episode8 人狼

 誰も喋らない人狼ゲーム=クソゲー


 てわけで、クソゲーとなっているこの1年3組の人狼ゲーム!さぁ、どうしましょうか!この際、私が口火を切りましょうか?


 ・・・・・無理。調子のってごめんなさい。


「あのぉ〜、誰も話さないんで私が言いますけど、このゲームは話さないと意味がありませんよ」


 この声は!?ユノちゃんじゃん!すげぇ!流石です!師匠!私も見習いたいと思います!


 でもまずは、発破をかけて話題を出してあげよう!


「16番、ダリアでーす。話が進まないんで、単刀直入に言いますけど、23番のヨウスケ君が怪しいと思いまーす」


 お、ざわざわしてきた?じゃあ、ヨウスケ君の反論を待つだけだね。実際、中等部出身だし、亡くなった奴と仲良かった気がするし、真面目に考えた結果だよねぇ。


 ポキポキッ


 おい、LINEの通知よ!空気を読め!


『さすが!ダリアちゃん!』

『でも、なんでヨウスケ君だと思ったの?』

『まだ、決め手に欠けてない?』


 あぁ、ユノちゃんか。では、発言するとしましょうかね。


「えっとー、なんでヨウスケ君が人狼だと思ったのかというとですね、ヨウスケ君は、中等部出身てすよね。あと、亡くなったダイキ君と仲が良かったと思ってるんですけどー。ま、そんな感じです」


 うん、微妙に説得力に欠ける。けど、最初だから、こんなもんでいいでしょ。最初から、ガンガンに責め立てても意味ないし。


「のこり、1分です」


 まぁ、最初はこんなもんか。吊られる人はドンマイです!


「では、時間になりました。今回、処刑する人を全体チャットに送ってください」


 まぁ、ヨウスケ君に投票だよね。私は。


 うわぁ、全体チャットで誰が1番票数多いか見てるけど、みんなバラけてるなぁ。てか、お互いに投票してる人いるし。


「今回処刑されるのは、ユノさんです」


 え!なんだって!ユノちゃんが?どこにも、疑わしいところなんて無かったと思うけど・・・

 最初に話し始めたから?いやいや、そんな理由で吊られるわけないか。


 手でも振っとこ。バイバーイ!



 はい。『夜』ですね。何もないんで割愛。



 ポキポキッ


 ん?『昼』になった途端にLINEだ!たぶん、ユノちゃんだと思う!



『私、殺されたんだけど』

『指名した人たち許さない』

『ありえない』

『ここで私を殺すかな?みんな、人狼初心者すぎて笑える』


   『確かに!なんでユノちゃんなんだろうね』

   『てか、昼に話さないでどうするんだろう』

    『これは、ゲームがグダグダになる予感』



 予想通りのユノちゃんでしたね。でも、ダークユノちゃんになってない?いや、本来のユノちゃんなのかな?まだ、分からんわぁ。


 あ、人狼やんなきゃ。ユノちゃんと盛り上がっちゃってたやん。


 相変わらず、喋らねぇな。進まねぇな。つまんねぇな。どうしようかな?


 ここは、仕掛けるべきか?いや、ユノちゃんが処刑されたことから推測すると、たぶん次は私が処刑されると思う。ま、処刑されなくても次くらいで人狼にも殺されるんじゃないかな?


 じゃあ、掻き回すのもアリだな。いっちょ、やってやりましょうか☆


「はーい!ダリアです。やっぱりヨウスケ君が怪しいですね!あと、もう1人の人狼は女子でしょうね。合計4人の殺された人は、女子2人と中等部出身が2人。で、この結論になりますね!」


 もっと言ってやろう!


「それで、次の『夜』で、私が言ったことを人狼の2人は考えてしまうと思うんですよ。だから!初心者だった場合、ターゲットが変わると思うんですよねぇ」


 流石にやめる?でも、どうせ殺されるから言っちゃおうかな!


「さっきの『昼』でユノちゃんが処刑されたので、めっちゃ話してる私が次に処刑されると思うんで、まだまだ喋りますけど・・・私が処刑されたら次は、ユキちゃんが処刑されますよね、たぶん。だって、3人でよく話してたから!無駄に市民が死んでいくんですよ。私の予想通りなら、明日で9人。残りは20人。4分の1は人狼側なんですよ!実に無駄な犠牲だと思いませんか?」


 言いたいこと全部言ってやる!


「だから、早く霊媒師か占い師の人は、占い結果を報告してみんなで考えるべきです!そして、みんなで考えるべきです!私は、死ぬと思うので皆さん頑張ってくださいね☆あ、次の『夜』でミノちゃんが死ななかったら、たぶんミノちゃんは人狼ですよ」


 最後に爆弾を投げて終わり!


 よしよしよし。これで、疑心暗鬼になれ!人狼側にプレッシャーを与えつつ、市民側にも圧力をかける。カンペキじゃない?天才か、私!

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