episode5 友達

 まぁ、そのあとすぐにチャイムが鳴ったからなんとかなったよ。うん。心に大きな傷ができた気がするけどね・・・・


 次の休み時間には、絶対に話しかけてやる!てなわけで、誰に話しかけよう?とりあえず、大人しめな子に話しかけたいと思う。休み時間になったらすぐに動こう!


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 お待ちかねの休み時間!よし!やるぞ!


 話しかける子を決めたんだ!あの端っこの席に座ってる、ユノちゃんに話しかける!


 たぶん、あの子は隠してるだけで明るいタイプだ!つまり、同類だ!どのくらいノリがいいか分からないけど、私の勘が言ってる!


 では、いざ出陣!敵は本能寺にあり!・・・・・あ、ノリで言っちゃったけど、ユノちゃんは敵じゃないわ。・・・とりあえず、いくぜっ!


「初めまして〜。あの、私、ダリアです。・・・・よろしくお願いします!」


 何言ったらいいか分からなくなってしもうた!失敗したぁ〜。


 あー、もうヤケだ。後半はヤケだ!いけぇ!私の熱意が伝わればいい!友達が欲しいっていう熱意が伝わればそれでいい!


「あ、ユノです。ダリアちゃんって呼んでいい?」


 キタァーーーー!よし!よし!よし!よっしゃあーーー!


「うん!いいよ!私もユノちゃんて呼んでいい?」


 会話成り立ってる!?大丈夫だよね!?


「うん、よろしくね〜」


 はぁ・・・・・もう、今日は満足!とりあえず、ボッチは回避したと思うぞ!よかったぁ。


 今日はユノちゃんとお互い自己紹介をちゃんとして、LINEも追加した!これから、地獄の休み時間を過ごさなくて済むね!やった!


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 次の日になりました〜。


 委員会を決めることになりました。え、ダル。楽そうな委員会に入ろう!学級委員長とかはもってのほか!一回入った時に思い知ってるからね!


 あ、保健委員あるじゃーん!これしかないわ。絶対に楽。だって、保健委員だよ?何するの?今までの経験から、保健委員がまともに仕事してるの見たことない。


 あ、でもボッチはやだなぁ。あと、男子と同じとか。いや、いいんだけど気まずいやん?あと、それでいろいろイジられるのとか、ちょーダルいからさ。男子が嫌いなわけじゃないよ。むしろ、ノリとかいいから女子より好きよ。


 そんで、保健委員やってくれそうな女子いるかな?あ、立候補してる子いるわ。


 あれは・・・ユキちゃんだね。ユキちゃんは、たぶん育ちがいい。だって、背筋ピンてしてるんだよ!いつでも!あと、ハキハキ喋る。これは、しっかりと教育されてきた結果だと思うんだよね。(ダリアの勝手な持論ですので、参考にしないでください)


 つまり、同じ委員会に入ったらしっかりと仕事をやってくれそう。で、私が楽できる!


 うん、考えがクズだね。自覚あるよ☆


 てことで、保健委員に決まりで。しれっと名前書いてきましたわ。


 うんうん、人数が合わないところはジャンケンで決めるよね。


 お、みんな委員会決まったみたいだぞ。


 先生が委員会名とメンバーを読み上げる。


 ・・・・・先生、顔と名前が一致しないから名前だけ呼んでも分かりませんて。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 休み時間になった!ユノちゃんのところに行こうかなぁ〜。


「ねぇ、ダリアちゃんだよね?」


 へ?話しかけられた?誰に?誰が?私に、ユキちゃんが。え!どうしよう。落ち着け落ち着け。まずは、無難に返事をすればいいんだ!「うん、そうだよー。ユキちゃん!」と言おう!よし!


 この間、わずか0.1秒。


「うん、そうだよー。ユキちゃん!」


 よし!まずは、ファーストミッションクリアだ!人間、第一印象が大切らしいからね。気軽に話せる雰囲気を作っておこう!・・・・・出来るかどうか知らないけど。


「同じ、保健委員だよね?よろしくね!」


 あぁ!眩しい!輝いてる!後光が見える!素晴らしいコミュ力と距離の詰め方!これが、お手本だ!


「ダリアちゃんさ、綺麗だよね?」


「え?綺麗!?なわけないじゃん!」


「入学式で見てて、綺麗だなぁて思ったんだよね」


 そーして、この休み時間はユキちゃんのおかげで楽しく過ごせたのでした。

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