の始まり。


 うん、寂しい。私の咀嚼音と音楽しか聞こえん。家族はどうしたのかって?ええ、風呂に入ってるのとテレビを見ているのがいますよ。


 あたい、ぼっちなんだけど!?なんで、そんなに呑気ににすごしてるの?


 今日私は、うちの家族は意外と冷淡ということが分かりました。

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